感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2018-12-14

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.375(2018年12月14日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■

【トピックス】
 ◆風しんの届出数が増えています
 ◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています

【審議会・研究会等】
 ◆第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第28回厚生科学審議会感染症部会を合同開催しました(2018年12月13日)

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2018年第48週(第48号)(2018年12月14日)
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年12月14日)
  全国の定点医療機関当たり報告数は1.70(前週は0.93)で、流行開始の目安である1.00を上回り、流行シーズン入りしました。
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2018年12月7日〜2018年12月14日掲載)

【イベント情報】
 ◆AMED事業J-GRIDプログラムによる市民向け成果報告会が1月18日に開催されます

【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.32 「咳エチケットには、世界と未来を変える力がある。」

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。

 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年12月2日までに2,454例の届出があり、そのうち2,394例は7月23日以降の報告です。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆風しんの届出数が増えています
 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年12月2日までに2,454例の届出があり、そのうち2,394例は7月23日以降の報告です。現在までで、2012年の累積報告数(2,386例)を上回っています。患者の多くは、30−50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。
 妊娠中の女性(特に妊娠20週頃まで)が風しんに感染すると、先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれてくる可能性があるため、注意が必要です。
 10月2日には、厚生労働省は、風しんの発生届出数の増加が続いている5都県(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県及び愛知県)と日本産婦人科医会、労働部局に対して、協力依頼を発出し、全国の自治体に周知しました。また12月7日には、報告数の状況を踏まえて、大阪府、福岡県に対しても、厚生科学審議会感染症部会でのご議論を踏まえ、協力依頼を発出し、全国の自治体に周知しました。特にこれら7都府県にお住まいで、妊婦、妊娠を希望する女性及び妊婦の同居家族の方は、積極的に抗体検査を受けて下さい。また抗体検査の結果、抗体価が低かった妊娠希望女性及び妊婦の同居家族の方におかれましては、予防接種をご検討ください。
 その他の地域にお住まいの妊婦の方も特に風しんが発生している地域では、可能な限り外出を避け、人ごみを避けるなど注意して下さい。

<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2018年第48週(’18/12/5現在)>
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2018pdf/rube18-48.pdf

【通知・事務連絡等】
<風しんの届出数の増加が認められる7都府県における風しん対策等について(協力依頼)>(12月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000450780.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について(協力依頼)>(12月7日)
https://www.mhlw.go.jp/content/000450779.pdf
<風しんの届出数の増加が認められる5都県における風しん対策について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_1.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_2.pdf
<風しん対策に関する通知発出について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_4.pdf
<職域における風しん対策について>(10月2日)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_5.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしてますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。 
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。12月10日までに289名の死亡例を含む、500例の患者(確定452例、疑い48例)が報告されています。8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、12月11日までに、44,447名がワクチンの接種を受けました。
 10月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催されました。現段階では「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」ではない、との見解が示されましたが、今後も対策をさらに強化する必要があるとの提言がなされました。
 今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。
<エボラ出血熱について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html


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 審議会・研究会等
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◆第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第28回厚生科学審議会感染症部会を合同開催しました(2018年12月13日)
 2018年12月13日、第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第28回厚生科学審議会感染症部会を合同開催しました。今回の部会では、今後の風しんの対策について話し合われました。

<第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第28回厚生科学審議会感染症部会(合同開催)資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02895.html


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2018年第48週(第48号)(2018年12月14日)
 伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年12月14日)
 全国の定点医療機関当たり報告数は1.70(前週は0.93)で、流行開始の目安である1.00を上回り、流行シーズン入りしました。
 2018年第49週(12月3日〜12月9日)のデータを公表しました。
 医療機関の皆様におかれても、流行入りを機に、日常の診療に加え、咳エチケットや手洗い等のインフルエンザの予防対策の周知にも、改めてご協力をお願いします。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2018年12月7日〜2018年12月14日掲載)
2018年12月11日 エボラウイルス病 - コンゴ民主共和国(更新6)
https://www.forth.go.jp/topics/20181211.html


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 イベント情報
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◆AMED事業J-GRIDプログラムによる市民向け成果報告会が1月18日に開催されます
 交通網の発達にともない、人やモノの流れと一緒に感染症も海外から侵入してくる可能性が高まっています。J-GRIDでは、日本人研究者たちが実際に感染症の流行地にて、病原体の解明や新たな診断・治療薬の開発など、感染症の制御を目指し研究を進めています。本成果報告会では、インフルエンザ、デング熱など、最新の研究報告を市民の皆様に解説します。多くの方のご参加をお待ちしております。
【タイトル】 海外から侵入してくる感染症 ー流行地で病原体と闘う日本人研究者たちー
【日 時】平成31年1月18日(金)13:00~16:30
【会 場】フクラシア丸の内オアゾ Hall A (東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング16階)
【主催】国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (AMED)
【定員】200名 参加無料
【詳細】 https://www.amed.go.jp/news/event/20190118_jgrid.html
【参加方法】以下URLよりお申し込みください。
https://krs.bz/amed/m?f=563


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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.32 「咳エチケットには、世界と未来を変える力がある。」
 (IDES養成プログラム2期生:船木 孝則)

 皆様こんにちは。IDES2期の船木孝則です。
 気がつけば師走も半ばに差し迫り、今年も残るところ約2週間となりました。私も地元に帰省できるように、ギアを上げて業務に当たっております。

 皆様も年末年始には、クリスマスやお正月といったイベントがたくさんあります。最も多くの方が参拝するとされる明治神宮では、お正月三が日で300万人以上の方が訪れます。来年2019年にはラグビーワールドカップが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。最近では、2025年に大阪万博の開催が決定し、様々な国際的イベントが目白多しですね。私も参加したいと思っています。
 実は、これらのイベントように、特定の期間に、特定の場所に、沢山の人々が集まることを「マスギャザリング」と表現されています。この「マスギャザリング」で注意が必要なことのなかに、感染症の拡大があります。

 この「マスギャザリング」は、日本集団災害医学会によると、「一定期間の中で限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団」と定義されています。多人数の定義については、少なくとも1,000人とするものから25,000人以上とするものまで様々です。集まる目的や地域、期間、季節、屋内か屋外か、国際的なイベントかどうかなどにより、その規模や特徴は異なりますが、こうした特殊な環境では、通常の社会生活と比較して感染症が流行しやすい状況にあるということは、ご理解いただけるかと思います。

 これまでのマスギャザリングに伴う感染拡大では、インフルエンザや髄膜炎菌感染症、ノロウイルス感染症のアウトブレイクの発生が報告されています。こうした感染症がひとたびイベントで起こり、周りの人にうつしてしまうと、感染症は、イベントに参加した方が元の社会生活環境に戻った状況で拡がってしまうといった連鎖的な感染拡大を起こすリスクがあります。特に国際的なイベントの場合、日本では稀な感染症が入ってくるリスク、逆に日本から感染症を持ち出してしまうリスクもあります。航空機や新幹線など、交通網が数十年前と比べると格段に発展した現代社会においては、感染症の伝播は、もはや他人事では済まされない問題となっています。

 感染症の原因となる微生物はその大半が、目では見えません。ですので、皆様がいつの間にか、インフルエンザなどの感染症を他人に対して拡散するという意味で「インフルエンサー」になっているかもしれません。感染症の「インフルエンサー」にならないためには、「かからない」、かかっても「他人にうつさない」ことが重要です。感染症をうつさないことで、救える命もあります。

 長きにわたる人類の経験や研究から、我々は「予防」する手段や知恵を獲得してきました。「予防接種」はその代表例ですが、それ以外にもできることはあります。コマメな「手洗い」や「咳エチケット」、十分な休養、バランスの良い規則正しい食事などです。
 厚生労働省では、こうした予防手段の啓発のために、マメゾウくん・コマメちゃんと各地のキャラクターのコラボレーションポスターを作成したり、「進撃の巨人」とのコラボレーション企画し、「咳エチケット」に関する啓発ツールを作成したりしています。
 最近、電車通勤をしていて、袖で鼻と口をおおって咳・くしゃみをする方をよく見かけるようになった気がします。咳エチケットを啓発している我々としては、非常に嬉しく思っております。

 皆様には、年末年始に、帰省したり、イベントなどに参加される前に、今一度、感染症に「かからない」、かかっても「他人にうつさない」よう、咳エチケットなどの感染症対策を徹底していただけますことを切に願っています。
 ワールドカップでゴミ拾いをする日本のサポーターの姿勢が、世界から賞賛されたように、今度は、咳エチケットをしっかり行う日本人で、海外からくる方々を驚かせてみませんか?


参考
1.Communicable disease alert and response for mass gatherings -Key consideration- (June 2008)
https://www.who.int/csr/Mass_gatherings2.pdf#search='WHO+mass+gathering+2008'
2.国際的なマスギャザリング(集団形成)における疾病対策に関する研究
https://plaza.umin.ac.jp/massgathering/index.html
3.Travelers’ health (CDC)
https://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2018/advising-travelers-with-specific-needs/travel-to-mass-gatherings
4.咳エチケット
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
5.インフルエンザ対策啓発ツール
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/keihatu.html


●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
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<コラム バックナンバー>
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