感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2018-11-30

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.373(2018年11月30日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■

【トピックス】
 ◆風しんの届出数が増えています
 ◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 ◆本日締切り:ワクチンで予防可能な疾患における公衆衛生人材育成(STOP VPDs)プログラム参加者を募集しています 
 ◆11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間です
 ◆第1回日中韓ワンヘルスシンポジウムが12月4日に開催されます

【審議会・研究会等】
 ◆第27回感染症部会を開催しました(2018年11月29日)

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2018年第45週(第45号)(2018年11月26日)
 ◆IDWR 2018年第46週(第46号)(2018年11月30日)
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年11月26日)
  全国の定点医療機関当たり報告数は0.38
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年11月30日)
  全国の定点医療機関当たり報告数は0.52
 ◆IASR  Vo.39, No.11 (No.465)(2018年11月)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2018年11月22日〜2018年11月30日掲載)

【イベント情報】
 ◆聖路加国際大学・UNAIDS(国連エイズ合同計画)協定締結記念セミナーが11月30日に開催されます 
 ◆AMED事業J-GRIDプログラムによる市民向け成果報告会が1月18日に開催されます

【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.30 「日本がリードするHTLV-1感染症」

【リンク集】
 ◆感染症情報のリンク集
 ◆感染症に関するQ&Aのリンク集
 ◆広報・啓発ツールのリンク集


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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。

 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年11月18日までに2,198例の届出があり、そのうち2,138例は7月23日以降の報告です。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆風しんの届出数が増えています
 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年11月18日までに2,198例の届出があり、そのうち2,138例は7月23日以降の報告です。現在までで、昨年1年間の届出数の93人を大幅に上回っています。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。
 妊娠中の女性(特に妊娠20週頃まで)が風しんに感染すると、先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれてくる可能性があるため、注意が必要です。
 10月2日には、厚生労働省は、風しんの発生届出数の増加が続いている東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県及び愛知県の5都県と日本産婦人科医会、労働部局に対して、協力依頼を発出し、全国の自治体に周知しました。とくにこれら5都県にお住まいで、妊婦、妊娠を希望する女性及び妊婦の同居家族の方は積極的に抗体検査を受けてください。また抗体検査の結果、抗体価が低かった妊娠希望女性及び妊婦の同居家族の方におかれましては、予防接種をご検討ください。
 その他の地域にお住まいの妊婦の方も特に風しんが発生している地域では、可能な限り外出を避け、人混みを避けるなど注意してください。
 詳細は風しんに関するQ&Aをご参照ください。

<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2018年第46週(’18/11/21現在)>
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2018pdf/rube18-46.pdf

【通知・事務連絡等】
<風しんの届出数の増加が認められる都県における風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_1.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_2.pdf
<風しんの届出数の増加が認められる5都県における産科医療機関と連携した風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_3.pdf
<風しん対策に関する通知の発出について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_4.pdf
<職域における風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_5.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしてますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。 
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。11月26日までに241名の死亡例を含む、421例の患者(確定374例、疑い47例)が報告されています。8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、11月27日までに、36,612名がワクチンの接種を受けました。
 10月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催されました。現段階では「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」ではない、との見解が示されましたが、今後も対策をさらに強化する必要があるとの提言がなされました。
 今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。
<エボラ出血熱について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html


◆本日締切り:ワクチンで予防可能な疾患における公衆衛生人材育成(STOP VPDs)プログラム参加者を募集しています 
 WHO(世界保健機関)は、WHO西太平洋地域事務局(WPRO)圏内での機能強化を目指し、1年間のアフリカでの研修の後にWPRO圏内にある国で最低1年間の勤務を課すプログラムを、2019年より開始することとなりました。当該プログラムは、Vaccine Preventable Diseases(VPDs)を中心とした感染症対策の専門家の養成する方針としています。これを受け、厚生労働省健康局結核感染症課は、プログラム参加者を推薦する体制を構築することで、米国CDCやWHOと協力して感染症公衆衛生専門家を育成していきます。 
【対  象】国際感染症対策に関心があり、プログラム修了後もこの領域で国際的に貢献する意志のある者 
【応募期間】平成30年11月2日〜11月30日(当日消印有効) 

 ご興味のある方は、こちらのリンクをご覧下さい。
<国際感染症対策人材育成実施要項>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ikusei/02index.html


◆11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間です
 薬剤耐性(AMR)に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」としています。 薬剤耐性(AMR)対策推進月間では、政府機関だけではなく民間の様々な団体が一体となって、普及啓発に係る取組を重点的に実施していくとともに、同月間を通じて国民一人ひとりの主体的な取組を促していくものです。厚生労働省では、AMR臨床リファレンスセンターを通して様々な企画を行う予定です。広く国民の皆様に薬剤耐性(AMR)についての認識を深めていただく機会になることを願っています。
<薬剤耐性(AMR)対策推進月間(11月)における取組予定について(平成30年度)>
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/activities/amr/h30_taisakusuisin.html
<AMR臨床リファレンスセンター>
http://amr.ncgm.go.jp/
<厚生労働省:薬剤耐性(AMR)対策について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html


◆「第1回日中韓ワンヘルスシンポジウム」が12月4日に開催されます
 このシンポジウムでは、日本、中国及び韓国の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の予防・診断・治療に関する研究成果が報告されます。
 SFTSについて日中韓で第一線で活躍する専門家から最新の知見が得られる場となっておりますので、是非積極的にご参加ください。
【タイトル】重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の予防・診断・治療に関する研究成果
【日  時】2018年12月4日(火)12:30〜17:00 
【会  場】池袋サンシャインシティ会議室
【参加費】無料
【参加方法】事前申込はこちらから 
https://www.niid.go.jp/niid/ja/international.html


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 審議会・研究会等
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◆第27回感染症部会を開催しました(2018年11月29日)
 2018年11月29日、第27回厚生科学審議会感染症部会が開催されました。今回の感染症部会では、感染症の発生動向調査(サーベイランス)機能の強化等、風しんの発生状況等について話し合われました。また、HTLV-1の啓発、後天性免疫不全症候群及び梅毒の届出様式の改正、「スペインインフルエンザから100年」に向けた啓発事業等について報告がなされました。

<第27回厚生科学審議会感染症部会>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02628.html


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2018年第45週(第45号)(2018年11月26日)
 伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
 また「注目すべき感染症」としてインフルエンザを取り上げています。

◆IDWR 2018年第46週(第46号)(2018年11月30日)
 伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多くなっています。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年11月26日)
全国の定点医療機関当たり報告数は0.38

 2018年第46週(11月12日〜11月18日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は0.38となり、前週の0.35よりも増加しました。

◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年11月30日)
全国の定点医療機関当たり報告数は0.52

 2018年第47週(11月19日〜11月25日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は0.52となり、前週の0.38よりも増加しました。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


◆IASR  Vo.39, No.11 (No.465)(2018年11月)
 特集は「インフルエンザ2017/18シーズン」です。
 関連情報としてインフルエンザ分離株の分析や、208/19シーズンインフルエンザワクチン株選定経過と製造過程を踏まえた状況などを取り上げています。
 
<IASR(病原微生物検出情報 月報)2018年11月号>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2018年11月22日〜2018年11月30日掲載)
2018年11月28日 エボラウイルス病 - コンゴ民主共和国(更新5)
https://www.forth.go.jp/topics/20181128.html
2018年11月22日 中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV) - サウジアラビア 
https://www.forth.go.jp/topics/20181122.html

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 イベント情報
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◆聖路加国際大学・UNAIDS(国連エイズ合同計画)協定締結記念セミナーが11月30日に開催されます 
 UNAIDS(国連エイズ合同計画)は、日本を含むアジア太平洋地域におけるエイズ対策の推進、関連機関と協同したアジア・日本のHIV/エイズに関する疫学的および公衆衛生学的研究に焦点を当て、共通の目標を達成するための行動計画を策定したいと考えております。その一環で、聖路加国際大学とUNAIDSの協定締結に際し、記念セミナー『世界エイズデー30周年記念:エイズとユニバーサル・ヘルス・カバレッジ』を実施することとなりました。 
 講演は全て英語で行われ、関心をお持ちの方であればどなたでもご参加いただけます。また、講演終了後に予定されているレセプションにおいて、講演者の方と交流いただける機会を設けております。 
  
【タイトル】聖路加国際大学・UNAIDS(国連エイズ合同計画)協定締結記念セミナー『世界エイズデー30周年記念:エイズとユニバーサル・ヘルス・カバレッジ』 
【日  時】2018年11月30日(金)17:30-19:00 
【会  場】大村進・美枝子記念聖路加臨床学術センターB1 日野原ホール(〒104-0045東京都中央区築地3丁目6-6-2) 
  
<【11/30】聖路加国際大学・UNAIDS(国連エイズ合同計画)協定締結記念セミナー『世界エイズデー30周年記念:エイズとユニバーサル・ヘルス・カバレッジ』> 
http://university.luke.ac.jp/sph/ja/event/UNAIDS_seminar_20181130.php 


◆AMED事業J-GRIDプログラムによる市民向け成果報告会が1月18日に開催されます
 交通網の発達にともない、人やモノの流れと一緒に感染症も海外から侵入してくる可能性が高まっています。J-GRIDでは、日本人研究者たちが実際に感染症の流行地にて、病原体の解明や新たな診断・治療薬の開発など、感染症の制御を目指し研究を進めています。本成果報告会では、インフルエンザ、デング熱など、最新の研究報告を市民の皆様に解説します。多くの方のご参加をお待ちしております。
【タイトル】 海外から侵入してくる感染症 ー流行地で病原体と闘う日本人研究者たちー
【日 時】平成31年1月18日(金)13:00~16:30
【会 場】フクラシア丸の内オアゾ Hall A (東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング16階)
【主催】国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (AMED)
【定員】200名 参加無料
【詳細】 https://www.amed.go.jp/news/event/20190118_jgrid.html
【参加方法】以下URLよりお申し込みください。
https://krs.bz/amed/m?f=563


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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.30 「日本がリードするHTLV-1感染症」
 (IDES養成プログラム3期生:西島 健)


 去る11月10日は、世界HTLVデーでした。


 みなさん、ご存知でしたか?今年初めて学会が制定したものですので、知らなかった方も多いと思います。この世界HTLVデーを契機に、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染症がさらに広く知られることを願っています。

 このHTLV-1というウイルスですが、ウイルスを含んだ体液によって、例えば、母乳による母子感染、性交渉による水平感染、輸血や臓器移植などで感染します。感染しても大多数の人は病気になることがありませんが、生涯で感染した人の約5%が成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)、約0.3%がHTLV-1関連脊髄症(HAM)を発症するといわれています。

 日本はHTLV-1感染者が多いことで知られ、約100万人の方が感染していると推定されています。最近オーストラリアのアボリジニーの間でHTLV-1の感染率が高いことが広く報道され、今年5月には、科学者の団体が、世界保健機関(WHO)に向けて対策をとることを求める公開書簡を発表しました。世界的に、HTLV-1対策を強化しよう、という機運が高まっています。

 残念ながらあまり知られていませんが、このHTLV-1については、我が国は常に世界のトップを走ってきた、といっても過言ではないと思います。

 まず研究分野については、成人T細胞白血病の発見、母乳を介したHTLV-1感染の仕組みの解明、HTLV-1関連脊髄症の発見と治療法の開発など、日本発の業績は枚挙にいとまがありません。

 また、HTLV-1対策についても、日本は輸血のスクリーニング、母子感染対策という二つの主要な感染対策を世界で初めて導入した国です。


 日本のHTLV-1対策は平成22年のHTLV-1タスクフォース立ち上げと、HTLV-1総合対策のとりまとめにより、さらに加速しました。平成22年には全国の妊婦検診にHTLV-1スクリーニングが導入され、成人T細胞白血病やHTLV-1関連脊髄症の診療マニュアルも整備されました。また、HTLV-1関連疾患分野に毎年約10億円の研究費が分配されるようになりました。

 母子感染予防ガイドラインが平成28年に改定され、HTLV-1に感染した妊婦には原則として人工乳の使用が推奨され、スクリーニング検査と確認検査によっても診断がつかない妊婦には核酸増幅検査が保険適応で使用できるようになりました。平成30年には、日本HTLV-1学会登録医療機関の認定が始まり、またアニメ「はたらく細胞」とコラボレーションした啓発やオリジナルマンガを使った啓発を行っています。

 現在も母乳を介した母子感染への対策をとっている国はほとんどないことなどを考えると、我が国の対策はまさに最先端を走っていると言えるでしょう。

 HTLV-1対策への国際的機運が高まっている今は、日本が経験してきたこと、そして築いてきたことを他の国と分かち合う、よい機会なのかもしれません。


 もちろん、課題も多く残されています。多くの成人T細胞白血病の予後は残念ながら現在もよくありませんし、HTLV-1関連脊髄症を完全に治すことも難しいのが現状です。HTLV-1に感染した方の中で、どのような方がこれらの病気を発症するのかも、まだわからない点が多くあります。

 また近年、我が国においては、おそらくは母子感染する人の数よりも、性感染症としてHTLV-1に感染する人の数がはるかに多いであろうことが注目されており、性感染症としてのHTLV-1をどのように啓発し、予防していくのかは大きな課題になっています。

 私が日本のHTLV-1対策は最先端を走っていること、しかしながら残念なことに日本の対策は他の国にはあまり知られていないことを改めて実感したのは、このIDESプログラムで世界保健機関西太平洋事務局のHIV・肝炎・性感染症課に派遣され、HTLV-1の担当になってからです。日本にいるときはこれも足りない、あれもやらなければ、と感じていましたし、そのような面ももちろんあるのですが、外に出てみると、また違った角度で物事が見えるというのは新鮮でした。


 来年は、世界HTLVデー(11月10日)がより広く知られていることを願って。


<HTLV-1>
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou29/


●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/
⇒「メルマガの内容に関するご意見」をクリックするとメール作成画面が立ち上がります。
<コラム バックナンバー>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116724.html


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 リンク集
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◆感染症情報のリンク集

 国立感染症研究所:http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases.html
 厚生労働省検疫所(FORTH):http://www.forth.go.jp/index.html
 エイズ予防情報ネット(API-Net):http://api-net.jfap.or.jp/
 CDC:http://www.cdc.gov/
 ECDC:http://www.ecdc.europa.eu/en/Pages/home.aspx
 China CDC:http://www.chinacdc.cn/ 
 国立医薬品食品衛生研究所:http://www.nihs.go.jp/kanren/shokuhin.html


◆感染症に関するQ&Aのリンク集

<ジカウイルス感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109899.html
<中東呼吸器症候群(MERS)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
<腸管出血性大腸菌感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html
<マイコプラズマ肺炎>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/index.html
<RSウイルス感染症>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
<感染性胃腸炎(ノロウイルス)>
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
<感染性胃腸炎(ロタウイルス)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/index.html
<手足口病>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/hfmd.html
<咽頭結膜熱>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html
<重症熱性血小板減少症候群(SFTS)>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html
<インフルエンザ>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
<鳥インフルエンザ>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144461.html
<鳥インフルエンザ(H5N1)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144523.html
<鳥インフルエンザ(H7N9)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144470.html
<鳥インフルエンザ(動画)>
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9687.html
<狂犬病>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html
<結核とBCGワクチン>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/bcg/
<オーラルセックス(口腔性交)による性感染症>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html
<ポリオとポリオワクチン>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html
<日本脳炎>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/nouen_qa.pdf
<子宮頸がん予防ワクチン>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html
<子宮頸がん予防ワクチン接種の「積極的な接種勧奨の差し控え」>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_hpv.html
<風しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<麻しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
<麻しん(English)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles_eng/index.html
<水痘>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html
<肺炎球菌感染症(高齢者)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html
<エボラ出血熱>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola_qa.html
<デング熱>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever_qa.html
<梅毒>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda2.html


◆広報・啓発ツールのリンク集

<咳エチケット>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
<薬剤耐性(AMR)対策>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html
<インフルエンザ予防対策>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/keihatu.html
<麻しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/dl/leaf_z.pdf
<風しん>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster09.pdf
<啓発ツール:定期の予防接種(主に小学生までのお子さんが受けた方がよい予防接種)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/keihatsu_tool/index.html
<予防接種スケジュール(国立感染症研究所)>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/component/content/article/320-infectious-diseases/vaccine/2525-v-schedule.html
<予防接種後健康被害救済制度>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/kenkouhigai_kyusai/dl/leaflet_h241119.pdf
<性感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html
<動物由来感染症>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/
<狂犬病>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/


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