感染症エクスプレス@厚労省
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メールマガジンのバックナンバーです。

2025-02-28

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン 
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃ 
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                       ┃@┃厚┃労┃省┃ 
                        ┗━┻━┻━┻━┛ Vol.532(2025年2月28日) 

■ヘッドライン■□■□■□■
【トピックス】
◆「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント」、「罹患後症状に関するQ&A」を改訂
◆感染症危機管理専門家(IDES)研修生募集、令和7年10月採用(11期生)
◆厚生労働省検疫所 検疫医療専門職(医師)・検疫官(看護師)募集
【新型コロナウイルスについて】
【インフルエンザについて】
【風しんの追加的対策】
【お役立ちリンク集】
【SNSにおける情報発信】
【IDESコラム】
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トピックス
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◆「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント」、「罹患後症状に関するQ&A」を改訂
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント」が1年4カ月ぶりに3.1版として改訂されました。
本手引きは、罹患後症状に関する国内外の知見、マネジメント方法や留意点、症例集などについてとりまとめたものです。今回の改訂では、オミクロン流行期以降の科学的知見や、活用できる支援制度の一覧、罹患後症状に関するリーフレットなど、臨床で幅広く利用できる内容を新たに盛り込んでいます。
 また、厚生労働省HPの「罹患後症状に関するQ&A」も更新し、内容を充実させています。
 これらをご活用頂き、医療従事者や関係者の皆さまが罹患後症状に悩まれる方を診療する際等に役立てていただければ幸いです。
・「新型コロナウイルス感染(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(3.1版)」(令和6年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001422904.pdf
・「罹患後症状に関するQ&A」(厚生労働省HP) 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html

◆感染症危機管理専門家(IDES)研修生を募集中、令和7年10月採用(11期生)
研修内容の説明、修了生から養成プログラム体験談の発表、質疑応答を予定しています。応募をお考えの方やご興味のある方は、ぜひご参加ください。
応募期間:令和7年2月1日〜令和7年4月30日まで
応募説明会:令和7年3月24日(月)19:30〜20:40頃(社会医学系専門医協会との合同開催)
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html

◆厚生労働省検疫所 検疫医療専門職(医師)・検疫官(看護師)募集中
検疫所では専門科や経験年数等が異なる様々なバックグラウンドを持った医師や看護師が働いています。
感染症の水際対策にご関心がある方のご応募をお待ちしております。
各検疫所の見学も随時受け付けております。募集の詳細については以下のリンクをご参照ください。
▼検疫医療専門職(医師)採用情報▼
https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/keneki.iryo.html
▼検疫官(看護師)採用情報▼
https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/keneki.html

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新型コロナウイルスについて
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2025年第8週(2/17〜2/23)における定点当たり報告数は、4.95(報告数24,343件)でした。
◆報道発表資料について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00474.html
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インフルエンザについて
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2025年第8週(2/17〜2/23)における定点当たり報告数は、2.21(報告数10,866件)でした。
◆報道発表資料について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou_00018.html

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 風しんの追加的対策
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◆風しんの追加的対策へのご協力のお願い
2018年は、第52週(12月24日〜12月30日)までに2,941例の届出があり、そのうち、2,881例は7月23日以降の報告でした。(確定値)
2019年は、第52週(12月23日〜12月29日)までに2,298例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。(確定値)
2020年は、第53週(12月28日〜翌年1月3日)までに101例の報告があり、患者の約7割は男性でした。(確定値)
2021年は、第52週(12月27日〜翌年1月2日)までに12例の報告があります。(確定値)
2022年は、第52週(12月26日〜翌年1月1日)までに15例の報告があります。(確定値)
2023年は、第52週(12月25日〜12月31日)までに12例が報告されています。
2024年は、第52週(12月23日〜12月29日)までに7例が報告されています。
2025年は、第7週(1月27日〜2月16日)までに2例が報告されました。
<風疹 発生動向調査> 2025年第7週(2月19日現在)
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2025pdf/rube25-07.pdf

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 お役立ちリンク集
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◆IDWR 2025年 第6週(第6号)(2025年2月21日発行)
<第6週>RSウイルス感染症の定点当たり報告数は第2週以降、増加が続いている。過去5年間の同時期の平均と比較してかなり多い/その他最新動向
<IDWR 感染症発生動向調査週報>https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2025/idwr2025-06.pdf

◆IASR 速報記事 2025年2月26日
重症急性呼吸器感染症アウトブレイクと関連するアデノウイルスB種14p1型の日本で初めての探知と拡大への注意喚起
https://www.niid.go.jp/niid/ja/adeno-pfc-m/adeno-pfc-iasrs/13160-541p01.html

◆IASR 2025年 Vol.46, No.2 (No.540)  (2025年2月発行)
▼特集: カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症,2024年現在
▼関連情報:医療機関における最新のカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)検査方法、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌病原体サーベイランス, 2017〜2023年 等
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/iasr/46/540.pdf

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
▼チャパレ出血熱−ボリビア多民族国(2025年2月25日)
https://www.forth.go.jp/topics/2025/20250225_00001.html

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 SNSにおける情報発信
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厚生労働省公式アカウント<X(旧Twitter)、Facebook>において、新型コロナウイルスをはじめ、感染症に関するSNSを発信しています。ぜひご登録ください。
X(旧Twitter):https://twitter.com/MHLWitter
Facebook:https://m.facebook.com/Mhlw.Japan

◆インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移(第8週)
2025年2月28日(金)
https://x.com/MHLWitter/status/1895355790405574962
◆インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移(第7週)
2025年2月21日(金)
https://x.com/MHLWitter/status/1892819053305352217
◆動物由来感染症ハンドブックの作成
2025年2月21日(金)
https://x.com/MHLWitter/status/1892861903384563807
◆風しんの追加的対策
2025年2月21日(金)
https://x.com/MHLWitter/status/1892733565051535731

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 IDESコラム
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◆vol.83「文化や制度の違いを越える情報の発信と共有」
9期生の城 有美 (じょう ゆみ)です。2024年4月から米国疾病予防管理センター(U.S. Centers for Disease Control and Prevention: CDC)に派遣されています。
Atlantaはこの冬すでに2回目の積雪に見舞われています。Winter storm の警報が発出されると、公共交通機関は運休され、オフィスも閉鎖されるので、自宅に閉じこもりながら、この原稿を書いています。この機会に昨年4月に渡米してからのエピソードを振り返ってみました。
2024年4月に何があったか、皆さんの記憶にございますか?当時、CDCではH5N1インフルエンザへの対応が課題となっていました。CDCに派遣された当初、私は、CDCでいくつかの部署に順に配属されその部署の仕事を学ぶ予定でしたが、ちょうど、この時期から、私が配属を希望する部署は、H5N1インフルエンザへの対応により、とても忙しくなっていました。いくつかの部署に連絡をし、やっと数週間後からの配属の約束を取り付けても、配属開始数日前に受け入れはできないと連絡されることが何度か続きました。3か月後の7月には、部署配属での研修は難しそうだと思い、この時期には、オンデマンドの研修動画を集中的に閲覧することにしました。
この研修動画を閲覧する中で感じたことは、日米の研修内容の違いでした。日本では地震とそれに伴う火事などに対する訓練が多いと思いますが、私が閲覧した研修動画の題材は、洪水や火事とともに、銃乱射への対応方法について、かなりの量の研修動画がありました。そのようなことが起こりうる環境なのだ、と感じました。実際、悲しいことに、9月には、私が住んでいるGeorgia州にある高校で銃乱射事件がありました。米国では、自宅での銃保有が自殺の危険因子であるとも言われています。このような背景もあり、研修動画では、銃乱射に対する対応方法やできるだけ生存する可能性を高める方法が示されていました。
一方、研修動画を閲覧する中でも、日本でよく見る地震の際の対応については、見かけることはありませんでした。米国の市民は地震の際の対応には詳しくないのかもしれない、とも思いました。日本では、地震に見舞われることは稀ではありません。順序は状況に応じて異なるかもしれませんが、緊急地震速報があったら、または揺れを感じたら身の安全を確保し、火を消し、避難経路を確保することを幼いころから学びます*1。我々は知識を身に着け、行動できるように訓練し、被害を軽減することに役立てています。研修動画の閲覧をとおして、日米の間の対策の力点の違いを改めて感じました。
このような日米の違いを感じるとともに、同様であることを感じることもありました。冒頭に紹介したH5N1インフルエンザに関して印象的だったのは情報発信の速さでした。会議後速やかにその会議の内容がCDCウェブサイトに公開されていました。研究費が寄付金から捻出されることもあり*2、CDCの各部署は、研究の結果を含め、情報の発信を積極的に進めています。2024年5月には、CDCウェブサイトを操作しやすく、視認性を高めたスタイルに変更したのですが、変更が終了した時もしっかりと広報され、情報発信が重要視されていることを改めて感じました。
私の派遣は研修する部署が見つからないことに始まりましたが、様々な文化の違いに触れ、考え方の違いの背景には文化・歴史、制度の違いが影響していることも学びました。感染症は人の移動、動物の移動、食べ物を含む物質の移動で世界に拡大します。このような性質を持つ感染症から自国・各国・各地を守るためには、それぞれの国や地域を尊重した情報共有、協力体制が必要だと私は考えています。そして、平時からのコミュニケーションとそれによる信頼関係の構築は国際的な協力関係の基盤となるものであると感じています。
2025年1月21日、米国では、Trump新大統領が就任し、新政権が発足しました。世界保健機関(WHO)からの脱退やアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)の閉鎖が身近な話題となっていますが、大統領令*3に沿って各種変更がCDCでも進められています。例えば、1960年9月から中断することなくCDCより発行されてきたMorbidity and Mortality Weekly Report (MMWR)*4 の発行が一時中断され、CDCのウェブサイトには、「CDC's website is being modified to comply with President Trump's Executive Orders. 大統領令に従った内容に変更しているところである。」と掲載されるようになりました。
“win-win”な関係の構築が重視されていく中で、感染症危機管理で必要とされる他国との関わり方は、どのようなものなのか?感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム*5でCDC に派遣されている私も熟思していきたいと思います。

*1 https://www.fdma.go.jp/relocation/bousai_manual/index.html 
*2 https://www.cdcfoundation.org/our-story
*3 https://www.federalregister.gov/presidential-documents/executive-orders/donald-trump/2025
*4 https://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/su6004a3.htm
*5 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides_index.htm

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