感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2019-10-11

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.397(2019年10月11日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【トピックス】
 ◆風しんの報告が続いています
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年10月11日)
 ◆RSウイルス感染症の流行が続いています
 ◆フィリピンでポリオ(急性灰白髄炎)が発生しています
 ◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 ◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を11月3日に開催します
 ◆「第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」が11月9日に開催されます
 ◆J-PRIDE研究成果発表会「重症・難治性感染症の理解と予防・治療法の開発に向けて〜若手研究者たちの挑戦〜」開催のお知らせ
 ◆第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会が11月23日に開催されます。
 ◆動画【止めるぞ 風しん 〜おじさま世代の皆様へ〜】を公開中

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2019年第39週(第39号)(2019年10月11日)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2019年9月27日〜2019年10月11日掲載)
  
【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.53 「チーム日本! ラグビーワールドカップに寄せて。」

【リンク集】
 ◆感染症情報のリンク集
 ◆感染症に関するQ&Aのリンク集
 ◆広報・啓発ツールのリンク集

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。 

 現在、風しんの報告が多く見られています。2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。2019年は、9月29日までに2,210例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。
 
 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆風しんの報告が続いています
  2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。
 2019年は、9月29日までに2,210例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。
 厚生労働省は、今般の風しんの発生状況を踏まえ、厚生科学審議会感染症部会及び予防接種基本方針部会での議論に基づき、これまで風しんの定期接種をうける機会がなかった1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性に対して、抗体検査を前置した上で、予防接種法に基づいた風しんの第5期の定期接種を行っております。
 対象となる男性は、2022年3月末までの間、市区町村により送付されるクーポン券を使用すれば、原則無料で抗体検査及び定期接種を受けられるようになります。2019年度は、1972年(昭和47)年4月2日〜1979年(昭和54)年4月1日生まれの男性に市区町村からクーポン券を送付しております。2019年度にクーポン券が送付されない対象者も、市区町村に希望すればクーポン券を発行し、抗体検査を受けられます。なお、自治体により事業の開始時期や対応が異なるため、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

 なお、より多くの対象男性に対して告知し、抗体を獲得していただくために、厚生労働省は、「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」とコラボレーションしたポスター及びリーフレットの作成や、SNSなどを通じた啓発活動を行っております。また、「ラグビー日本代表」を起用した啓発活動を行っております。その他、名刺サイズの案内用紙やクーポン使用上の注意、医療機関向けのクーポン券の使用可否お知らせポスターなどを啓発資料として用意しておりますので、ぜひご活用いただければと存じます。
 以下の風しんの追加的対策特設ページからもダウンロードできますので、是非普及啓発活動の資材としてお役立てください。

<風しんの追加的対策特設ページ>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html
■□シティーハンター□■
<ポスター(A2サイズ)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/poster_cityh.pdf
<リーフレット(A4サイズ)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/leaf_cityh.pdf
■□ラグビー日本代表□■
<ポスター(A2サイズ)>
https://www.mhlw.go.jp/content/poster_rugbyj.pdf
<リーフレット(A4サイズ)>
https://www.mhlw.go.jp/content/leaf_rugbyj.pdf
<ポスターとリーフレットの画像使用について>
 風しんの啓発活動以外の用途では、ご使用をご遠慮申し上げます。また、ポスター・リーフレットの画像を加工・編集してのご使用も固くお断り申し上げます。

<クーポン券の使用可否のお知らせポスター>
https://www.mhlw.go.jp/content/000537268.pdf
<名刺サイズの案内用紙>
https://www.mhlw.go.jp/content/000537274.pdf
<クーポン券の使用上の注意>
https://www.mhlw.go.jp/content/000537276.pdf

 今回の追加的対策の円滑な実施にむけて、引き続き検討を進めてまいります。

<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2019年第39週(’19/10/2現在)> 
http://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-39.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしていますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年10月11日)
 全国の定点医療機関当たり報告数は0.99

 2019年第40週(9月30日〜10月6日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は0.99となり、前週の0.92よりも増加しました。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


◆RSウイルス感染症の流行が続いています
 2019年8月より、RSウイルス感染症の報告数が増加しており、現在も流行が継続しています。
 RSウイルスは子どもと大人のどちらにも感染することがあり、症状は風邪の様な軽い症状から、呼吸困難などの重い症状を起こすことまで様々です。特に、新生児や6ヶ月以内の乳児、先天性心疾患や肺の基礎疾患があるお子さんに感染すると、時に肺炎や細気管支炎など、重篤な病態を引き起こすことがあり、注意が必要です。
 感染経路は患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手指などを介した接触感染が主です。感染対策として、マスクを着用することや咳エチケット、手洗いなどの対策を徹底することが大切です。

<RSウイルス感染症>
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-15.html


◆フィリピンでポリオ(急性灰白髄炎)が発生しています
 2019年9月に、フィリピンにおいて、ポリオ(急性灰白髄炎)の発生が報告されました。急性弛緩性麻痺の症状のある患者さんを観た際は、フィリピンなど、ポリオ流行国への渡航歴を聞いた上で、ポリオの検査をご検討ください。必要に応じて、ポリオや急性弛緩性麻痺の届出の徹底もお願いします。
 なお、フィリピンを含め、ポリオが発生している国に4週間以上の長期滞在を予定している方は、渡航前の追加接種が世界保健機関より推奨されています。特に、1975年から1977年生まれの方はポリオに対する免疫が低いことが分かっており、この世代の方に対しては追加接種が強く推奨されます。
 また、定期接種(四種混合)を終えてない方や、これまでに一度もポリオの予防接種を受けたことがない方は、長期滞在しない場合であっても、渡航前に予防接種を受けて頂くことが推奨されます。


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の流行地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州及びイツリ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。 
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。2019年10月7日までに、北キブ州・イツリ州・南キブ州の3州において、2,143名の死亡例を含む、3,206例の患者(確定3,092例、疑い114例)が報告されています。また、2018年8月8日から高リスク群に対してのワクチン接種が始まりました。
 2019年6月11日(現地時間)、WHO及びウガンダ共和国保健省は、同国西部のカセセ県において、エボラ出血熱患者が確認されたことを発表しました。2019年8月30日までに、3例の死亡例が報告されています。これらの患者は、コンゴ民主共和国からの入国者の発症例で、患者への接触者については追跡できているとのことです。
 2019年7月14日(現地時間)、北キブ州の州都ゴマにおいて、エボラ出血熱患者が確認されました。2019年7月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催され、「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」に該当するとの見解が示されています。


◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を11月3日に開催します
 2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)の世界的な大流行以降、新たな新型インフルエンザは発生していませんが、本年は2009年の新型インフルエンザA(H1N1)から10年となります。新型インフルエンザは10〜40年周期でみられるとされており、アジア諸国等においては、依然として鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が確認されています。
 新型インフルエンザを取り巻く、鳥インフルエンザの疫学、治療や感染対策の現在の流れを含め、本研修では、新型インフルエンザの最新の状況等、6人の専門家が解説いたします。
 席に限りがございますので、早めのお申込をお願いします。
 【日  時】令和元年11月3日(日)13:15〜16:15(受付開始13:00)
 【会  場】イイノホール&カンファレンスセンター
    (東京都千代田区内幸町2-1-1) 
     http://www.iino.co.jp/hall/access/
 【参加費】無料
 【参加方法】下記URLよりお申し込みください。
 ※事前申込制につき、定員に達し次第、締め切らせていただきます。
<令和元年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/kouen-kensyuukai.html


◆「第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」が11月9日に開催されます
 「薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」は、薬剤耐性(AMR)対策の普及啓発活動を広く募集し、優良事例を表彰することで、薬剤耐性(AMR)対策の全国的な広がりを促進することを目的としています。
 今年は合計57件の応募があり、これらの中から「厚生労働大臣賞」など5つの賞について表彰対象を決定いたしました。表彰式の一般参加をご希望の方は、下記の要領に従ってお申込みください。

 「第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」
 【日  時】令和元年11月9日(土)14:00〜15:00(予定)※
 【会  場】野村コンファレンスプラザ日本橋(東京都中央区日本橋室町2‐4‐3日本橋室町野村ビル6F)
 【参加方法】令和元年10月10日(木)12時より下記ウェブサイトで申込受付します。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/event/amrhyosyo2019.html 

※ 表彰式後引き続き、15:00〜15:40(予定)に薬剤耐性(AMR)対策普及啓発のためのトークイベントを行います(「薬剤耐性へらそう!」応援大使のJOYさん、篠田麻里子さんの他、芸人AMEMIYAさん、俳優の荒牧慶彦さんも出演予定です)。


◆J-PRIDE研究成果発表会「重症・難治性感染症の理解と予防・治療法の開発に向けて 〜若手研究者たちの挑戦〜」開催のお知らせ
 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)は、事業発足3年目を迎える感染症研究革新イニシアティブ(J-PRIDE)において創出された成果を紹介する研究成果発表会を開催します。J-PRIDEでは、異分野連携や斬新な発想に基づく挑戦的な課題から、数々の顕著な成果が生み出されてきました。本発表会が、感染症研究関連分野から参加される皆様にとって、新たな着想を得て、研究ネットワーク拡大の機会となることを期待します。

 日時: 令和元年11月18日(月)9:00〜17:40、11月19日(火)8:55〜17:50 
 会場: イイノホール (東京都千代田区内幸町2-1-1)
 詳細: https://www.amed.go.jp/news/event/jpride_sympo_2019111819.html
 お申し込み方法:以下URLよりお申し込みください。
https://www.d-wks.net/amed191118/form/


◆第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会が11月23日に開催されます。
 下記の通り、第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会が開催されます。参加ご希望の方は事前申込制となりますので、下記URLをご覧ください。

 第1回Hospital Water Hygiene研究会学術集会
 日時:2019年11月23日(土) 12:50〜17:45
 会場:東京医科大学病院 臨床講堂 (東京都新宿区西新宿7−1)
 メインテーマ:医療機関の給水給湯系統に存在する病原微生物問題を考える
 主催:Hospital Water Hygiene研究会
 協力:厚生労働省科学研究費補助金(厚生労働省科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「公衆浴場におけるレジオネラ症対策に資する検査・消毒方法等の衛生管理手法の開発のための研究」班、「化学物質等の検出状況を踏まえた水道水質管理のための総合研究」班より微生物分科会
 URL:https://fs.lck-cloud.jp/u13673/annualmeeting/


◆動画【止めるぞ 風しん 〜おじさま世代の皆様へ〜】を公開中
 YouTubeにて動画【止めるぞ 風しん 〜おじさま世代の皆様へ〜】を公開しております。風しんの患者が急増する中、40代、50代の皆さま、その他の皆さまも、すぐ検査に行っていただきたい思いを動画にし、公開いたしました。
 風しんはなぜ怖いの?クーポン券とは?どうやって使うの?など、わかりやすく動画にて説明しております。ぜひ皆様の視聴および周りの方への視聴のお勧めをお願いいたします。
<動画はこちら>(YouTubeへリンク)
https://www.youtube.com/watch?v=IUQZN1J4zI4


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR  2019年第39週(第39号)(2019年10月11日)
 <伝染性紅斑>伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2019.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2019年9月27日〜2019年10月11日掲載)

 2019年10月04日 中東呼吸器症候群(MERS-CoV)−サウジアラビア王国(更新)
 https://www.forth.go.jp/topics/20191004.html
 2019年10月03日 リステリア症−スペイン
 https://www.forth.go.jp/topics/20191003.html
 2019年10月02日  伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型−ガーナ共和国
 https://www.forth.go.jp/topics/201910021330.html
 2019年10月02日  タンザニアにおけるエボラ出血熱による死亡疑い例の発生(2019年10月)― 海外安全情報
 https://www.forth.go.jp/topics/20191002.html
 2019年09月27日 パキスタンにおけるデング熱の流行にかかる情報
 https://www.forth.go.jp/topics/20190927.html


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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.53 「チーム日本! ラグビーワールドカップに寄せて。」
  IDES養成プログラム4期生:大塚 美耶子

 こんにちは。IDES 4期の大塚美耶子です。
 ラグビーワールドカップ、盛り上がっていますね!このコラムを書いている10月5日の今日も、対サモア戦の日本勝利を生放送で見ました!!また先日、日本が世界第2位の強さを誇るアイルランドを相手に勝利を収めたことも、こちらスイス・ジュネーブWHOの私が所属する朝の会議で大きな話題となっており、日本人としてとても嬉しい瞬間でした。(それに引き換えアイルランド人の所属長はかなりショックだったとか!)
 ラグビーワールドカップに限らず、たとえばサッカーのワールドカップやオリンピックでも、見ず知らずの人と一緒に、試合の成り行きに時には息をのみ、時には喜び合い、試合が終わるころには連帯感が芽生えることは不思議ではありません。私も西アフリカのブルキナファソに住んでいたときには家にテレビがなく、夕方ごろみんなが集まる共有スペースのテレビで、薄明かりの中スポーツ観戦をしていたことがありますが、みんなではしゃいでとても楽しかったことを思い出しました。
 非日常的な雰囲気・環境を共有するところから生まれる素敵な瞬間ですね。しかし同時に不特定多数が同じ空間を共有することで、感情のみならず感染症まで共有してしまうことにも成り得るのです。普段であれば生活圏、特に生活習慣を一緒にしている家族や同僚、友達の間でしか広がらない感染症などが、世界各地から集まった人に感染し、瞬く間に世界中に広がることも十分あり得る話です。
 今回のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックなど、マスギャザリング時の水際の感染症対策に関しては検疫所(空港や港)が、国内の感染症の把握に関しては保健所に寄せられる感染症の情報等で管理されています。そのほかにも、WHOが管理及び使用しているEIOS(Epidemic Intelligence from Open source)というプラットフォームでは、新聞など一般の公開情報からで得られる記事をスキャンして閲覧できるので、日々公衆衛生上の危機となり得るような事象がないかどうか観察できます。
 ジュネーブでの私の日常業務のひとつとして、EIOSを使用して世界中からの公開情報をスクリーニングし、その中から公衆衛生上の危機もしくは危機となりそうな事象には関係者と対処しています。昔尊敬する先生から、世の中の出来事はほぼ(!?)公開情報で把握することができると聞き、驚きつつ半信半疑でしたが、実際にEIOSを使用してみて、主要な感染症情報をかなり効率よく獲得できると実感しています。もちろん不正確な情報もありますので、情報確認は必須です。
 情報があふれる今の時代、前述の通り、情報源などの確認を怠らなければ、正確な情報を得ることも可能です。まもなく最大の盛り上がりを見せてくれるだろうラグビーワールドカップ、来年の東京オリンピック・パラリンピックなどのイベントを参加者が大いに楽しめるよう、陰で様々な行政・専門機関で働く方々が支えています。私もIDESの一員として、マスギャザリングを含めた感染症危機に対応できるよう頑張ります。
 頑張れ日本チーム!

●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で4年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/
⇒「メルマガの内容に関するご意見」をクリックするとメール作成画面が立ち上がります。
<コラム バックナンバー>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116724.html


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 リンク集
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◆感染症情報のリンク集
 国立感染症研究所:http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases.html
 厚生労働省検疫所(FORTH):http://www.forth.go.jp/index.html
 エイズ予防情報ネット(API-Net):http://api-net.jfap.or.jp/
 CDC:http://www.cdc.gov/
 ECDC:http://www.ecdc.europa.eu/en/Pages/home.aspx
 China CDC:http://www.chinacdc.cn/ 
 国立医薬品食品衛生研究所:http://www.nihs.go.jp/kanren/shokuhin.html


◆感染症に関するQ&Aのリンク集
<ジカウイルス感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109899.html
<中東呼吸器症候群(MERS)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
<腸管出血性大腸菌感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html
<マイコプラズマ肺炎>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/index.html
<RSウイルス感染症>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
<感染性胃腸炎(ノロウイルス)>
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
<感染性胃腸炎(ロタウイルス)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/index.html
<手足口病>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html
<咽頭結膜熱>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html
<重症熱性血小板減少症候群(SFTS)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html
<インフルエンザ>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
<鳥インフルエンザ>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144461.html
<鳥インフルエンザ(H5N1)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144523.html
<鳥インフルエンザ(H7N9)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144470.html
<鳥インフルエンザ(動画)>
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9687.html
<狂犬病>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html
<結核とBCGワクチン>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/bcg/
<オーラルセックス(口腔性交)による性感染症>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html
<ポリオとポリオワクチン>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html
<日本脳炎>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/nouen_qa.pdf
<子宮頸がん予防ワクチン>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html
<子宮頸がん予防ワクチン接種の「積極的な接種勧奨の差し控え」>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_hpv.html
<風しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<麻しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
<麻しん(English)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles_eng/index.html
<水痘>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html
<肺炎球菌感染症(高齢者)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html
<エボラ出血熱>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola_qa.html
<デング熱>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever_qa.html
<梅毒>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda2.html


◆広報・啓発ツールのリンク集
<咳エチケット>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
<薬剤耐性(AMR)対策>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html
<インフルエンザ予防対策>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/keihatu.html
<麻しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/dl/leaf_z.pdf
<風しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster09.pdf
<啓発ツール:定期の予防接種(主に小学生までのお子さんが受けた方がよい予防接種)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/keihatsu_tool/index.html
<予防接種スケジュール(国立感染症研究所)>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/component/content/article/320-infectious-diseases/vaccine/2525-v-schedule.html
<予防接種後健康被害救済制度>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/kenkouhigai_kyusai/dl/leaflet_h241119.pdf
<性感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html
<動物由来感染症>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/
<狂犬病>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/

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(編集:相原 瑶)
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