感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2018-03-30

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.340(2018年3月30日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【トピックス】
 ◆ロタウイルス感染症の報告が増えています

【審議会・研究会等】
 ◆エイズ動向委員会を開催しました(2018年3月16日)
 ◆「新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第2回公衆衛生対策作業班会議」を開催しました(2018年3月23日)

【感染症発生情報】
 ◆IDWR 2018年第11週(第11号)(2018年3月30日)
 ◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年3月30日)
 全国の定点医療機関当たり報告数5.35
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2018年3月23日〜2018年3月30日掲載)

【コラムコーナー】
 ◆IDESコラム vol.16「春は異動の季節、われわれIDES3期生も、海外に飛び立ちます」

【お詫び】
 ◆3月23日配信メールマガジンの添付資料について

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。

 3月23日に「新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第2回公衆衛生対策作業班会議」を開催しました。
 新年度を控え、新たな職場など、新しい環境に移る方もいらっしゃるかと存じます。皆さまのご健康とご健勝をお祈り致します。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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 トピックス
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◆ロタウイルス感染症の報告が増えています

 2月後半よりロタウイルス感染症の報告数が増えています。ロタウイルス感染症は主に乳幼児の下痢症を引き起こすウイルス感染症であり、毎年3月〜4月を患者報告数のピークとして、5月頃まで流行が続きます。
 下痢、嘔吐のために水分摂取できない乳幼児が入院することも少なくありません。ロタウイルスの感染経路は主に糞口感染であり、患者の排泄物中に多量のウイルス粒子が含まれているため、手洗い等とともに、オムツ等の適切な処理が感染防止の基本です。院内感染を防止するためにも、医療従事者は手洗いの徹底を心がけてください。

<ロタウイルスに関するQ&A>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/
<国立感染症研究所:ロタウイルス感染性胃腸炎とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html

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 審議会・研究会等
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◆エイズ動向委員会を開催しました(2018年3月16日)

 3月16日に第150回エイズ動向委員会を開催しました。
 平成29年第3・4四半期及び平成29年年間報告の速報値を発表しました。
 平成29年年間報告の速報値では、新規HIV感染者報告数は992件、新規エイズ患者報告数は415件、合計は1,407件と、速報値ではありますが前年より減少しました。

 新規HIV感染者・エイズ患者報告数に占めるエイズ患者報告数の割合は、約3割のまま推移しています。早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつきます。自治体や医療機関の皆様におかれましては、HIV/エイズの予防啓発や検査に関する情報提供など、引き続きご協力をお願いします。

<エイズ予防情報ネット:エイズ動向委員会資料>
http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html


◆「新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第2回公衆衛生対策作業班会議」を開催しました(2018年3月23日)

 3月23日に「新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第2回公衆衛生対策作業班会議」を開催しました。
 新型インフルエンザにおける予防接種に関する課題、住民接種に係る接種要領作成における今後の論点について、議論されました。
 新型インフルエンザにおける予防接種に関する課題では、ワクチン製造株の迅速に開発するための方策などの製造体制に関する課題は今後ワクチン作業班等で、住民接種の接種体制や流通体制などの接種体制に関する課題は公衆衛生対策作業班で、議論することが了承されました。
 住民接種に係る接種要領作成における今後の論点については、住民接種実施要領を平成30年度内に作成するための論点を整理し、接種体制や流通で必要となる住民接種における接種順位毎の市町村、都道府県の概数の算出方法について、了承されました。

<厚生科学審議会 (新型インフルエンザ対策に関する小委員会)>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=263447


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 感染症発生情報
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2018年第11週(第11号)(2018年3月30日)

 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点医療機関当たり報告数は2週連続で増加しました。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2018.html


◆インフルエンザの発生状況を公表しました(2018年3月30日)
 全国の定点医療機関当たり報告数5.35

 2018年第12週(3月19日〜3月25日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は5.35で、前週の8.65から減少しました。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2018年3月23日〜2018年3月30日掲載)

2018年03月28日 リステリア症を予防するために−WHO/AFRO
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03281155.html
2018年03月28日 麻しん(ファクト・ファイル)
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03281008.html
2018年03月27日 季節性インフルエンザA(H1N2)への感染−オランダ
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03271152.html
2018年03月26日 ラッサ熱の流行− ナイジェリア(更新2)
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03261156.html
2018年03月23日 この10年での結核の減少−WHO西太平洋地域
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03231406.html
2018年03月23日 ジフテリアの発生状況− イエメン
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03231359.html
2018年03月23日 黄熱の発生状況−アメリカ大陸(更新2)
http://www.forth.go.jp/topics/2018/03231038.html

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 コラムコーナー
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◆IDESコラム vol.16「春は異動の季節、われわれIDES3期生も、海外に飛び立ちます」
 (IDES養成プログラム 3期生:西島 健)

 東京では桜が満開です。先日仕事中の移動でバスに乗ったら、今期初めてゆっくりと桜を眺めることができました。たまには電車でなくバスもよいものですね。

 さて、桜の季節は別れと出会いの季節でもあります。新たな職場や学校など、新しい環境に移る方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 この4月以降、われわれ4人は、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)、イギリスのイングランド公衆衛生庁(PHE)、世界保健機関本部(WHO)、そしてフィリピン世界保健機関西太平洋事務局(WPRO)にそれぞれ赴任します。

 私西島は、フィリピンへの派遣が決まりました。これまでのIDESの中で、初めてのアジアの国への派遣になります。海外生活も、学生以来のこととなり、何を準備すればよいかよくわからないままにあわただしく過ごしています。
 そんなときに、一つ大事なことを思い出しました。

 「そうだ、ワクチン打とう。」

 海外に行くときは、自分がワクチンでしっかり守られているかどうかを確認する良い機会です。それは、先進国でも途上国でも、どこの国に行く場合も当てはまることをお忘れなく。昨年、ヨーロッパで麻しんが流行したことも記憶に新しいところです。

 まずは、自身のワクチン歴を振り返りましょう。記憶に頼ると間違うこともあるので、母子健康手帳やワクチン接種記録など、紙に記録したものを確認できると安心です。海外に行く際は、定期接種で打つことになっているワクチンに漏れがないかも確認しましょう。

私39歳男性のワクチン歴は、以下でした。
○以前病院に入職した際に、麻しん、風しん、水痘の抗体価が十分にあることを確認。流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の抗体は微妙な抗体価。
○医療従事者なのでB型肝炎ワクチンは3回接種し、抗体価が十分にあることを確認。
○黄熱ワクチンは以前アフリカに行った際に接種し、イエローカードも手元にあることを確認。
○A型肝炎は20年前メキシコに行った際に一度だけ接種。

 そして、赴任地であるフィリピンに行く際に、打っておくべきワクチンを確認します。厚生労働省(厚生労働省検疫所 FORTH)や外務省のウェブサイトで調べ、それに加えて、アメリカのCDCのサイトも確認しました。

フィリピンに行く際に推奨されるワクチンは、
FORTHのウェブサイトによると、
○A型肝炎
○B型肝炎
○日本脳炎
○狂犬病
○破傷風

アメリカのCDCのウェブサイトによると、
○A型肝炎
○B型肝炎
○日本脳炎
○狂犬病
○腸チフス

でした。2つのウェブサイトは、ほぼ同じワクチンを勧めています。
(※腸チフスワクチンは本邦未承認のワクチンです)

その他、私が打つべきワクチンとして、
○流行性耳下腺炎やフィリピンで流行しているジフテリアは打っておくべきだろう。
○麻しん・風しんの抗体価は十分あるが、自分の年代から考えてそれらのワクチンを2回はおそらく接種していないため、もう一度打っておいた方がよいか。
 と考えました。

 以上を踏まえると、私が打っておくべきワクチンは、A型肝炎、日本脳炎、狂犬病、破傷風、流行性耳下腺炎、ジフテリア、(腸チフス)でしょうか。狂犬病は複数回の接種が必要で、渡航までに間に合わないのでフィリピンで打つことにして、残りのワクチンのうちどれを打つかは、トラベルクリニックの先生と相談しようと思います。

 私がワクチンを打ちに受診するタイミングは渡航直前となってしまいそうですが、間隔を空けて複数回打つ必要があるワクチンもあるため、本当は渡航の数か月前に受診することが望ましいんですよね・・・皆さま、ワクチン接種はどうか計画的に。

 われわれIDES3期生にとっては、この時期は、ワクチン接種歴だけでなく、厚生労働省などの行政機関での日々も振り返る時期になります。この一年間行政の世界に飛び込み、この世界の厳しさと面白さを垣間見ました。これまでの臨床・研究とは全く違う世界で戸惑うことも多かったですが、世の中で起こっていることがすぐ仕事に跳ね返ってきたり、行政のダイナミックさを時折経験できたり、何よりも真摯にこの仕事に打ち込んでいる上司同僚や、この仕事につかなければ会うことができなかったような方々に会えたことは、大きな財産になりました。周りの方々に温かく支えていただいたことに感謝し、4月から海外に赴任します。

 われわれIDES3期生で書きつないできたこのコラムも、今回で一旦の区切りを迎えます。
 次回からは、海外赴任をそろそろ終えようとしている、われわれの先輩IDES2期生5名によるコラムが始まる予定です。どうぞお楽しみに。

●当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
●IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で2年前の平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/
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<コラム バックナンバー>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116724.html

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 お詫び
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◆3月23日配信メールマガジンの添付資料について

先週3月23日に配信したメールマガジンに意図せず「(省略)」という資料が添付されました。
こちらは、悪意のあるウイルスではございません。ご心配おかけしたことをお詫びいたします。

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