感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2019-02-08

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.380(2019年2月8日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■

【トピックス】
◆風しんの届出が多く見られます
◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
◆伝染性紅斑(りんご病)の報告が増えています
◆「Tokyo AMR One-Health Conference (AMRワンヘルス東京会議・シンポジウム)」を開催します

【感染症発生情報】
◆IDWR 2019年第4週(第4号)(2019年2月8日)
◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年2月8日)
 全国の定点医療機関当たり報告数は43.24
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2019年1月25日〜2019年2月8日掲載)

【イベント情報】
◆ワンヘルス連携シンポジウムを2月9日に開催します

【コラムコーナー】
◆IDESコラム vol.37 「フレディ・マーキュリーと世界エイズデー」


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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。

 現在、風しんの報告が多く見られています。2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。2019年は、1月27日までに280例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。
 詳細は本メールマガジンをご覧ください。
 
 なお、当メールマガジンは隔週の配信に変更となりました。
 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆風しんの届出が多く見られます。
 2018年は、12月30日までに2,917例の届出があり、そのうち、2,857例は7月23日以降の報告でした。2019年は、1月27日までに280例の報告があります。患者の多くは、昨年同様30〜50代の男性で、都市圏を中心に報告されています。
 妊娠中の女性(特に妊娠20週頃まで)が風しんに感染すると、先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれてくる可能性があるため、注意が必要です。
 厚生労働省は、今般の風しんの発生状況を踏まえ、厚生科学審議会感染症部会及び予防接種基本方針部会での議論に基づき、これまで風しんの定期接種をうける機会がなかった1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性に対して、抗体検査を前置した上で、予防接種法に基づいた風しんの第5期の定期接種を行うこととなりました。
 対象となる男性は、2022年3月末までの間、市区町村により送付されるクーポン券を使用すれば、原則無料で抗体検査及び定期接種を受けられるようになります。2019年度は、1972年(昭和47)年4月2日〜1979年(昭和54)年4月1日生まれの男性に市区町村がクーポン券を送付します。2019年度にクーポン券が送付されない対象者も、市区町村に希望すればクーポン券を発行し、抗体検査を受けられます。なお、自治体により事業の開始時期や対応が異なるため、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

 なお、より多くの対象男性に対して告知し、抗体を獲得していただくために、厚生労働省は、「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」とコラボレーションしたポスター及びリーフレットの作成や、SNSなどを通じた啓発活動を行っております。以下の風しんの追加的対策特設ページからダウンロードもできますので、是非普及啓発活動の資材としてお役立てください。

<風しんの追加的対策特設ページ>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html
<ポスター(A2サイズ)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/poster_cityh.pdf
<リーフレット(A4サイズ)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/leaf_cityh.pdf
<ポスターとリーフレットの画像使用について>
 風しんの啓発活動以外の用途では、ご使用をご遠慮申し上げます。また、ポスター・リーフレットの画像を加工・編集してのご使用も固くお断り申し上げます。

 今回の追加的対策の円滑な実施にむけて、引き続き検討を進めてまいります。

<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2019年第4週(’19/1/30現在)>
http://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-04.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしてますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州、イツリ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。 
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。2019年2月3日までに、北キブ州とイツリ州の両州において、484名の死亡例を含む、785例の患者(確定731例、疑い54例)が報告されています。2018年8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、2019年2月3日までに、73,309名がワクチンの接種を受けました。
 今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。
<エボラ出血熱について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html


◆伝染性紅斑(りんご病)の報告が増えています
 伝染性紅斑(りんご病)の報告が増えています。
 伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによっておこる感染症であり、10〜20日の潜伏期間のあと、両頬に紅い発疹や手足にレース状の発疹がでることがあります。小児にみられることが多く、ほとんどは軽症で自然に治りますが、関節炎がみられたり、妊婦が感染すると、胎児の異常(胎児水腫)や流産になることがあるので注意が必要です。伝染性紅斑の感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。伝染性紅斑に対するワクチンがないため、予防には、手洗いや咳エチケットを心がけてください。
<感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について>
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-21.html
<伝染性紅斑とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/5th-disease.html


◆「Tokyo AMR One-Health Conference (AMRワンヘルス東京会議・シンポジウム)」を開催します
 2月20日(水)〜21日(木)に、アジア諸国の政府職員、国際機関の担当者、専門家を招へいして、「Tokyo AMR One-Health Conference (AMRワンヘルス東京会議・シンポジウム)」を開催します。
 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの策定・実行支援が平成29年度のAMRワンヘルス東京会議で合意されました。今回は初めてWHO西太平洋事務局(WPRO)との共催で、日本および各国のアクションプランの進捗状況を確認し、互いに学び合う会議とします。
 21日(木)に開催される「AMR国際シンポジウム」にはどなたでも参加いただけます。
 経済の発展や医療アクセスの改善とともに、ヒトのみならず畜産分野、農業分野においても抗微生物剤の使用量が増加する中、薬剤耐性(AMR)への対策は喫緊の課題となっています。発展著しいアジアそして世界において日本はどのような役割を担えるのか、今後世界はどのように取り組んでいくべきなのか。この問題にかかわるキープレイヤーが、ヒト、動物、環境分野における共通の課題であるAMRについて、国際的な視点から最新の知見と今後の対策の方向性を示すとともに、日本におけるAMR対策の好事例を紹介するシンポジウムです。
 下記サイトにてシンポジウム参加申し込み受付中です(定員あり)。
 参加費は無料です。ふるってご参加ください。

<AMR国際シンポジウム>
【日 時】平成31年2月21日(木)13:30〜16:30
【会 場】笹川記念会館(東京都港区三田 3-12-12)
【主 催】厚生労働省、WHO西太平洋事務局(WPRO)
【定 員】400名 参加無料
【参加方法】以下URLよりお申し込みください。
 https://www.tokyo-amr2019.jp


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2019年第4週(第4号)(2019年2月8日)
 インフルエンザの定点医療機関当たり報告数は第44週以降増加が続いており、過去5年間の同時期と比較してやや多くなっています。
 また、注目すべき感染症として、インフルエンザを取り上げています。
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2019.html


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2019年2月8日)
 全国の定点医療機関当たり報告数は43.24

 2019年第5週(2019年1月28日〜2019年2月3日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は43.24となり、前週の57.09よりも減少しました。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2019年1月25日〜2019年2月8日掲載)

 更新はありません。

中東呼吸器症候群(MERS)に関する注意
https://www.forth.go.jp/news/20181220.html


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 イベント情報
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◆ワンヘルス連携シンポジウムを2月9日に開催します
 厚生労働省では、平成27年度から、医学・獣医学の横断的な連携(ワンヘルス・アプローチ)を推進し、動物由来感染症の予防・探知・治療等の対策強化を図るために、連携シンポジウムを開催しています。
 今回は、ヒトと動物の共通感染症をテーマに厚生労働省、日本医師会、日本獣医師会が共催で公開シンポジウムを開催します。第一線で活躍する専門家から最新の知見が得られる場となっておりますので、是非積極的にご参加ください。
【タイトル】One Health 連携シンポジウム− ヒトと動物の共通感染症の現状と課題、その対策 −
【日  時】平成31年2月9日(土)9:00〜12:00 (受付時間8:45〜)
【会  場】新横浜プリンスホテル3階・ノクターン(第1会場)(神奈川県横浜市港北区新横浜3-4)
【参加費】無料
【参加方法】事前申込はこちらから
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115194.html


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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.37 「フレディ・マーキュリーと世界エイズデー」
 IDES養成プログラム3期生:西島 健

 映画ボヘミアン・ラプソディ、見てきました。イギリスの伝説的なバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画です。みなさん、ご覧になりましたか?

 HIVが専門の医師として、また自分の結婚式でクイーンの名曲“I was born to love you”を使わせていただいたものとして、これは見逃せない、と一人で映画館に行ってきました。

 いや、素晴らしかったです。。。クイーンが好きな人はもちろん、音楽が好きな人やミュージカル風の映画が好きな人ならかなりお薦め。音楽が売りの映画は、やはり音響のよい映画館で見るのがよいですね。

 インドからイギリスに渡った移民であり、かつセクシャルマイノリティーという二重のマイノリティーであるフレディが抱える葛藤、そして名曲の誕生秘話などなどのエピソードが満載で、見ごたえたっぷりの二時間でした。

 さて、12月1日は世界エイズデーです。しかも、昨年の世界エイズデーは、エイズデーが定められてから30周年の記念すべき年。ということで、世界保健機関(WHO)西太平洋事務局で世界エイズデーを担当した私も気合を入れて、これまでWHOが広報としてはあまり取り上げてこなかったセクシャルマイノリティーの方を主に対象としたポスターを作りました。
https://www.facebook.com/WHO/photos/a.167668209945237/2119110008134371/?type=3&theater

 Men who have sex with men(男性同性愛者)、薬物使用者、女性セックスワーカーなど、いわゆるキーポピュレーションと言われる方々は、HIV感染のリスクが高く、世界のHIV新規感染例の大半を占めています。やはりその方々を対象とした広報・啓発が必要だろう、と考え、今回はこのようなポスターを作りました。

 また、ご存知の方も多いと思いますが、厚生労働省では毎年世界エイズデーに合わせて、レッドリボンライブ等の普及啓発イベントを行っています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000183582_00001.html

 フレディ・マーキュリーはHIVに感染し、残念ながら1991年に45歳で亡くなりました。HIVに感染した方の命を救えるようになったのは、3剤カクテル療法が確立した1996年以降になります。あと5年、フレディが生き延びていれば、今も元気に歌っていたかもしれません。

 フレディが亡くなった時代においては、HIVに感染する、ということは死刑宣告と似たような響きがありました。しかしながら、世界エイズデーが30周年を迎えた現在、HIV/AIDSをめぐる状況は全く異なります。

 HIVを早期に診断し、早期に治療を行えば、HIVに感染した人は、HIVに感染していない人と同じくらいの寿命が見込めるようになりました。また、治療を受けてウイルスが抑えられていれば、他の人に感染させることもありません。HIVに対する治療は、この30年で劇的な変化を遂げたのです。

 しかしながら、多くの課題も残されています。我が国においては、HIV感染と新規に診断された人のなかで、病気が進行してエイズを発症してから診断される、いわゆる「いきなりエイズ」が3割強を占め、その割合は改善の兆しをみせていません。HIVは現在、完全に治すことができないので、ウイルスを抑えるために一生治療薬を飲み続ける必要があります。また、世界に目をむけると多くの国では、キーポピュレーションの新規感染者が増えていますし、未だ治療薬にアクセスできない人も多くいます。

 HIVの新規感染を減らし、HIVの方の予後や生活の質をさらに高めるには、引き続き粘り強い努力が必要です。しかし、HIV/AIDSに対する社会の関心は年々低下し、HIV/AIDS関連の報道も減り、この世界エイズデーもマスコミに取り上げてもらうことが難しくなってきています。その中で、映画「ボヘミアン・ラプソディ」が話題を集めている最中に世界エイズデーが重なったことは幸運でした。

 次の30年後には、HIV/AIDSで苦しむ人がいなくなっていることを願って。

●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
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<コラム バックナンバー>
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(編集:成瀬浩史)
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