感染症エクスプレス@厚労省
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メールマガジンのバックナンバーです。

2024-08-19

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.519(2024年8月19日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【トピックス】
 ◆海外渡航後に気をつけたい感染症について
 ◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やマイコプラズマ肺炎などの感染症の流行状況
 ◆エムポックスに関する情報提供及び協力依頼について

【新型コロナウイルスについて】
 ◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について

【風しんの追加的対策へのご協力をお願いします】
 ◆2025年3月31日までの3年間に限り、風しん抗体検査・予防接種を公費で受けられます
 ※風しん抗体検査・風しん第5期定期接種受託医療機関更新しました(2024年8月1日時点)

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2024年第30週(第30号)(2024年8月9日)
 ◆IASR  Vol. 45, No.7 (No. 533)  (2024年7月発行)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2024年7 月29 日〜2024年8 月16 日掲載)
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 トピックス	
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 ◆海外渡航後に気をつけたい感染症について
   夏休みを利用して海外へ渡航し、帰国された方もいらっしゃる中で、感染症には、潜伏期間が数日から1週間以上と長いもの
  もあり、渡航中又は帰国後に症状がなくても、しばらくしてから感染症を発症する場合があります。
  海外では、国内に常在しない感染症や日本よりも高い頻度で発生している感染症が報告されており、また、多くの人が
  移動・集合する大型イベントでは、感染症へのリスクが高まるため、注意が必要です。

 〇食べ物や水を介した消化器系の感染(A型肝炎、腸チフスなど)
 ・A型肝炎は、世界各地でみられますが、衛生状態が悪く飲用水の管理が悪い地域でのリスクが高く、
  2〜7週間の潜伏期間の後に、発熱、全身倦怠感、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後に黄疸が現れます。
 ・腸チフスは、特に南アジアで感染のリスクが高く、感染して1〜3週間は症状はなく、その後、高熱、頭痛、全身倦怠感、
  発しん、便秘などの症状が現れ、高熱の割に脈が遅いのが特徴的です。
  重大な症状として、腸出血、腸穿孔を起こすこともあります。

 〇蚊などを介した感染症(マラリア、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、オロプーシェ熱など)
 ・マラリアは、潜伏期間は1〜4週間であり(原虫種によって異なります。)、発熱、悪寒、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの
  症状が現れます。
  熱帯熱マラリアはアフリカやアジア・太平洋の熱帯地域が流行の中心で、発症から24時間以内に治療しないと重症化し、
  脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重症貧血など、さまざまな合併症がみられ、死に至ることがあるため早期診断、治療が
  重要です。
 ・デング熱は、日本人の推定感染地域として多いアジアや、流行拡大している中南米を含め熱帯・亜熱帯地域に広く分布し、
  2〜14日(通常3〜7日)の潜伏期間の後、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発しんが現れ、時に重症化することがあります。
 ・チクングニア熱は、アフリカ、南アジア、東南アジアが流行の中心で、蚊によって媒介される感染症です。
  潜伏期間は2〜12日(通常3〜7日)で、発熱と激しい関節痛を主な症状とし、数ヶ月症状が続くこともあります。
 ・オロプーシェ熱(Oropouche fever)は、中南米地域を中心に流行の見られる節足動物(ヌカカや蚊)媒介感染症で、
  2024年はボリビア、ブラジル、コロンビア、ペルー、キューバから報告されており発生地域が拡大しています。
  3〜12日(通常4〜8日間)の潜伏期間ののち、デング熱に類似した症状を呈しますが、一部の患者では無菌性髄膜炎の症状を
  呈することがあります。多くは1週間以内に回復します。

 ○ダニを介した感染症(リケッチア症、重症熱性血小板減少症候群、ダニ媒介脳炎など)
 ・リケッチア症は、アフリカ紅斑熱などの地域流行性の紅斑熱、ライム病、つつが虫病、
  ダニ媒介回帰熱など多くの種類があり、多くは1〜2週間の潜伏期間の後、
  発熱、頭痛、不快感、嘔気・嘔吐が見られ、重症になると死亡することがあります。
  流行地域は疾患により異なります。
 ・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、東アジアを中心に分布しており、
  6日〜2週間の潜伏期間を経た後、主な初期症状として、発熱、全身倦怠感、消化器症状が現れ、
  その後、重症化し、死亡することもあります。
 ・ダニ媒介脳炎は、東部から中央ヨーロッパ、ロシア、中国北部で分布しており、4〜28日間の潜伏期間があった後、
  頭痛、筋肉痛、倦怠感、発熱が起こります。悪化すると、脳炎症状が出て、重症型の場合は死亡することがあります。
  今年3月に本疾患を予防するワクチンが薬事承認されています。

 〇人から人に広がる感染力の強い感染症(麻しん、風しんなど)
 ・ 麻しん、風しんは世界の多くの国で流行しており、麻しんの潜伏期間は通常10〜12日間、風しんは14〜21日間で、
  発熱、発しんが主症状です。
 ・特に、現在、海外で流行が報告されている麻しんは、海外からの輸入症例を契機とした国内における感染事例も報告
  されており、注意が必要です。

  医療従事者の皆さまにおかれましては、海外渡航者への感染症に関する注意喚起に引き続きのご協力をお願いします。

 ・海外へ渡航される皆様へ(厚生労働省)
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/index_00003.html
 ・夏季休暇の海外渡航者に対する感染症予防啓発について(協力依頼)(自治体あて事務連絡)
  https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001280326.pdf
 ・海外へ渡航される皆さまへ!(厚生労働省検疫所 FORTH)
  https://www.forth.go.jp/news/20220722_00001.html
 ・クアラン海外旅行Q&A
  https://www.forth.go.jp/Quaran/quaran-travel-Q&A.html


 ◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やマイコプラズマ肺炎などの感染症の流行状況
 ○新型コロナウイルス感染症の最近の発生状況
  全国の定点医療機関から報告される1週間ごとの新規患者数は、本年5月上旬から増加傾向でしたが、
  7月29日〜8月4日の1週間は13.29と、前の週の14.58からやや低下しました。
  ただ、夏休みやお盆などで人の動きも活発化するため、今後の発生状況についてはまだ注視が必要です。

 【新型コロナウイルス感染症の定点当たりの報告数(全国)の推移】
  グラフは30週(7月22日〜28日)までを記載。31週(7月29日〜8月4日)は13.29。
  http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/backnumber/image/20240819_01.html

 ○マイコプラズマ肺炎
  31週(7月29日〜8月4日)の定点当たりの報告数は0.95と前の週の0.78からさらに増加し、
  過去5年間の同時期と比較してかなり多い状況で推移しています。
  厚生労働省では、マイコプラズマ肺炎のHPを更新しました。
  マイコプラズマに関する基本的な情報や、治療や予防・対策などがまとまっていますので、是非ご覧ください。

 ・厚生労働省 マイコプラズマ肺炎とは
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html

 【マイコプラズマ肺炎の過去5年間との週別比較】
  グラフは30週(7月22日〜28日)までを記載。31週(7月29日〜8月4日)は0.95。
  http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/backnumber/image/20240819_02.html

 ○その他の流行中の感染症
  定点把握の対象となる感染症では、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、急性出血性結膜炎、
  手足口病、等が過去5年と比較して多い水準で報告されています。
   http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/backnumber/image/20240819_03.html

 ※文中の図はいずれも国立感染症研究所IDWRより引用。
  https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2024/idwr2024-30.pdf


 ◆エムポックスに関する情報提供及び協力依頼について
   8月14日(現地時間)にWHOはコンゴ民主共和国及びアフリカの複数国における
  エムポックスの感染拡大が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」
  (Public Health Emergency of International Concern (PHEIC))に該当する旨を宣言しました。

   エムポックスは2022年から世界中で流行が続いてきましたが、今回の宣言に至った主な理由は、世界的な流行を起こした
  ウイルス(クレードII)とは異なるクレードIがコンゴ民主共和国及び近隣諸国で拡大しており、新しい型(クレードIb)の
  ウイルスが検出されているためです。
   これに伴い、厚生労働省では、8月16日に、エムポックス対応に関する事務連絡について再周知を行いました。

  医療従事者の皆さまにおかれましては、事務連絡や診療の手引きをご参照いただき、特に海外渡航歴等にご注意いただく
  など、引き続き、適切な対応へのご協力をお願いいたします。

 ・エムポックスに関する情報提供及び協力依頼について
  https://www.mhlw.go.jp/content/001184502.pdf
 ・厚生労働省 エムポックスについて
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html
 ・国立感染症研究所 エムポックスとは
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/mpox.html
 ・エムポックス 診療の手引き 第2.0版
  https://www.mhlw.go.jp/content/001239504.pdf
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 新型コロナウイルスについて
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 ◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について
  2024 年第32週(8月5日〜8月11日)における定点当たり報告数は 10.48(報告数 67,070人)であった。
 <新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生動向調査 第32 週8月5日〜8月11 日)(’24/8/16現在)>
  https://www.mhlw.go.jp/content/001289186.pdf
 ◆新型コロナウイルス感染症の発生状況等について
  https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html#h2_1
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 風しんの追加的対策へのご協力をお願いします	
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 ◆風しんの追加的対策へのご協力のお願い
  2018年は、第52週(12月24日〜12月30日)までに2,941例の届出があり、そのうち、2,881例は7月23日以降の報告でした。
  (確定値)
  2019年は、第52週(12月23日〜12月29日)までに2,298例の報告があります。
  患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。(確定値)
  2020年は、第53週(12月28日〜翌年1月3日)までに101例の報告があり、
  患者の約7割は男性でした。(確定値)
  2021年は、第52週(12月27日〜翌年1月2日)までに12例の報告があります。(確定値)
  2022年は、第52週(12月26日〜翌年1月1日)までに15例の報告があります。(確定値)
  2023年は、第52週(12月25日〜12月31日)までに12例が報告されています。
  2024年は、第31週(7月29日〜8月4日)までに5例が報告されています。

  <風疹 発生動向調査> 2024年第31週(’24/8/7現在)
  https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2024pdf/rube24-31.pdf

 ◆IDWR 2024年第30週(第30号)(2024年8月9日)
 <第30週>マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第27週以降増加が続いている。
  過去5年間の同時期の平均と比較してかなり多い/その他最新動向

 <IDWR 感染症発生動向調査週報>
  https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2024/idwr2024-30.pdf
 
 ◆IASR  Vol. 45, No.7 (No. 533)  (2024年7月発行)
  特集は「レジオネラ症 2013〜2023年」です。
  関連情報として、「レジオネラ肺炎の臨床的特徴」などを取り上げています。

 <IASR(病原微生物検出情報 月報)>
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr.html

 ■海外の感染症発生状況
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2024年7月29日〜2024年8月16日掲載)
  2024年8月16日 デング熱 ― イラン・イスラム共和国
  https://www.forth.go.jp/topics/2024/20240816_00001.html
  2024年8月8日 エムポックス−南アフリカ共和国
  https://www.forth.go.jp/topics/2024/20240808_00001.html
  2024年7月29日 鳥インフルエンザA(H5N2)−メキシコ
  https://www.forth.go.jp/topics/2024/20240729_00001.html
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 SNSにおける情報発信
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 厚生労働省公式アカウント<X(旧Twitter)、Facebook>において、新型コロナウイルスをはじめ、
 感染症に関するSNSを発信しています。ぜひご登録ください。
 X(旧Twitter):https://twitter.com/MHLWitter
 Facebook:https://m.facebook.com/Mhlw.Japan

 <2024年8月16 日(金)発信> X(旧Twitter)
 【新型コロナ発生状況】
  第32週(8/5〜8/11)の #新型コロナ 定点当たり報告数は10.5で、
  2週連続減少(昨夏ピーク20.5)しました。
  多くの人が移動・集合する場面では、#感染リスク が高まります。
  暑い日が続きますが、熱中症にも注意して体調を整えましょう。
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00461.html

 <2024年8月16 日(金)発信> X(旧Twitter)
 【エムポックスについて】
  8月14日、 世界保健機関(WHO)は、#エムポックス について
 「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
  エムポックスとは、#発しん や #発熱 などの症状が現れる感染症で、
  日本国内でも散発的に報告されています。
  ■詳細はこちら
   https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html

 <2024年8月9日(金)発信> X(旧Twitter)
 【マダニが媒介する感染症にご注意を!】
   マダニに刺されるとSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などに感染することがあります。
   野外で活動する際には、以下の対策が有効です。
 ・肌の露出を少なくする ・明るい色の服を着る(マダニを目視で確認しやすいため) 
 ・虫除け剤を使用する 8月11日は #山の日

 <2024年8月9日(金)発信> X(旧Twitter)
  ■新型コロナ発生状況 
  第31週(7/29〜8/4) #新型コロナ 定点当たり報告数は13.3で、
  前週より減少(昨夏ピーク20.5)しました。
  多くの人が移動・集合する場面では、感染症へのリスクが高まります。
  帰省などで高齢の方と会う場合は #感染予防 を心がけましょう。
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00461.html
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   引用、転載、複製を行うことができます。


 (編集:鍋島 清香)
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新型コロナウイルス感染症の定点当たりの報告数(全国)の推移


マイコプラズマ肺炎の過去5年間との週別比較


定点把握疾患の報告の過去5年間の同時期の平均との比較


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