感染症エクスプレス@厚労省
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メールマガジンのバックナンバーです。

2023-09-19

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.496(2023年9月19日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【トピックス】
 ◆内閣感染症危機管理統括庁と厚生労働省 感染症対策部が発足
 ◆季節性インフルエンザが増加しています
 ◆IDESコラムvol.73 地域での感染症対策 ミクロからマクロまで
 ◆感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム10期生(令和6年4月採用) 募集中(〆切9月30日)

【新型コロナウイルスについて】
 ◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について

【風しんの追加的対策へのご協力をお願いします】
 ◆2025年3月31日までの3年間に限り、風しん抗体検査・予防接種を公費で受けられます
 ※風しん抗体検査・風しん第5期定期接種受託医療機関更新しました(2023年9月11日時点)

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2023年第35週(第35号)(2023年9月15日)
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2023年9月15日)
 ◆IASR Vo.44,No8(No.522)(2023年8月発行)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2023年8月21日〜2023年9月1日掲載)

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 トピックス
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 ◆内閣感染症危機管理統括庁と厚生労働省 感染症対策部が発足
  内閣感染症危機管理統括庁は、平時・有事それぞれの状況において司令塔機能が発揮されるよう、
  内閣の重要政策等に関する企画立案や行政各部の総合調整権を有する内閣官房の中に9月1日付で設置されました。
  厚生労働省は同日付で省内に「感染症対策部」を新設し、省内の関連する部署を再編成し、
  平時から統括庁と連携して新たな感染症危機に備え、「感染症に強い社会」を目指してまいります。

 ・内閣感染症危機管理統括庁
  https://www.cas.go.jp/jp/caicm/index.html
 ・厚生労働大臣会見概要
  https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00585.html
 ・厚生労働省 感染症情報
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html

 ◆インフルエンザが増加しています
  今年度、インフルエンザの定点当たりの報告数は、春から夏にかけても1.0を上回る水準で推移しており、
  直近の定点当たり報告数は、総数で第35週(8/28〜9/3)2.56、第36週(9/4〜9/10)4.48と増加傾向にあります。
  直近5年間の同時期と比較しても、高い水準で推移し、既に増加傾向がみられていることから
  例年よりも流行が早まる可能性があります。
  インフルエンザを含めた呼吸器感染症の感染拡大防止のため、咳エチケット、手洗い、換気、
   医療機関内でのマスクの適切な着用などの感染対策の実施や周知の徹底を今一度お願いします。

 ・インフルエンザの発生状況について 2023年第36週(9月4日〜9月10日)
  https://www.mhlw.go.jp/content/001146431.pdf

 ◆IDESコラムvol.73 地域での感染症対策 ミクロからマクロまで
  IDES要請プログラム9期生:松平 慶
  国内外での人の往来が活発になった今夏、田舎に家族で帰省した方や久々の海外旅行に飛び立った方もいるかと思いますが
  皆様いかがお過ごしでしょうか。

  私は今年4月よりIDES養成プログラムでの勤務を開始し、まず厚生労働省本省での感染症危機管理業務を
  研修させていただきました。
  今年5月の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の五類感染症への移行から、次なる新興感染症対策を厚生労働省で
  逐次進めていますが、改正感染症法に基づく予防計画策定に向けてのガイドラインを各都道府県に今年5月に公表し、
  また医療DX推進として感染症対策のデジタル化や新感染症サーベイランスシステムの運用を進めております。
  また、国際案件としては、G7広島サミットの現地医療対策本部での感染症対策のリエゾンや
  一類感染症疑い患者発生時の対応フローの構築、国際保健規則に基づく各国やWHOとの対応を経験しております。

  さて、前職の東京都では、自治医科大学の卒後、離島(伊豆諸島、小笠原諸島)、山間部(奥多摩)での地域医療勤務を経験し、
  2020年から東京都の公衆衛生医として主に島しょ保健所でのCOVID-19対策などの健康危機管理業務、
  また、オリンピック・パラリンピック開催時のCOVID-19対応に携わっていました。

  地域での感染症対策について、臨床医としては「感染臓器」「微生物」「抗菌薬」の感染症の三角形の視点を意識するとともに、
  感染症の分布や人口、地理、気候、文化、交通路等を含めた「地域特性」、
  また地域の保健医療の人的・物的資源が限られる中での「保健医療資源」を踏まえて診療することが重要と実感しています。
  例えば、伊豆諸島では、古来より七島熱と称されていたつつが虫病が分布し、台風や梅雨の影響で1週間以上
  交通路が途絶えることがあるなどの「地域特性」があります。

  また、小笠原諸島では、サルモネラ菌の環境中の分布が報告されており、動物由来感染症の普及啓発を保健所を中心に連携して
  行っている「地域特性」があり、また週1回24時間の船便が唯一の交通路のため、島への食料品・医薬品の搬入、
  また本土への患者搬送・検体輸送も週1回となる「保健医療資源」の特性もあり、地域のミクロからマクロまで捉えて
  感染症対策を行う必要を実感しました。
  培養検体やPCR検体等を本土の検査機関に送付する必要があり時間を要するため、病歴・身体所見・グラム染色といった
  臨床医としての基礎のスキルが武器となりました。

  一方で、東京都の離島は医療機関が限られ、小児から高齢者まで各年代受診するため、
  感染症流行状況や予防接種の接種状況が分かりやすく、保健師等の行政と共同して予防啓発活動を展開できるメリットがあり、
  どの地域でも「彼(患者)を知り己(医療環境)を知れば百戦(治療)殆うからず」と捉えて
  予防・診療・対策を行うことができると考えています。
  また、地域の感染症対策においては、主なる感染経路が本土からの交通機関が発着する港湾施設に限られており、
  COVID-19流行初期は如何にしてCOVID-19の島内での流行を防ぐか、
  またCOVID-19罹患者を如何にして本土に搬送するか、関係機関での打合せを連日重ねて感染症対策、
  搬送体制構築を行ってきました。

  地域では、感染症対策のみならず災害対策を含めて幅広い健康危機管理が求められ、地域のハザードと曝露と脆弱性を踏まえて、
  オールハザード・アプローチによるリスクアセスメントを行うことが大切になります。国・都道府県・区市町村の各レベルで
  地域の分析を行いつつ、国レベルでは国際保健規則の合同外部評価の評価を元として健康危機管理能力の向上を
  常に行う必要があるとミクロからマクロまでの行政に関わる中で実感します。

  私自身は、この9月から国立感染症研究所で、2020年新設の感染症危機管理研究センターで感染症危機管理を体系的に
  学んでおり、今後、検疫所や国立国際医療研究センター、そして国外研修など多角的に感染症危機管理を引き続き
  学んで参ります。
  国でもこの9月より内閣感染症危機管理統括庁が発足し、また厚生労働省内も組織改編により
  結核感染症課から感染症対策部感染症対策課に移行しています。
  IDES10期生の募集が9月末までと迫っていますが、新体制の下で一緒に感染症危機管理に取り組む皆様をぜひお待ちしています。

 【参考資料】
  ・東京都保健医療局 島しょ保健所大島出張所 「保健所だより(令和5年秋号)」(p.3 「ツツガムシに気をつけよう!」)
   https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/tousyo/oshima/hokensho/e042300020230911104015562.files/2023No3.pdf
  ・東京都保健医療局 島しょ保健所小笠原出張所 「小笠原におけるサルモネラによる感染症及び食中毒予防のための取組
   〜動物を触った後には手洗いを〜」
   https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/tousyo/ogasawara/salmonlla-syokucyudokutorikumi.html
  ・厚生労働省 JEE(IHR合同外部評価))の外部評価書公表について
   https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01449.html

 ◆感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムR6.4月採用 募集中(〆切9月30日)
  厚生労働省では、感染症危機管理専門家(IDES:Infectious Disease Emergency Specialist)養成プログラム10期生
  (令和6年4月採用)を募集しています。応募締め切り9月30日。
 【Web説明会】
  1回目:2023年9月4日(月)19時-20時15分頃迄(社会医学系専門医協会との合同開催)
  2回目:2023年9月12日(火)19時-20時15分頃迄
  申し込み方法: kansensho@mhlw.go.jp に御連絡ください。追って参加用リンクを送付します。
 【詳しくは】https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
 【なぜIDESが必要なの?】
  近年、新型コロナウイルス感染症をはじめとする様々な新興・再興感染症が出現し、人々の健康に対する
  世界的な脅威となっています。
  こうした、国際的に脅威となる感染症から国民の生命と健康を守るためには、感染症に関する臨床経験や疫学知識のみならず、
  行政マネジメント能力、国際的な調整能力等、総合的な知識と能力を有する人材を継続的に育成し、
  国内外で活躍していただくことが不可欠です。

  厚生労働省では、平成27年度から国際的に脅威となる感染症の危機管理対応で中心的な役割を担う将来のリーダーを
  育成するため、関係機関との連携のもと研修体制を構築し、本プログラムを開設しています。本プログラム修了生は、
  世界保健機関(WHO)、国立感染症研究所、国立国際医療研究センター(NCGM)、検疫所、厚生労働省など、
  国内外の様々な機関で活躍しています。
  我こそはと思う、次代のリーダーの応募を待っています。
  採用月は、調整が可能な場合もあります。
  ご遠慮なく、お問い合わせください。kansensho(at)mhlw.go.jp ※(at)は@に置き換えてください。

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 新型コロナウイルスについて
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 ◆新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について
 2023 年第 36 週(9月4 日〜9月10 日)における定点当たり報告数は 20.19 (報告数99,744 人)であった。
 <新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生動向調査 第36週(9月4日〜9月10日)(’23/9/15現在)>
 https://www.mhlw.go.jp/content/001146197.pdf
 ◆第124回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年8月4日)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00424.html
 ◆新型コロナウイルス感染症に関する発生状況、国内の患者発生、空港・海港検疫事例、海外の状況、変異株、その他
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00086.html
 ◆感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について(第27報)
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/12000-sars-cov-2-27.html
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 風しんの追加的対策へのご協力をお願いします	
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 ◆風しんの追加的対策へのご協力のお願い
 2018年は、第52週(12月24日〜12月30日)までに2,941例の届出があり、そのうち、2,881例は7月23日以降の報告でした。(確定値)
 2019年は、第52週(12月23日〜12月29日)までに2,298例の報告があります。
 患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。(確定値)
 2020年は、第53週(12月28日〜翌年1月3日)までに101例の報告があり、患者の約7割は男性でした。(確定値)
 2021年は、第52週(12月27日〜翌年1月2日)までに12例の報告があります。(確定値)
 2022年は、第52週(12月26日〜翌年1月1日)までに15例の報告があります。
 2023年は、第35週(8月28日〜9月3日)までに11例が報告されています。

 <風疹 発生動向調査> 2023年第35週(’23/9/6現在)>
 https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2023pdf/rube23-35.pdf

 ◆IDWR 2023年第35週(第35号)(2023年9月15日)
 <第35週>咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い/その他最新動向

 <IDWR 感染症発生動向調査週報>
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2023.html

 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2023年9月15日)
 2023年第36週(9月4日〜9月10日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は4.48となり、前週の2.56よりも増加しました。

 <インフルエンザに関する報道発表資料>
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html

 ◆IASR Vo.44,No8(No.522)(2023年8月発行)
 特集は「ポリオ2023年現在」です。
 関連情報として、「イスラエル, 英国, 米国, カナダにおける伝播型ワクチン由来ポリオウイルスの伝播:最近の文献からの知見」
 などを取り上げています。

 <IASR(病原微生物検出情報 月報)>
 https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr.html

 ■海外の感染症発生状況
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2023年8月21日〜2023年9月1日掲載)
 2023年09月1日 中東呼吸器症候群(MERS-CoV)-サウジアラビア王国
 https://www.forth.go.jp/topics/2023/20230901_00001.html
 2023年08月31日 麻疹(はしか)-チリ共和国
 https://www.forth.go.jp/topics/2023/20230831_00001.html
 2023年08月21日 インフルエンザA(H1N2)変異型ウイルス-アメリカ合衆国
 https://www.forth.go.jp/topics/2023/20230821_00001.html
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 SNSにおける情報発信
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 厚生労働省公式アカウント(Twitter、Facebook)において、新型コロナウイルスをはじめ、
 感染症に関するSNSを発信しています。
 ぜひご登録ください。
 Twitter:https://twitter.com/MHLWitter
 Facebook:https://m.facebook.com/Mhlw.Japan

 <2023年9月1日(金)発信>
 「新型コロナに感染したかも?」 と思ったら?
 あわてず症状などを確認、国が承認したキットを用いてチェックしましょう。
 高齢の方など重症化リスクの高い方や、症状が重い方は医療機関にご連絡ください。
 自治体の電話相談窓口も継続しているので、ご活用ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html

 <2023年9月5日(火)発信>
 新型コロナの罹患後症状(いわゆる後遺症)について、症状が改善せず続く場合は、
 かかりつけ医や地域の医療機関などに相談するようにしましょう。
 各都道府県において、罹患後症状に悩む方の診療をしている医療機関を公表しています。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
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 (編集:鍋島 清香)
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