感染症エクスプレス@厚労省
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メールマガジンのバックナンバーです。

2018-11-02

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.369(2018年11月2日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■

【トピックス】
 ◆風しんの届出数が増えています
 ◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 ◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を開催しました(2018年10月28日)
 ◆世界エイズデーに向けた普及啓発イベントを実施します
 ◆風しんの国内流行に関する市民公開講座及びシンポジウムが開催されます

【審議会・研究会等】
 ◆第6回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(2018年10月22日)

【感染症発生情報】
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年11月2日)
 ◆IDWR 2018年第42週(第42号)(2018年11月2日)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2018年10月26日〜2018年11月2日掲載)

【イベント情報】
 ◆「第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」が11月5日に開催されます
 ◆サイエンスアゴラ2018で「大阪大学微生物病研究所 日・タイ感染症共同研究センターセミナー」が11月10日に開催されます
 ◆サイエンスアゴラ2018で「感染症研究教育拠点連合のセミナー」が11月10日に開催されます

【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.26 「日本から遠くて、近い 恐怖の感染症」

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。

 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年10月21日までに1,486例の届出があり、そのうち1,426例は7月23日以降の報告です。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆風しんの届出数が増えています
 現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年10月21日までに1,486例の届出があり、そのうち1,426例は7月23日以降の報告です。現在までで、昨年1年間の届出数の93人を大幅に上回っています。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。
 妊娠中の女性(特に妊娠20週頃まで)が風しんに感染すると、先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれてくる可能性があるため、注意が必要です。
10月2日には、厚生労働省は、風しんの発生届出数の増加が続いている東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県及び愛知県の5都県と日本産婦人科医会、労働部局に対して、協力依頼を発出し、全国の自治体に周知しました。とくにこれら5都県にお住まいで、妊婦、妊娠を希望する女性及び妊婦の同居家族の方は積極的に抗体検査を受けてください。また抗体検査の結果、抗体価が低かった妊娠希望女性及び妊婦の同居家族の方におかれましては、予防接種をご検討ください。
 その他の地域にお住まいの妊婦の方も特に風しんが発生している地域では、可能な限り外出を避け、人混みを避けるなど注意してください。
 詳細は風しんに関するQ&Aをご参照ください。

<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2018年第42週(’18/10/24現在)>
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2018pdf/rube18-42.pdf

【通知・事務連絡等】
<風しんの届出数の増加が認められる都県における風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_1.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_2.pdf
<風しんの届出数の増加が認められる5都県における産科医療機関と連携した風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_3.pdf
<風しん対策に関する通知の発出について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_4.pdf
<職域における風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_5.pdf

【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしてますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf


◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
 2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。10月30日までに179名の死亡例を含む、279例の患者(確定244例、疑い35例)が報告されています。8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、10月31日までに、24,863名がワクチンの接種を受けました。
 10月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催されました。現段階では「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」ではない、との見解が示されましたが、今後も対策をさらに強化する必要があるとの提言がなされました。
 今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。
 厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。
<エボラ出血熱について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html


◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を開催しました(2018年10月28日)
 10月28日、東京で開催した「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」資料を、厚生労働省ホームページに公開しました。
 2018年に発生したスペインインフルエンザから100年の節目となる今回の研修には、全国から医療従事者を中心に300名の方々にご参加いただき、スペインインフルエンザ、2009年の新型インフルエンザについて振り返りや、近年の鳥インフルエンザや季節性インフルエンザの現状など様々な観点で講演が行われました。

<「平成30年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」資料>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/kouen-kensyuukai/h30.html


◆世界エイズデーに向けた普及啓発イベントを実施します
 厚生労働省は、12月1日の世界エイズデーに向け、公益財団法人エイズ予防財団やエイズ関連NGO等の関係団体の協力を得て、普及啓発イベントを実施します。
 また、地方公共団体においても、関係機関等と連携し、エイズに関する正しい知識の啓発活動を展開します。
 各医療機関におかれましては、HIV/エイズの予防啓発及び検査に関する情報提供など、HIV感染の早期発見・早期治療に向け、引き続きご協力をお願いします。
※世界エイズデーとは
 世界保健機関(WHO)は、1988年に世界的レベルでのエイズまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として、12月1日を“World AIDS Day”(世界エイズデー)と定め、エイズに関する啓発活動等の実施を提唱しました。

<RED RIBBON LIVE公式サイト>
http://redribbonlive.net/
<平成30年度世界エイズデー特設ページ>
http://api-net.jfap.or.jp/event/HivInsWeek/special2018/index.html
<エイズ予防情報ネット>
http://api-net.jfap.or.jp/


◆風しんの国内流行に関する市民公開講座及びシンポジウムが開催されます
 最近の風しんの流行を鑑みて、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者 大石和徳)では、多くの方に風しんについて理解を深めていただき、また医療関係者・研究者間での議論を促進するために、市民公開講座及びシンポジウムを開催いたします。

【タイトル】市民公開講座「風しんから妊婦を守るために」
【日 時】2018年11月24日(土)14:00〜17:00
【開催場所】AP浜松町(東京都港区芝公園2-4-1芝パークビルB館地下1階)
【参加費】無料  
【参加方法】事前申込はこちらから⇒ https://rubella.jp/

【タイトル】シンポジウム「わが国の風しん排除を目指して」 (Toward Rubella Elimination in Japan)−本シンポジウムは、行政関連者、医療関係者、研究者等を対象とします−
【日 時】2018年11月25日(日)9:30〜13:00
【開催場所】 AP浜松町(東京都港区芝公園2-4-1芝パークビルB館地下1階)
【参加費】無料  
【参加方法】事前申込はこちらから⇒ https://rubella.jp/

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 審議会・研究会等
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◆第6回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(2018年10月22日)

 2018年10月22日に、第6回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会を開催しました。ヒト、動物、環境といった垣根を超えた「ワンヘルス」としての薬剤耐性に係る統合的な動向調査の重要性が指摘されています。薬剤耐性ワンヘルス動向調査に係る技術的事項について検討することを目的として、昨年より、薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会を開催しています。 
 第6回の検討会では、第5回の検討会をふまえ、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2018について議論しました。公表に向けて準備中です。

<薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会>
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou_412188.html


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年11月2日)
全国の定点医療機関当たり報告数は0.19

 2018年第43週(10月22日〜10月28日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は0.19となり、前週から増減はありませんでした。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


◆IDWR 2018年第42週(第42号)(2018年11月2日)
 伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多くなっています。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2018年10月26日〜2018年11月2日掲載)
2018年10月30日 エボラウイルス病 コンゴ民主共和国(更新3)
https://www.forth.go.jp/topics/20181030.html


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 イベント情報
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◆「第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」が11月5日に開催されます
 「薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」は、薬剤耐性(AMR)対策の普及啓発活動を広く募集し、優良事例を表彰することで、薬剤耐性(AMR)対策に係る自発的な活動を喚起奨励すること等により、薬剤耐性(AMR)対策の全国的な広がりを促進することを目的としています。
 今年は合計96件の応募があり、これらの中から「薬剤耐性対策推進国民啓発会議議長賞」、「文部科学大臣賞」、「厚生労働大臣賞」、「農林水産大臣賞」及び「「薬剤耐性へらそう!」応援大使賞」の5つの賞について表彰対象を決定しました。

【タイトル】第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰
【日  時】平成30年11月5日(月)15:00〜16:00(予定)
【会  場】日本科学未来館7階 未来館ホール(東京都江東区青海2丁目3-6)
【参加方法】表彰式の一般参加をご希望の方は、下記ホームページよりお申込みください。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/event/amrhyosyo2018.html
<プレスリリース>
 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000167304a.html
※なお、表彰式後引き続き、16:00〜17:00(予定)に薬剤耐性(AMR)対策普及啓発のためのトークイベントを行います(「薬剤耐性へらそう!」応援大使のJOYさん、篠田麻里子さんも出演予定)。


◆サイエンスアゴラ2018で「大阪大学微生物病研究所 日・タイ感染症共同研究センターセミナー」が11月10日に開催されます
 本セミナーはサイエンスアゴラ2018の一環として開催されます。タイやミャンマーで実施してきたコレラ菌など熱帯感染症の野外調査や研究成果を例に、参加者の皆さんと感染症とそれを取り巻く問題について考えます。
 実はコレラはかつて日本で流行したこともあるのをご存知でしょうか?感染症は単なる微生物感染の結果ではなく、貧困や社会インフラの未熟、戦争など様々な社会的・文化的要因が背後にあります。感染症を通じて、世界の様々な問題について、考えてみましょう。安心・安全とされる日本が、また違った観点で見られるかもしれません。 

【タイトル】感染による下痢と食中毒 〜東南アジアでコレラに挑む〜
【日  時】2018年11月10日(土)12:45〜14:15 
【会  場】テレコムセンタービル 8F会議室C (東京都江東区青海2-5−10)

<サイエンスアゴラ2018>
http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/ 
<サイエンスアゴラ出展番号138>             
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/138/ 
<大阪大学微生物病研究所 日・タイ感染症共同研究センター> 
http://rcc-eri.biken.osaka-u.ac.jp/ 
<AMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)>
 https://www.amed.go.jp/program/list/01/06/001.html
※日・タイ感染症共同研究センターはAMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)の支援を受けて活動しています。 


◆サイエンスアゴラ2018で「感染症研究教育拠点連合のセミナー」が11月10日に開催されます
 本セミナーはサイエンスアゴラ2018の一環として開催されます。感染症研究教育拠点連合(北海道大学、東京大学、大阪大学、長崎大学)が、エボラウイルス病、インフルエンザ・ジカ熱・結核等の感染症の克服に向けた国際共同研究について、これまでの取り組み、今後の活動について、お話しします。 

【タイトル】感染症克服を目指したオールジャパン戦略
【日  時】2018年11月10日(土) 10:30〜12:00
【会  場】テレコムセンター  8階会議室B (東京都江東区青海2-5−10)

https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/133/
【参加方法】下記URLよりお申し込みください。※氏名・所属・連絡先を記載下さい。ご質問も受け付けています。
 gaibu1@vetmed.hokudai.ac.jp 
<サイエンスアゴラ2018>
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/
<サイエンスアゴラ出展番号133>             
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/133/
<AMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)>
https://www.amed.go.jp/program/list/01/06/001.html
※北海道大学、東京大学、大阪大学、長崎大学はAMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)の支援を受けて活動しています。

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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.26 「日本から遠くて、近い 恐怖の感染症」
 (IDES養成プログラム4期生:大塚美耶子)

 こんにちは。IDES4期の大塚美耶子です。
 IDES養成プログラムには今年の10月から参加しています。
 一昨日10月31日はハロウィンで、今年も何かと話題となりましたが、皆様如何お過ごしでしたでしょうか?
 私は、医師になる前は青年海外協力隊で統計隊員としてブルキナファソ国に赴任しておりましたが、幼少期にはカメルーンやUAE(ドバイ)に、学生の時にはイギリスやアメリカに滞在しており、何かと海外で生活が長く、様々な地域、文化に触れる機会がありました。ハロウィンの仮装の思い出は、小学生の時ドバイで、イスラム教徒だけでなく、様々な国の人が住むマンションで片端からトリック オア トリートをして事情を知らない人を驚かせてしまった覚えがあります。ハロウィンは一説によると古代ケルトが起源と考えられているお祭で、11月1日が新年とされ、大晦日にあたる10月31日の夜に先祖の霊が家族に会いに戻ってくると信じられていました。メキシコでは、11月2日は万霊節で、「死者の日」とされており、故人への思いを馳せ、語り合う祝日としているそうです。日本ではお盆のようなものですね。
 このハロウィンには、悪霊も一緒にやって来て、作物に悪い影響を与えたり、子どもをさらったり、現世の人間たちに悪いことをするため、この悪霊対策として、子どもたちは、悪霊に紛れてばれないようにしたり、人々は悪霊を驚かせて追い払うために、仮面をかぶったり、仮装をしたり、魔除けの焚き火を行ったといわれます。
 文化は、地域が違えば異なり、時が流れれば変化するということに興味深く思います。

 医療が整っている日本では、高齢者の肺炎を除けば、感染症に対して「命を脅かす」というイメージを持つ人は少ないと思います。10年ほど前に青年海外協力隊の統計隊員として西アフリカのブルキナファソ国の地方医療局に赴任していた際、私は感染症の専門家ではありませんでしたが、5歳未満の乳幼児の死亡原因の多くは肺炎、下痢、マラリアと、感染症によって小さな命が消えゆく現実を目の当たりにしました。そのとき、残酷な感染症に対して、恐怖を抱きました。感染症への考え方が大きく変化しました。
 2014年に世界を震撼させたエボラ出血熱。PHEIC(Public Health Emergency of International Concern, 国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)にはならなかったものの、最近またコンゴ民主共和国でアウトブレイクを起こしています。どんなに恐ろしい感染症も、地球の裏側での出来事となると、今ひとつ関係性がピンと来ないというのも分かります。
 実は、日本は、このエボラ対策には一役買っていることをご存じでしょうか。今年10月18日、エボラウイルスの中心部の内部構造を沖縄科学技術大学院大学が突き止めたとのニュースをご覧になった方も多いのではないでしょうか。既に、抗エボラウイルス薬としては日本企業が抗インフルエンザ薬として製造している薬が現地で治療に使用されています。その他、エボラ迅速診断キットも北海道大学と日本の企業がタッグを組んで試作品を開発し、無償で提供しています。
日本が、遠い地の、致死率が高く、かつては治療法のなかった恐怖の感染症について、時を経て、日本の技術を通して、その地の人々の健康と、恐怖の感染症の克服に向けて奮闘していることを誇りに思います。
 私も、今後IDESの立場から国内外に対して、感染症対策を少しでもよりよくできるよう邁進して参ります。
<エボラ出血熱について>
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2018/04201410.html

●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
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<コラム バックナンバー>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116724.html


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