感染症エクスプレス@厚労省
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メールマガジンのバックナンバーです。

2019-11-22

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.400(2019年11月22日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【トピックス】
 ◆風しんの報告が続いています
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年11月15日)
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年11月22日)
 ◆RSウイルス感染症の流行が続いています
 ◆フィリピンでポリオ(急性灰白髄炎)が発生しています
 ◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 ◆11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間です
 ◆第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰式&「薬剤耐性へらそう!」応援大使によるトークイベントを開催しました
 ◆第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会が11月23日に開催されます
 ◆第4回薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議を11月27日に開催します
 ◆世界エイズデー(12月1日)に向けた普及啓発イベントを実施します


【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2019年第45週(第45号)(2019年11月22日)
 ◆IASR  Vol.40, No.10 (No.476)(2019年10月)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2019年11月8日〜2019年11月22日掲載)
  
【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.56 「お祭りと感染症」

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。 

 現在、風しんの報告が多く見られています。2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。2019年は、11月10日までに2,260例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。
 
 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆風しんの報告が続いています
 2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。
 2019年は、11月10日までに2,260例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。
 厚生労働省は、今般の風しんの発生状況を踏まえ、厚生科学審議会感染症部会及び予防接種基本方針部会での議論に基づき、これまで風しんの定期接種をうける機会がなかった1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性に対して、抗体検査を前置した上で、予防接種法に基づいた風しんの第5期の定期接種を行っております。
 対象となる男性は、2022年3月末までの間、市区町村により送付されるクーポン券を使用すれば、原則無料で抗体検査及び定期接種を受けられるようになります。2019年度は、1972年(昭和47)年4月2日〜1979年(昭和54)年4月1日生まれの男性に市区町村からクーポン券を送付しております。2019年度にクーポン券が送付されない対象者も、市区町村に希望すればクーポン券を発行し、抗体検査を受けられます。なお、自治体により事業の開始時期や対応が異なるため、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

 なお、より多くの対象男性に対して告知し、抗体を獲得していただくために、厚生労働省は、「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」とコラボレーションしたポスター及びリーフレットの作成や、SNSなどを通じた啓発活動を行っております。また、「ラグビー日本代表」を起用した啓発活動を行っております。その他、名刺サイズの案内用紙やクーポン使用上の注意、医療機関向けのクーポン券の使用可否お知らせポスターなどを啓発資料として用意しておりますので、ぜひご活用いただければと存じます。
 以下の風しんの追加的対策特設ページからもダウンロードできますので、是非普及啓発活動の資材としてお役立てください。

 また、YouTubeにて動画【止めるぞ 風しん 〜おじさま世代の皆様へ〜】を公開しております。風しんの患者が急増する中、40代、50代の皆さま、その他の皆さまも、すぐ検査に行っていただきたい思いを動画にし、公開いたしました。
 風しんはなぜ怖いの?クーポン券とは?どうやって使うの?など、わかりやすく動画にて説明しております。ぜひ皆様の視聴および周りの方への視聴のお勧めをお願いいたします。
<動画はこちら>(YouTubeへリンク)
https://www.youtube.com/watch?v=IUQZN1J4zI4

<風しんの追加的対策特設ページ>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html
■□シティーハンター□■
<ポスター(A2サイズ)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/poster_cityh.pdf
<リーフレット(A4サイズ)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/leaf_cityh.pdf
■□ラグビー日本代表□■
<ポスター(A2サイズ)>
https://www.mhlw.go.jp/content/poster_rugbyj.pdf
<リーフレット(A4サイズ)>
https://www.mhlw.go.jp/content/leaf_rugbyj.pdf
<ポスターとリーフレットの画像使用について>
 風しんの啓発活動以外の用途では、ご使用をご遠慮申し上げます。また、ポスター・リーフレットの画像を加工・編集してのご使用も固くお断り申し上げます。

<クーポン券の使用可否のお知らせポスター>
https://www.mhlw.go.jp/content/000537268.pdf
<名刺サイズの案内用紙>
https://www.mhlw.go.jp/content/000537274.pdf
<クーポン券の使用上の注意>
https://www.mhlw.go.jp/content/000537276.pdf

今回の追加的対策の円滑な実施にむけて、引き続き検討を進めてまいります。

<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2019年第45週(’19/11/13現在)> 
http://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-45.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしていますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年11月15日)(流行シーズン入り)
 全国の定点医療機関当たり報告数は1.03
 2019年第45週(11月4日〜11月10日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は1.03(前週は0.95)で、流行開始の目安である1.00を上回り、流行シーズン入りしました。


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年11月22日)
 全国の定点医療機関当たり報告数は1.84
 2019年第46週(11月11日〜11月17日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は1.84となり、前週の1.03よりも増加しました。
<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


◆RSウイルス感染症の流行が続いています
 2019年8月より、RSウイルス感染症の報告数が増加しており、現在も流行が継続しています。
 RSウイルスは子どもと大人のどちらにも感染することがあり、症状は風邪の様な軽い症状から、呼吸困難などの重い症状を起こすことまで様々です。特に、新生児や6ヶ月以内の乳児、先天性心疾患や肺の基礎疾患があるお子さんに感染すると、時に肺炎や細気管支炎など、重篤な病態を引き起こすことがあり、注意が必要です。
 感染経路は患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手指などを介した接触感染が主です。感染対策として、マスクを着用することや咳エチケット、手洗いなどの対策を徹底することが大切です。

<RSウイルス感染症>
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-15.html


◆フィリピンでポリオ(急性灰白髄炎)が発生しています
 2019年9月に、フィリピンにおいて、ポリオ(急性灰白髄炎)の発生が報告されました。急性弛緩性麻痺の症状のある患者さんを観た際は、フィリピンなど、ポリオ流行国への渡航歴を聞いた上で、ポリオの検査をご検討ください。必要に応じて、ポリオや急性弛緩性麻痺の届出の徹底もお願いします。
 なお、フィリピンを含め、ポリオが発生している国に4週間以上の長期滞在を予定している方は、渡航前の追加接種が世界保健機関より推奨されています。特に、1975年から1977年生まれの方はポリオに対する免疫が低いことが分かっており、この世代の方に対しては追加接種が強く推奨されます。
 また、定期接種(四種混合)を終えてない方や、これまでに一度もポリオの予防接種を受けたことがない方は、長期滞在しない場合であっても、渡航前に予防接種を受けて頂くことが推奨されます。


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の流行地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州及びイツリ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。 
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。2019年11月17日までに、北キブ州・イツリ州・南キブ州の3州において、2,196名の死亡例を含む、3,296例の患者(確定3,178例、疑い118例)が報告されています。また、2018年8月8日から高リスク群に対してのワクチン接種が始まりました。
 2019年6月11日(現地時間)、WHO及びウガンダ共和国保健省は、同国西部のカセセ県において、エボラ出血熱患者が確認されたことを発表しました。2019年8月30日までに、3例の死亡例が報告されています。これらの患者は、コンゴ民主共和国からの入国者の発症例で、患者への接触者については追跡できているとのことです。
 2019年7月14日(現地時間)、北キブ州の州都ゴマにおいて、エボラ出血熱患者が確認されました。2019年7月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催され、「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」に該当するとの見解が示されています。2019年10月17日に緊急委員会が開催され、PHEIC継続の見解が示されています。
 2019年8月16日、コンゴ民主共和国の保健省及びWHOは、南キブ州でのエボラ出血熱の発生を確認したと発表しました。
 今回の発生地域では、2019年4月18日の武装勢力による病院襲撃によりWHO職員に死傷者が出るなど、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。


◆11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間です
 薬剤耐性(AMR)対策に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」としています。薬剤耐性(AMR)対策推進月間では、政府機関だけではなく民間の様々な団体が一体となって、普及啓発に係る取組を重点的に実施していくとともに、同月間を通じて国民一人ひとりの主体的な取組を促していくものです。厚生労働省では、AMR臨床リファレンスセンターを通して様々な企画を行う予定です。 広く国民の皆様に薬剤耐性(AMR)についての認識を深めていただく機会になることを願っています。
<薬剤耐性(AMR)対策推進月間(11月)における取組予定について(令和元年度)>
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/activities/amr/r01_taisakusuisin.html
<AMR臨床リファレンスセンター>
http://amr.ncgm.go.jp/
<厚生労働省:薬剤耐性(AMR)対策について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html


◆第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰式&「薬剤耐性へらそう!」応援大使によるトークイベントを開催しました
 薬剤耐性(AMR)対策の全国的な広がりを促進することを目的として、令和元年11月9日(土)に、野村コンファレンスプラザ日本橋において、第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰式&「薬剤耐性へらそう!」応援大使によるトークイベントを開催しました。
 トークイベントには、「薬剤耐性へらそう!」応援大使であるタレントのJOYさん、篠田麻里子さんに加えて今年は、芸人のAMEMIYAさん、俳優の荒牧慶彦さん、専門家の大曲貴夫さん(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター センター長)が参加しました。イベント終盤にはAMEMIYAさんによる「薬剤耐性(AMR)対策」オリジナルソングが披露されるなど、薬剤耐性(AMR)について楽しく学べる機会となりました。
 以下のページにて、受賞者ポスターや当日の模様を公開しておりますので、ぜひご覧ください。(当日の模様の動画については、後日公開いたします。)
<第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰式&「薬剤耐性へらそう!」応援大使によるトークイベント>
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/event/191109hyosyo.html


◆第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会が11月23日に開催されます
 下記の通り、第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会が開催されます。参加ご希望の方は事前申込制となりますので、下記URLをご覧ください。
 第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会
 日時:2019年11月23日(土) 12:50〜17:45
 会場:東京医科大学病院 臨床講堂 (東京都新宿区西新宿7−1)
 メインテーマ:医療機関の給水給湯系統に存在する病原微生物問題を考える
 主催:Hospital Water Hygiene研究会
 協力:厚生労働省科学研究費補助金(厚生労働省科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「公衆浴場におけるレジオネラ症対策に資する検査・消毒方法等の衛生管理手法の開発のための研究」班、「化学物質等の検出状況を踏まえた水道水質管理のための総合研究」班より微生物分科会
 URL:https://fs.lck-cloud.jp/u13673/annualmeeting/


◆第4回薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議を11月27日に開催します
 薬剤耐性(AMR)対策に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、11月27日(水)に「第4回薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議」(議長:毛利衛 日本科学未来館館長)を開催します。
 日 時:令和元年11月27日(水)15:00〜17:00
 場 所:全国都市会館  第1会議室 (3階)
     (〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-2)
 議 事:(1) 薬剤耐性対策普及啓発活動の取組実績及び今後の取組予定について
         (2) 薬剤耐性対策普及啓発活動表彰受賞者の活動報告
         (3) 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書の報告
         (4) 今後の薬剤耐性対策普及啓発活動の推進に向けた意見交換

 傍聴申込及び取材申込については、令和元年11月26日(火)15:00までとなります。
 詳細については、以下のページをご覧ください。
<第4回薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議の開催について>
http://www.cas.go.jp/jp/houdou/191031amr.html


◆世界エイズデー(12月1日)に向けた普及啓発イベントを実施します
 厚生労働省は、12月1日の世界エイズデーに向け、公益財団法人エイズ予防財団やエイズ関連NGO等の関係団体の協力を得て、普及啓発イベントを実施します。
 また、地方公共団体においても、関係機関等と連携し、エイズに関する正しい知識の啓発活動を展開します。
 各医療機関におかれましては、HIV/エイズの予防啓発及び検査に関する情報提供など、HIV感染の早期発見・早期治療に向け、引き続きご協力をお願いします。

※世界エイズデーとは
 世界保健機関(WHO)は、1988年に世界的レベルでのエイズまん延防止と、患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として、12月1日を“World AIDS Day”(世界エイズデー)と定め、エイズに関する啓発活動等の実施を提唱しました。
<RED RIBBON LIVE公式サイト>
http://redribbonlive.net/
<令和元年度世界エイズデー特設ページ>
https://api-net.jfap.or.jp/event/HivInsWeek/special2019/index.html
<エイズ予防情報ネット>
http://api-net.jfap.or.jp/


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR  2019年第45週(第45号)(2019年11月22日)
 インフルエンザの定点医療機関当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2019.html


◆IASR  Vo.40, No.10 (No.476)(2019年10月)
 特集は「HIV/AIDS 2018年」です。
 関連情報として、エイズ発生動向調査における診断時CD4数の把握とその活用などを取り上げています。
<IASR(病原微生物検出情報 月報)2019年10月号>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2019年11月8日〜2019年11月22日掲載)

2019年11月19日 オーストラリアにおける麻しんの流行にかかる情報
https://www.forth.go.jp/topics/201911191320.html
2019年11月19日 エボラウイルス病−コンゴ民主共和国(更新45)
https://www.forth.go.jp/topics/201911191133.html
2019年11月19日 黄熱−ナイジェリア
https://www.forth.go.jp/topics/20191119.html
2019年11月15日 黄熱−ナイジェリア
https://www.forth.go.jp/topics/20191118.html
2019年11月15日 中国国内における肺ペスト症例の発生にかかる情報
https://www.forth.go.jp/topics/20191115.html
2019年11月13日  中東呼吸器症候群(MERS)に関する注意(2019年11月更新)
https://www.forth.go.jp/news/20191113.html
2019年11月12日  エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(更新44)
https://www.forth.go.jp/topics/20191112.html


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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.56「 お祭りと感染症」
  IDES養成プログラム5期生:吉見 逸郎
 秋のお祭りシーズンも終わりつつあり、街中でも先日まで店先にはハロウィン関連商品が並んでいたと思ったら、今度はクリスマス関連商品に変わっています。早いもので師走も近づいてまいりました。
 ハロウィンは、1920年代大恐慌の後、子どもたちをなだめるために行っていたものが今のような形になったとのことですが、先日、さらにその昔の歴史を垣間見るようなクイズ記事を見かけました(?)。すでに本コラムでも水島さんや大塚さんも書かれているように、古くからの無病息災的な、感染症に関連のある厄除け的なイベントの一つという側面があったようです。医療技術も薬も今とは異なり、昔の人はお祈りやお祭りなどの機会を通じて、病原体の感染による病気を避けようとしていたのでしょう。
 記事の中では、蚊、コレラ、黒死病(ペスト)、といった、今日でも負荷の大きな、あるいは恐れられている病気に対して、衣装を工夫したり、お祭りなどの非日常を、病気を避けるための機会にしていた様子がクイズになっていました。さらに調べてみますと、黒死病(ペスト)の対応をする医師の服装(鳥のようなくちばし型のマスク)の中には、「悪い空気」を追い払うため、酢を染み込ませた綿などが詰められていたとのことです。病原体による感染症、という概念ができる以前ですが、いろいろな工夫があったのですね。
 さて、日本でもお祭りや民話などで感染症に関するものは少なくは無さそうですが、「結核の歴史」(?)を読んでいると、明暦の大火に関して結核の話があります。16歳で結核で死んだ娘の振り袖を通じて別の娘さんも亡くなり、命日にそろった家族がその振り袖を焼いたところ、お寺の本堂に燃え移り、さらに江戸中へ広がった…。なんとも恐ろしい話ですが、同書では、明暦の大火の諸説にも触れつつ、この結核のエピソードも作り話とした上で、しかし、結核がヒトからヒトへ移る疾患、という概念も含めて、当時の市民にも認識されている程度には存在していたことを指摘しています。
 結核はこののち、明治以降近代化のなかで「国民病」とまで言われるようになり、レントゲン撮影など医療機器や、検診、医療保険など、今日の医療制度や体制の基礎にも影響を及ぼしましたが、そのさらに昔の様子が民話(真偽はともかく)などに現れていることは興味深いですね。
 ところで、私が以前お世話になっていた地域で、なんとコレラに関連したお祭りがありびっくりしたことがあったのでご紹介します。コレラは、南方と航海、水運が起こり始めた江戸時代末期に国内でも大流行が繰り返され、当時の防疫上の最大関心事のひとつでした。東京の東、千葉の県境・葛西に「雷の大般若」というお祭りがあります。残念ながら私は実際のお祭りを見たことはないのですが、このお祭りは、コレラの流行を避ける狙いがあったそうです。
 江戸川区のホームページ(?)によれば、『江戸時代末期にコレラが蔓延した際、和尚が大般若経を背負って家々を回ったところ被害がなくなったことに由来』しているのだとか。さらにその後、『結核にかかった妹のために兄が妹の長襦袢を来て厄払いをしたことがきっかけとなって、現在は女装をした青年らがまちを駆け巡るようになりました』ということです。区のホームページをみるとなかなかインパクトのあるお祭りですが、街の様子は変わっても、地域をまもった想いを伝承しておられるのはすごいことだと思います。いつか見に行きたいと思っています。 
参考資料
?Halloween Quiz: Test Your Knowledge Of Global Disease Costumes / npr 2019.10.31
https://www.npr.org/sections/goatsandsoda/2018/10/27/661046379/halloween-quiz-test-your-knowledge-of-global-disease-costumes
?結核の歴史 日本社会との関わり その過去、現在、未来 / 青木正和 講談社 4062116359
?江戸川区ホームページ「えどがわ情報局 奇祭「雷の大般若」開催」 
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kurashi/chiikicommunity/johokyoku/hotnews/h28/daihannya.html


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(編集:相原 瑶)
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