感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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>>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.344(2018年4月27日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【トピックス】
◆感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムの研修生の募集を5月から開始します
◆麻しんの報告が増えています
◆ロタウイルス感染症の報告が増えています
◆2018年度「世界エイズデー」キャンペーンテーマを募集しています
◆当メールマガジン「感染症エクスプレス@厚労省」に関するアンケートにご協力ください
【審議会・研究会等】
◆第24回感染症部会を開催しました(2018年4月26日)
【感染症発生情報】
◆IDWR 2018年第15週(第15号)(2018年4月27日)
◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年4月27日)
全国の定点医療機関当たり報告数は1.76
◆IASR Vo.39, No.4 (No.458)(2018年4月)
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2018年4月20日〜2018年4月27日掲載)
【コラムコーナー】
◆IDESコラム vol.18「5月5日『手指衛生の日』キャンペーンに参加しましょう。スイス、ジュネーブのWHOより」
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こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
現在、沖縄を推定発生地とする麻しん患者が報告されています。医療従事者は、麻しんを念頭においた診療に留意してください。
感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムの研修生の募集を5月から開始します。
また、当メールマガジン「感染症エクスプレス@厚労省」に関するアンケートへのご協力をよろしくお願いいたします。
5月4日(金)の本メールマガジンは休刊とさせていただき、5月11日(金)より通常配信いたします。
詳細は本メールマガジンをご覧ください。
引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
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トピックス
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◆感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムの研修生の募集を5月から開始します
感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムは、国内外で、感染症危機管理を実施するための能力を身に付けた専門家である感染症危機管理専門家(IDES: Infectious Disease Emergency Specialist)を養成するための厚生労働省のプログラムです。本プログラム研修生の採用募集を開始しました。
近年、国境を越えた往来の増加、都市の過密化、行動様式の多様化など、様々な要因により新型インフルエンザやエボラ出血熱、MERS、ジカウイルス感染症などの新興・再興感染症が出現し、人々の健康に対する世界的な脅威となっています。
こうした、国際的に脅威となる感染症に対する危機管理には、感染症に関する臨床経験や疫学知識のみならず、行政マネジメント能力、国際的な調整能力等、総合的な知識と能力が求められます。同時に、国民の生命と健康を新興・再興感染症から守るためには、こうした知識と能力を有する人材を継続的に育成し、国内外で活躍していただくことが不可欠です。
厚生労働省では、平成27年度から国際的に脅威となる感染症の危機管理対応で中心的な役割を担う将来のリーダーを育成するため、関係機関がネットワークをつくり、本プログラムを開設しました。
応募期間は5月1日〜6月30日(当日消印有効)です。詳細は採用案内をご覧下さい。
多くの医師の皆様の応募をお待ちしています。
<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内(5月1日更新予定)>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html
◆麻しんの報告が増えています
沖縄県で、海外からの渡航者を初発患者として麻しん患者が多数発生しました。
厚生労働省では、他の都道府県においても麻しんが発生する可能性を考慮し、また、ゴールデンウィークに旅行される方が増えることから、4月26日に各自治体、医療機関等に対して早期発見や院内感染防止等の注意喚起の事務連絡を発出しました。
医療従事者は、疑わしい症状の患者を診察する際に、予防接種歴、渡航歴等を確認し、麻しんを念頭においた診療と、感染防止策に留意してください。
<麻しん発生報告数の増加に伴う注意喚起について(協力依頼)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/180427_2.pdf
<麻しんについて>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/
◆ロタウイルス感染症の報告が増えています
2月後半よりロタウイルス感染症の報告数が増えています。ロタウイルス感染症は主に乳幼児の下痢症を引き起こすウイルス感染症であり、毎年3月〜4月を患者報告数のピークとして、5月頃まで流行が続きます。
下痢、嘔吐のために水分摂取できない乳幼児が入院することも少なくありません。ロタウイルスの感染経路は主に糞口感染であり、患者の排泄物中に多量のウイルス粒子が含まれているため、手洗い等とともに、オムツ等の適切な処理が感染防止の基本です。院内感染を防止するためにも、医療従事者は手洗いの徹底を心がけてください。
<ロタウイルスに関するQ&A>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/
<国立感染症研究所:ロタウイルス感染性胃腸炎とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html
◆2018年度「世界エイズデー」キャンペーンテーマを募集しています
厚生労働省と公益財団法人エイズ予防財団では、毎年12月1日の世界エイズデーに向けて、国内キャンペーンのテーマを設定しています。
多くの方にエイズについて考えて頂けるように、テーマを広く募集しています。
募集締切は、6月4日(月)です。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。
<2018年度「世界エイズデー」キャンペーンテーマについて>
http://api-net.jfap.or.jp/lot/2018camp_theme.html
◆当メールマガジン「感染症エクスプレス@厚労省」に関するアンケートにご協力ください
当メールマガジン「感染症エクスプレス@厚労省」に関するアンケートを実施しています。3分程度で記入できるアンケートです。
皆様に役立つ情報発信につなげるため、ご意見・ご感想などを聴かせてください。
アンケート期間は本日より5月31日迄です。
ぜひご協力くださいますようお願いいたします。
<アンケート開始はコチラ>
https://mhlw.asp.3mail.jp/enquete/
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審議会・研究会等
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◆第24回感染症部会を開催しました(2018年4月26日)
今回の感染症部会では、後天性免疫不全症候群及び梅毒の届出改正等についての審議が行われ、改正の方向性について了承されました。後天性免疫不全症候群については、HIVの早期診断の代替指標として、診断時のCD4陽性Tリンパ球数を届出事項に追加することになりました。梅毒については、2010年以降、報告数の増加が見られており、より詳細な疫学情報の収集が必要であることから、届出に妊娠の有無等の項目を追加することになりました。
また、インフルエンザに関する特定感染症予防指針の改正案について質疑を行い、了承されました。
<厚生科学審議会(感染症部会)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127717
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感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況
◆IDWR 2018年第15週(第15号)(2018年4月27日)
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点医療機関当たり報告数は増加しています。
また注目すべき感染症として麻しんを取り上げています。
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html
◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年4月27日)
全国の定点医療機関当たり報告数は1.76
2018年第16週(4月16日〜4月22日)のデータを公表しました。
全国の定点医療機関当たり報告数は1.76となり、前週の1.66よりも増加しました。
<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
◆IASR Vo.39, No.4 (No.458)(2018年4月)
特集は「麻疹2018年2月現在」です。
関連情報として各都道府県における麻疹のアウトブレイクや、海外の麻疹の状況を取り上げています。
<IASR(病原微生物検出情報 月報)2018年4月号>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html
■海外の感染症発生状況
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2018年4月20日〜2018年4月27日掲載)
2018年04月26日 マラリアの撲滅への高いレベルでの公約の維持−SEARO
http://www.forth.go.jp/topics/2018/04261216.html
2018年04月25日 世界マラリア・デー「Ready to beat malaria」−WHO
http://www.forth.go.jp/topics/2018/04250939.html
2018年04月24日 世界予防接種週間(ファクトファイル:予防接種10の事実)
http://www.forth.go.jp/topics/2018/04241146.html
2018年04月23日 ラッサ熱の流行− ナイジェリア(更新3)
http://www.forth.go.jp/topics/2018/04231323.html
2018年04月20日 麻しんの流行状況 −ヨーロッパ
http://www.forth.go.jp/topics/2018/04201102.html
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コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.18「5月5日『手指衛生の日』キャンペーンに参加しましょう。スイス、ジュネーブのWHOより」
(IDES養成プログラム2期生:斎藤 浩輝)
IDESプログラム2期の斎藤浩輝です。一年目は主に厚生労働省の結核感染症課で勤務の後、昨年度からスイスのジュネーブにあるWHO(World Health Organization:世界保健機関)に派遣されています。IPC-GU(Infection Prevention and Control Global Unit)という、主に感染予防・管理の部門に派遣されています。一年間の派遣はあっという間で、残り期間は早くも数ヶ月となりました。今回は私が現在取り組む仕事としてホットなWHOでの手指衛生キャンペーンに関してお伝えします。
この5月5日、WHOでは医療施設における「手指(しゅし)衛生の日」として啓発活動をしています。両手をパーに広げて5本指を立てて、「5」月「5」日ということです。
日本では、「帰ったらまず手洗い・うがいをしなさい」と、しつける文化が根付いているように思います。実は、医療施設では、手を綺麗にするとき、「Hand washing(手洗い)」と言わず「Hand hygiene(手指衛生)」と言うのが望ましいとされています。それは、なぜかご存じでしょうか?
いわゆる「Hand washing」だけでは現場の医療が成り立たない状況も考えられるのです。手指を衛生的に保つことを「Hand hygiene(手指衛生)」と言います。その方法として、石けんと水による「Hand washing」やアルコール製剤を用いた「Hand rubbing(手を擦ること)」などがあります。石けんと水による正しい「Hand washing」には1分程度かかると言われています。一方で、アルコール製剤を用いた「Hand rubbing」は20-30秒前後で、「Hand washing」の半分程度の時間で終わります。
WHOは医療現場で手指衛生を行うべきタイミングを5つ提示しています(“My 5 Moments” - http://www.who.int/infection-prevention/campaigns/clean-hands/5moments/en/)。
1.患者に接触する前
2.無菌操作をする前
3.体液暴露リスクの後
4.患者に接触した後
5.患者環境に触れた後
これだけ手指衛生を行うタイミングが多いということは、それだけ患者も、医療従事者も感染する、もしくは感染を広げる恐れのあるタイミングがあるということです。例えば、集中治療室(ICU)において1人の看護師が必要な手指衛生の回数は1時間に50回を超える事もあります。そのような状況で1分程度かかる「Hand washing」をしていたら、患者ケアの時間は数分しか残りません。したがって、石けんと水による「Hand washing」だけではなく、アルコール製剤を用いた「Hand rubbing」と組み合わせることが大切であることはお分かりになると思います。
昨今の薬剤耐性対策においても、数年前の西アフリカでのエボラ感染症対策時でも、WHOやCDC(アメリカ疾病予防管理センター)は「Hand washing」のみならず「Hand rubbing」が有効であることを啓発しています。そのどちらも含めた総称が医療現場における「Hand hygiene」です。「Hand hygiene」は、有時、平時に関わらず、医療現場で普遍的に行われるべき基本的行為で、かつ、非常に重要な事柄なのです。
今年のキャンペーンのスローガンは“It’s in your hands − prevent sepsis in health care”です。Sepsis(敗血症)はICUの病気と思っていませんか?もしそのように思っている方がいらっしゃったら、改めた方がよいかも知れません。世界中で年間3,000万人もの人が敗血症を発症していると言われ、決してICUだけの病気ではないのです。例えば、敗血症以外を理由に入院したにも関わらず、医療従事者が不衛生な手指で患者に処置をしたために、患者が敗血症を引き起こすケースもあります。ですから、今回のスローガン「あたなの手、あなた次第で、医療施設における敗血症は防げます」ということになるのです。
今回のキャンペーンでは、世界中の組織・医療施設と連携をしています。ハッシュタグで「#HandHygiene」「#Sepsis」と記載し、ツイートして、世界中でリツイートしたり、皆さんのセルフィーをアップするソーシャルメディアでの活動もあります。皆さんの医療施設は同キャンペーンに登録されましたか?驚いたことに、世界中に2万以上登録施設があるなかで、な、なんと日本は、たった53施設しか登録していません。私としては、日本の医療機関の皆さまにも積極的に参加していただきたいと思っています。
興味を持たれた方は是非WHOのサイトをのぞいてみてください。皆さんの医療施設もご登録いただき、日本からの問い合わせもぜひお待ちしております。
<WHOサイト>
http://www.who.int/infection-prevention/campaigns/clean-hands/en/
<WHO医療施設登録ページ>
http://www.who.int/infection-prevention/campaigns/clean-hands/register/en/
敗血症と縁の深い、薬剤耐性問題に取り組むAMR臨床リファレンスセンターも関連組織と連携して本キャンペーンの日本語訳ポスター作成等にご尽力いただいています。
http://amr.ncgm.go.jp/medics/2-7.html
私たちの身の周りには、微生物がたくさん存在します。日々の中で、微生物と共存しているという側面もあります。一方で、血管内など誤った場所に入れば、人体に害を及ぼすこともあります。
私たちの日常生活で、最も微生物を運びうる部位で言うと「手指」になります。食べ物を食べるのも「手」ですし、お尻を拭くのも「手」です。大切なことは、様々な場所に触れる手指を衛生的に保つことです。当たり前かも知れませんが、重要なことなので、申し上げます。そのための一つの方法が、「hand washing」 や「hand rubbing」 である「hand hygiene(手指衛生)」です。このキャンペーンが、皆さんの健康につながると切に願っています。
●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で3年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。
<感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ides/index.html
<「感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラム」採用案内(5月1日更新予定)>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html
<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
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<コラム バックナンバー>
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