感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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>>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.367(2018年10月19日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□■
【トピックス】
◆風しんの届出数が増えています
◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
◆RSウイルス感染症の流行が続いています
【感染症発生情報】
◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年10月19日)
◆IDWR 2018年第39週(第39号)(2018年10月15日)
◆IDWR 2018年第40週(第40号)(2018年10月19日)
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2018年10月12日〜2018年10月19日掲載)
【イベント情報】
◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を10月28日に開催します
◆「厚労科研 健康安全・危機管理対策総合研究事業 講演会・シンポジウム」を10月27日に開催します
◆「第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」が11月5日に開催されます
◆サイエンスアゴラ2018で「大阪大学微生物病研究所 日・タイ感染症共同研究センターセミナー」が11月10日に開催されます
◆サイエンスアゴラ2018で「感染症研究教育拠点連合のセミナー」が11月10日に開催されます
【コラムコーナー】
◆IDESコラム vol.24 「旅の笑えるハプニングと笑えないハプニング」
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こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年10月7日までに1,103例の届出があり、そのうち1,043例は7月23日以降の報告です。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。
「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を10月28日に開催します。新型インフルエンザを取り巻く、鳥インフルエンザの疫学、治療や感染対策の現在の流れを含め、本研修では、新型インフルエンザの最新の状況等、6人の専門家が解説いたします。席に限りがございますので、早めのお申込をお願いします。
詳細は本メールマガジンをご覧ください。
引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
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トピックス
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◆風しんの届出数が増えています
現在、風しんの届出数が大幅に増加しています。2018年10月7日までに1,103例の届出があり、そのうち1,043例は7月23日以降の報告です。現在までで、昨年1年間の届出数の93人を大幅に上回っています。患者の多くは、30~50代の男性で、首都圏を中心に報告されています。
妊娠中の女性(特に妊娠20週頃まで)が風しんに感染すると、先天性風しん症候群(CRS)の子どもが生まれてくる可能性があるため、注意が必要です。
10月2日には、厚生労働省は、風しんの発生届出数の増加が続いている東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県及び愛知県の5都県と日本産婦人科医会、労働部局に対して、協力依頼を発出し、全国の自治体に周知しました。とくにこれら5都県にお住まいで、妊婦、妊娠を希望する女性及び妊婦の同居家族の方は積極的に抗体検査を受けてください。また抗体検査の結果、抗体価が低かった妊娠希望女性及び妊婦の同居家族の方におかれましては、予防接種をご検討ください。
その他の地域にお住まいの妊婦の方も特に風しんが発生している地域では、可能な限り外出を避け、人混みを避けるなど注意してください。
詳細は風しんに関するQ&Aをご参照ください。
<風しんについて>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
<風疹 発生動向調査 2018年第40週(’18/10/10現在)>
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2018pdf/rube18-40.pdf
【通知・事務連絡等】
<風しんの届出数の増加が認められる都県における風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_1.pdf
<風しんの届出数の増加に伴う対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_2.pdf
<風しんの届出数の増加が認められる5都県における産科医療機関と連携した風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_3.pdf
<風しん対策に関する通知の発出について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_4.pdf
<職域における風しん対策について>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/181003_5.pdf
【リーフレット】
<体調不良の時はムリしないで>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster15.pdf
<妊娠を希望する女性、妊婦とそのご家族へ>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster14.pdf
<職場は風しん予防対策をしてますか>
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster13.pdf
◆コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています
2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。10月15日までに139名の死亡例を含む、216例の患者(確定181例、疑い35例)が報告されています。8月8日に高リスク群に対してのワクチン接種が始まり、10月16日までに、17,976名がワクチンの接種を受けました。
10月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催されました。現段階では「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」ではない、との見解が示されましたが、今後も対策をさらに強化する必要があるとの提言がなされました。
今回の発生地域では、反政府勢力による非人道的行為が行われており、以前より外務省から退避勧告が出されています。
厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。発生地域であるコンゴ民主共和国(北キブ州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。
<エボラ出血熱について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html
◆RSウイルス感染症の流行が続いています
2018年7月より、RSウイルス感染症の報告数が増加しており、現在も流行が継続しています。例年7月頃から流行が始まることが多く、今年の流行は過去10年間の同時期の報告数と比べると2017年に次いで大きい規模です。
RSウイルスは子どもと大人のどちらにも感染することがあり、症状は風邪の様な軽い症状から、呼吸困難などの重い症状を起こすことまで様々です。特に、新生児や6ヶ月以内の乳児、先天性心疾患や肺の基礎疾患があるお子さんに感染すると、時に肺炎や細気管支炎など、重篤な病態を引き起こすことがあり、注意が必要です。
感染経路は患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手指などを介した接触感染が主です。感染対策として、マスクを着用することや咳エチケット、手洗いなどの対策を徹底することが大切です。
<RSウイルス感染症>
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-15.html
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感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況
◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年10月19日)
全国の定点医療機関当たり報告数は0.12
2018年第41週(10月8日〜10月14日)のデータを公表しました。
全国の定点医療機関当たり報告数は0.12となり、前週の0.17よりも減少しました。
<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
◆IDWR 2018年第39週(第39号)(2018年10月15日)
伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は3週連続で減少しています。
◆IDWR 2018年第40週(第40号)(2018年10月19日)
伝染性紅斑の定点医療機関当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html
■海外の感染症発生状況
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2018年10月12日〜2018年10月19日掲載)
2018年10月16日 エボラウイルス病 コンゴ民主共和国
https://www.forth.go.jp/topics/20181016.html
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イベント情報
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◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を10月28日に開催します
2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)の世界的な大流行以降、新たな新型インフルエンザは発生していませんが、アジア諸国等においては、依然として鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が確認されています。
新型インフルエンザを取り巻く、鳥インフルエンザの疫学、治療や感染対策の現在の流れを含め、本研修では、新型インフルエンザの最新の状況等、6人の専門家が解説いたします。
席に限りがございますので、早めのお申込をお願いします。
【日 時】平成30年10月28日(日)12:20〜16:10(受付開始12:00)
【会 場】イイノホール&カンファレンスセンター
(東京都千代田区内幸町2-1-1)
http://www.iino.co.jp/hall/access/
【参加費】無料
【参加方法】下記URLよりお申し込みください。
※事前申込制につき、定員に達し次第、締め切らせていただきます。
<平成30年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/kouen-kensyuukai.html
◆「厚労科研 健康安全・危機管理対策総合研究事業 講演会・シンポジウム」を10月27日に開催します
厚労科研「公衆浴場等施設の衛生管理におけるレジオネラ症対策に関する研究」班、「水道水質の評価及び管理に関する総合研究」班より微生物分科会が共同主催で、医療機関の給湯・給水系に潜むレジオネラ感染についての講演会・シンポジウムを行います。WEBでの申込制です。
【タイトル】厚労科研 健康安全・危機管理対策総合研究事業 講演会・シンポジウム 医療機関の給湯・給水系に潜むレジオネラ感染リスク—実態と予防策—
【日 時】2018年10月27日(土)10:25〜17:15 (受付 9:30〜)
【会 場】国立感染症研究所(戸山庁舎)共用第一会議室
【参加費】無料(会場にて昼食を販売します)
<詳細情報>
https://sites.google.com/view/legionella-resgr/
【参加方法】下記URLよりお申し込みください。(事前申込制・先着順)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScR2dC3MxnOn-FsDJZ_mPwgB1Oagqi5hAh47TuFS_lB_Q2D3A/viewform
◆「第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」が11月5日に開催されます
「薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」は、薬剤耐性(AMR)対策の普及啓発活動を広く募集し、優良事例を表彰することで、薬剤耐性(AMR)対策に係る自発的な活動を喚起奨励すること等により、薬剤耐性(AMR)対策の全国的な広がりを促進することを目的としています。
今年は合計96件の応募があり、これらの中から「薬剤耐性対策推進国民啓発会議議長賞」、「文部科学大臣賞」、「厚生労働大臣賞」、「農林水産大臣賞」及び「「薬剤耐性へらそう!」応援大使賞」の5つの賞について表彰対象を決定しました。
【タイトル】第2回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰
【日 時】平成30年11月5日(月)15:00〜16:00(予定)
【会 場】日本科学未来館7階 未来館ホール(東京都江東区青海2丁目3-6)
【参加方法】表彰式の一般参加をご希望の方は、下記ホームページよりお申込みください。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/event/amrhyosyo2018.html
<プレスリリース>
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000167304a.html
※なお、表彰式後引き続き、16:00〜17:00(予定)に薬剤耐性(AMR)対策普及啓発のためのトークイベントを行います(「薬剤耐性へらそう!」応援大使のJOYさん、篠田麻里子さんも出演予定)。
◆サイエンスアゴラ2018で「大阪大学微生物病研究所 日・タイ感染症共同研究センターセミナー」が11月10日に開催されます
本セミナーはサイエンスアゴラ2018の一環として開催されます。タイやミャンマーで実施してきたコレラ菌など熱帯感染症の野外調査や研究成果を例に、参加者の皆さんと感染症とそれを取り巻く問題について考えます。
実はコレラはかつて日本で流行したこともあるのをご存知でしょうか?感染症は単なる微生物感染の結果ではなく、貧困や社会インフラの未熟、戦争など様々な社会的・文化的要因が背後にあります。感染症を通じて、世界の様々な問題について、考えてみましょう。安心・安全とされる日本が、また違った観点で見られるかもしれません。
【タイトル】感染による下痢と食中毒 〜東南アジアでコレラに挑む〜
【日 時】2018年11月10日(土)12:45〜14:15
【会 場】テレコムセンタービル 8F会議室C (東京都江東区青海2-5−10)
<サイエンスアゴラ2018>
http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/
<サイエンスアゴラ出展番号138>
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/138/
<大阪大学微生物病研究所 日・タイ感染症共同研究センター>
http://rcc-eri.biken.osaka-u.ac.jp/
<AMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)>
https://www.amed.go.jp/program/list/01/06/001.html
※日・タイ感染症共同研究センターはAMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)の支援を受けて活動しています。
◆サイエンスアゴラ2018で「感染症研究教育拠点連合のセミナー」が11月10日に開催されます
本セミナーはサイエンスアゴラ2018の一環として開催されます。感染症研究教育拠点連合(北海道大学、東京大学、大阪大学、長崎大学)が、エボラウイルス病、インフルエンザ・ジカ熱・結核等の感染症の克服に向けた国際共同研究について、これまでの取り組み、今後の活動について、お話しします。
【タイトル】感染症克服を目指したオールジャパン戦略
【日 時】2018年11月10日(土) 10:30〜12:00
【会 場】テレコムセンター 8階会議室B (東京都江東区青海2-5−10)
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/133/
【参加方法】下記URLよりお申し込みください。※氏名・所属・連絡先を記載下さい。ご質問も受け付けています。
gaibu1@vetmed.hokudai.ac.jp
<サイエンスアゴラ2018>
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/
<サイエンスアゴラ出展番号133>
https://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/133/
<AMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)>
https://www.amed.go.jp/program/list/01/06/001.html
※北海道大学、東京大学、大阪大学、長崎大学はAMED感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)の支援を受けて活動しています。
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コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.24 「旅の笑えるハプニングと笑えないハプニング」
(IDES養成プログラム2期生:船木孝則)
こんにちは。IDES2期の船木孝則です。
日本時間の10月17日20時〜24時、スイスのWHO本部で緊急委員会が開催され、現在のコンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の流行の状況が「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」の状況にあるかが議論され、結果をいち早く知るため、私たちは真夜中まで待機していましたが、結果的に、該当しないと判断されました。予断を許さない状況は続いているので、引き続き情報収集し、皆様に適宜お知らせいたします。このようなPHEICは、渡航制限がかかるなど、渡航者に影響を及ぼすものであるため、皆様にも関心を持っていただけたら嬉しいです。
本日10月19日は、「遠(10)くへ行く(19)」の語呂合わせで、海外旅行の日とされているそうです。私は海外旅行が好きですが、皆様も遠くへ旅することが好きな人は少なくないと思います。
私も、仕事で海外に行くことがありますが、恥ずかしながら以前イタリアにいった時に、いわゆる食あたりをおこしたことがあります。イタリアからの帰国便にまさに搭乗しようとした瞬間から、なんとなく体のだるさを感じ、悪夢のフライトが始まりました。座席につくやいなや、全身倦怠感とめまい、嘔気が始まり、その後数回嘔吐、到着前には下痢の出現と、まさに食あたりの症状でした。ただでさえ辛いこの状況では、眠ることすらできず、浅い眠りの中で、「マルモレの滝」の夢を見て目を覚ます有様。揺れがある機内で過ごした約半日は、なぜかとても鮮明に覚えています。こうなってしまうと、ある意味エキサイティングではありますが、せっかくの、楽しい旅行も台無しになってしまいます。
旅でのハプニングは楽しい思い出になることもありますが、私の例のように、おぞましい記憶になることや、旅行自体を台無しにしてしまうこともあります。
ハプニングの原因となるものは、それぞれの国の状況、気候など、思わぬものがリスクであったということはよくあることでないでしょうか。ですが、治安や、感染症については、ある程度情報を集めることで備えることができます。
それぞれの国での保健医療体制も異なりますので、医療へのアクセスの容易さも異なります。病院にかかったときに、目が飛び出るほどの金額を請求されることがあることはご存じの通りです。ですので、保険に入ることで、予め「備える」こともできるでしょう。また、ご病気をお持ちの方は、旅行先でも病気が悪くならないように、または悪くなった場合に備えて、かかりつけの先生や専門家に対処方法などを予め聞いておくことで「備える」こともできます。
安心して、旅行を楽しんだり、出張先で活躍するためには、旅程の確認だけでなく、「リスク」への、しっかりした「備え」が重要であることを、あえて強調しておきます。
これから年末に向けて、旅行の計画を立てる方もいると思います。私からは、「感染症」への備えをしていただくよう皆様にお願いしたいと思います。渡航する国でそれぞれ特色があり、流行している感染症が違います。厚生労働省検疫所サイト「FORTH」を見て、渡航先の感染症情報を見てください。自分が打っておいた方が良いワクチンはないか、非常時のために携帯しておいた方がよいものはないか、などを確認しましょう。また必要なワクチンは、種類により必要な回数が異なり、完了するまでに要する時間が異なるため、旅行までに余裕をもって早めに受診されることをおすすめします。
国によっては、予防接種を受けた証明書を要求され、証明できなければ、入国できないことがあります。黄熱ワクチンが典型例で、主にアフリカ及び南米の熱帯地域の国々では、入国時に予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められる国があります。一方で、黄熱の流行している国を出国してから他国に入国する時に、予防接種証明書の提示を求める国もありますので、注意が必要です。 せっかく飛行機で移動しても、入国できないことが起こるのです。この証明書は一度発行されれば一生涯有効ですので、大切に保管してください。詳しくは、渡航先の国の駐日大使館などに確認してください。
こうした点では、旅行に関する医療を専門的に扱っている病院の渡航者外来やトラベルクリニックに相談することも是非、積極的にお考えください。
旅での感染症のハプニングは、可能な限り避けていただきたいと思います。
皆様が、海外渡航の備えをすることで、楽しい海外旅行が台無しにならないよう、また、海外出張で活躍できるよう、心よりお祈りしております。
参考:
・海外へ渡航されるみなさまへ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html
・厚生労働省検疫所:FORTH 海外で安全に過ごすために
https://www.forth.go.jp/index.html
・厚生労働省検疫所:海外渡航のためのワクチン
https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html
・外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
・外務省:海外安全情報配信サービス(たびレジ)
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
・CDC (米国疾病管理予防センター):Travelers’ Health (英語のみ)
https://wwwnc.cdc.gov/travel/
・国土交通省 観光庁:訪日外国人旅行者数・出国日本人数の推移
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.html
●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。
<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html
<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/
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<コラム バックナンバー>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116724.html
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