感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2018-12-21

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.376(2018年12月21日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■

【トピックス】
 ◆年末年始に海外へ渡航されるみなさまへ
 ◆風しんの届出数が増えています
 ◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2018年第49週(第49号)(2018年12月21日)
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年12月21日)
  全国の定点医療機関当たり報告数は3.35
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2018年12月14日〜2018年12月21日掲載)

【イベント情報】
 ◆AMED事業J-GRIDプログラムによる市民向け成果報告会が1月18日に開催されます

【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.33 「大仏は感染症対策?」

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。

 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年12月9日までに2,586例の届出があり、そのうち2,526例は7月23日以降の報告です。患者の多くは、30〜50代の男性で、大都市圏を中心に報告されています。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆年末年始に海外へ渡航されるみなさまへ

 感染症に注意しましょう!!

 海外では、日本で発生していない、動物や蚊・マダニなどが媒介する病気が発生していることがあり、注意が必要です。
 渡航先で感染症にかからないようにするためには、感染症の正しい知識と適切な予防方法を身につけることが重要です。

 また、帰国時に発熱や咳、下痢、具合が悪いなど体調に不安がある場合、又は、動物に咬まれたり、蚊に刺されたなど健康上心配なことがありましたら、お気軽に検疫官までご相談ください。

 感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、帰国後しばらくしてから具合が悪くなることがあります。
 その際は、早急に医療機関を受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での職歴や活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴などについて必ず伝えてください。

 厚生労働省では検疫所HP(FORTH)を通じて、海外へ渡航される方に対して、海外での感染症の防止や帰国後に注意すべきことなどの情報を提供しています。
 ぜひご覧ください。

 医療機関の皆様におかれましては、海外における感染症の注意喚起にご協力をお願いします。

<厚生労働省検疫所ホームページ(FORTH):海外での感染症予防について>
https://www.forth.go.jp/news/20181119.html


◆風しんの届出数が増えています。
 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年12月9日までに2,586例の届出があり、そのうち2,526例は7月23日以降の報告です。現在までで、2012年の累積報告数(2,386例)を上回っています。患者の多くは、30〜50代の男性で、大都市圏を中心に報告されています。
 妊娠中の女性(特に妊娠20週頃まで)が風しんに感染すると、先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれてくる可能性があるため、注意が必要です。
 厚生労働省は、風しんの発生届出数の増加が続いている7都府県(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、愛知県、大阪府及び福岡県)と日本産婦人科医会、労働部局などに対して協力依頼を発出し、妊娠を希望する女性などが抗体検査や予防接種を受けやすくする環境整備を行っています。特にこれら7都府県にお住まいで、妊婦、妊娠を希望する女性及び妊婦の同居家族の方は、積極的に抗体検査を受けて下さい。また抗体検査の結果、抗体価が低かった妊娠希望女性及び妊婦の同居家族におかれましては、予防接種をご検討ください。
 また、12月13日に開催された厚生科学審議会感染症部会において、これまで風しんの定期の予防接種をうける機会がなかった1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性(現在39歳から56歳の男性)に対して、抗体検査を前置した上で、予防接種法に基づいた風しんの定期接種を行うことが了承されました。今回の追加的対策の円滑な実施にむけた具体策について、引き続き検討を進めてまいります。
<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2018年第49週(’18/12/12現在)>
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2018pdf/rube18-49.pdf

【通知・事務連絡等】
<風しんの届出数の増加が認められる7都府県における風しん対策等について(協力依頼)>(12月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000450780.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について(協力依頼)>(12月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000450779.pdf
<風しんの届出数の増加が認められる5都県における風しん対策について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_1.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_2.pdf
<風しん対策に関する通知発出について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_4.pdf
<職域における風しん対策について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_5.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしてますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。 
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。12月16日までに315名の死亡例を含む、539例の患者(確定491例、疑い48例)が報告されています。8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、12月17日までに、48,048名がワクチンの接種を受けました。
 今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。
<エボラ出血熱について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2018年第49週(第49号)(2018年12月21日)
 伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
 また、注目すべき感染症としてインフルエンザを取り上げています。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html

◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年12月21日)
全国の定点医療機関当たり報告数は3.35

 2018年第50週(12月10日〜12月16日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は3.35となり、前週の1.70よりも増加しました。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2018年12月14日〜2018年12月21日掲載)
2018年12月20日 黄熱-オランダ
https://www.forth.go.jp/topics/20181220.html


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 イベント情報
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◆AMED事業J-GRIDプログラムによる市民向け成果報告会が1月18日に開催されます
 交通網の発達にともない、人やモノの流れと一緒に感染症も海外から侵入してくる可能性が高まっています。J-GRIDでは、日本人研究者たちが実際に感染症の流行地にて、病原体の解明や新たな診断・治療薬の開発など、感染症の制御を目指し研究を進めています。本成果報告会では、インフルエンザ、デング熱など、最新の研究報告を市民の皆様に解説します。多くの方のご参加をお待ちしております。
【タイトル】 海外から侵入してくる感染症 ー流行地で病原体と闘う日本人研究者たちー
【日 時】平成31年1月18日(金)13:00~16:30
【会 場】フクラシア丸の内オアゾ Hall A (東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング16階)
【主催】国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (AMED)
【定員】200名 参加無料
【詳細】 https://www.amed.go.jp/news/event/20190118_jgrid.html
【参加方法】以下URLよりお申し込みください。
https://krs.bz/amed/m?f=563


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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.33 「大仏は感染症対策?」
 (IDES養成プログラム4期生:大塚 美耶子)

 こんにちは。冬らしく寒くなりましたね。IDES4期の大塚です。
 今年もインフルエンザが流行りだし、学級閉鎖になった学校も出ているようですが、皆さま、お元気にお過ごしでしょうか?

 前回のコラムで幼少期より家族で、世界各地を転々としていたことお伝えましたが、現在の実家は奈良に落ち着いており今年の夏休みにも奈良に帰りました。今年の小3の長女の夏休みの自由研究は『仏像について』になりました。長女と一緒に取り組みましたが、母親の私も俄然熱が入ってしまいました。

 実は奈良の大仏が作られた理由のひとつが感染症対策だった、というのをご存知でしょうか?

 大仏の制作が開始されたのは西暦745年。聖武天皇が位に付いていた8世紀前半、天平9年(737年)には、当時の政治の中枢にいた藤原武智麻呂・房前・宇合・麻呂の四兄弟が、当時猛威をふるっていた天然痘で相次いで死去したそうです。そのほかにも、天平時代は例年旱魃・飢饉が続いたり、天平6年(734年)には大地震で大きな被害があったり、社会が不安にさらされた時代であったそうです。
 聖武天皇による東大寺大仏の造立には、こうした社会不安を取り除き、国を安定させたいという願いが背景にあったものと推測されています。 

 目に見えない感染症への、どうしようもない思いは、日本だけではなかったようです。

 海外でも昔からマラリア、コレラ、チフス、天然痘、結核で死亡する人は多く、黒死病とも呼ばれたペストに至っては、14世紀のヨーロッパ人口の3分の1を死に至らしめたと言われています。
 細菌やウイルス等感染症の原因が判明していなかった時代は、病気の流行は神の怒りや誰かの祟りであり神にすがるほか、魔女の仕業と思われると魔女狩りが行われるなど、予防や治療などもありませんでした。
 未知の事柄について、誰かのせいにしたり、犯人捜しが起きていたようです。

 まさに、当時、感染症は人智を越えた恐るべき存在であり、神や魔法使いの仕業とされていたことがうかがい知れます。

 昔は神仏等に頼らざるをえなかった感染症対策ですが、科学が発達した現在は(まだ未知の感染症もありますが)幸いなことに原因や感染経路が解っているものが多いことから、感染症の対策を行うことも可能になりました。
 感染症対策の基本は早期発見、早期対処を行うことで感染の拡大を抑止することです。

 現代でも、感染症が発生したら、犯人捜しが起きてしまうことがあります。感染させた人を悪者にすることがあります。
 ですが、感染症は、誰しも感染源となりうるという謙虚な姿勢で、善悪ではなく、感染症をみんなで押さえ込むために、皆さんが感染症にうつらない・かかってもうつさないという気持ちで日常を生活することが大切だと思います。

 もし、現代で、大仏を作るとしたら、大仏様の大きな手には手指衛生のシンボルを、そして顔にはマスクをしていただいたり、袖で鼻と口を押さえるポーズのデザインにして、咳エチケット啓発のシンボルにすれば、まさに疫病の対策になりますね。

 そんなことを考えた、子どもとのひとときでした。
 もうクリスマスですね。体調を整えて、聖なる夜をお迎えください。

<咳エチケット>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html


●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
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<コラム バックナンバー>
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