感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2017-06-30

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.303(2017年6月30日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
▼トピックス▼
 ◆手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱が増加しています
▼感染症発生情報▼
 ◆IDWR 2017年第24週(第24号)(2017年6月30日)
 ◆IASR  Vo.38, No.6 (No.448)(2017年6月)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2017年6月23日〜2017年6月30日掲載)
▼編集室より▼
 ◆「あさコラム」vol.60「高山さんと大沢くん」
   浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
  
 手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱の報告数は引き続き増加していま
す。医療従事者の皆様におかれましては、感染予防の注意喚起にご協力をお
願いいたします。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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▼トピックス▼
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◆手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱が増加しています

 いわゆる"夏風邪"の原因に、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱の3つ
があります。
 ワクチンはなく、ウイルス性ですので抗菌薬は効きません。そのため、感
染予防には、感染者との濃厚な接触・タオルの共有を避け、手洗い・うがい
を徹底しましょう。

●手足口病
 手足口病は、主にコクサッキーA型ウイルス、エンテロウイルスによる感染
症の一つです。その名の通り手や足、口(口の中、唇)に小さな水疱ができ
る病気です。主に子どもの病気ですが、特に乳児では経口摂取できなくなっ
た結果、脱水症に陥ることや、ときに髄膜炎を引き起こし、稀ですが脳炎や
新生児での心筋炎など重症化することもあります。複数のウイルス型が存在
するため、何度もかかることがあります。

<感染症法に基づく医師の届出について 〜手足口病〜>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-20.html
<国立感染症研究所 手足口病とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/hfmd.html

●ヘルパンギーナ
 ヘルパンギーナの名前の由来は主に乳幼児が罹患する、主にコクサッキー
A型ウイルスによる感染症です。
 ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症
(アンギーナ)」であり、その名の通り、熱と口腔粘膜に水疱性の発疹があ
らわれることを特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。
 小児では発熱時に熱性けいれんを伴うこともあります。また、特に乳児で
は経口摂取が不良となった結果、脱水症に陥ることがあり、まれですが髄膜
炎や心筋炎などを起こして重症化することもあります。

<感染症法に基づく医師の届出について 〜ヘルパンギーナ〜>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-25.html
<国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは> 
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html

●咽頭結膜熱
 咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる発熱、咽頭炎、結膜炎などをおこす
子どもに多い急性ウイルス性感染症です。以前はプールを介して感染するこ
ともあったことからプール熱とも呼ばれました。咽頭結膜熱は毎年夏に流行
しますが、報告数は引き続き増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多
くなっています。
<咽頭結膜熱について>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html
<国立感染症研究所:咽頭結膜熱とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/adeno-pfc.html

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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2017年第24週(第24号)(2017年6月30日)

 感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較して
やや多くなっています。
 また、咽頭結膜熱の定点当たり報告数は横ばいでしたが、過去5年間の同時
期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多くなっています。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2017.html


◆IASR  Vo.38, No.6 (No.448)(2017年6月)

 特集は「つつが虫病・日本紅斑熱」です。
「秋田県のつつが虫病患者発生状況(2007〜2016年)」や
「千葉県における日本紅斑熱」、「2016年のつつが虫病患者の多発」
等の記事を特集として取り上げています。
また、その他国内事例として、「小学生および成人の筋痛症事例からの
ヒトパレコウイルス3型の検出」等の記事を掲載しております。

IASR(病原微生物検出情報 月報)2017年6月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2017年6月23日〜2017年6月30日掲載)
2017年06月29日 ヨーロッパにおける麻しんの流行 (更新5)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06291039.html
2017年06月28日 コレラ流行の再興− イエメン (更新5)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06280950.html
2017年06月27日 イエメンのコレラ流行に対する共同声明
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06271033.html
2017年06月26日 ワクチン由来ポリオの発生− コンゴ民主共和国
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06261427.html
2017年06月26日 デング熱の流行の発生− モーリタニア
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06261205.html
2017年06月23日 コレラ流行の発生− タンザニア
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06230948.html

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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.60「高山さんと大沢くん」

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
 
 危機管理的な意味合いもあって、日頃、私はラジオを聴きながら通勤して
いるのですが、昨年からとっても気になっているラジオCMがあります。
 それは「高山さんと大沢くん」。
 あ〜、あれね!と気がつかれた方は、感染症的には相当ツウな方です。
 
 ある西日本の自然豊かな地方都市(おそらく…)で、多感でおませな女子
中学生の高山さんと純真無垢な男子中学生の大沢くんが主人公のCM。
 虫よけ・蚊よけや殺虫剤を題材に、思春期のちょっと甘酸っぱい、ドキド
キ感が満載のショートストーリーになっています。
 
 農家でお姉さんがいる高山さんが、純情な大沢くんをからかっているのか、
それとも本気でアプローチしているのか、昨年から二人の関係がとても気に
なっていました。
 虫よけや殺虫剤のラジオCMということもあり、昨年は夏の蚊の発生時期が
過ぎた後に、このCMが終了してしまいましたが、今春に入って何と続編がス
タート!
 高校受験を控えた二人の前に、クラスメートの後藤くんや教育実習生のタ
ムラ先生が登場し、人間関係がますます複雑になったラジオCMが現在放送中
です。
 
 ちなみに、高山さんの声優さんは16歳の野田琴乃さん、大沢くんの声優さ
んは14歳の山隈祐太郎さん。
 子役としても活躍中の二人が等身大で演じているため、このCMの会話、妙
にリアリティがあるのです。
  
 さて、除虫剤の原点たる蚊取り線香は、除虫菊(和名:シロバナムシヨケ
ギク)というキク科の多年草が原材料となっていました。
 除虫菊は地中海を原産地とした植物ですが、この花には殺虫成分である
「ピレトリン」が含まれており、古くから花に殺虫効果があることが知られ
ていたそうです。

 わが国では明治19年(1886年)、米国のH.E.アモア氏から除虫菊の種子を
贈られた上山英一郎氏が、和歌山県や瀬戸内地方で除虫菊を栽培し、それを
原材料とした蚊取り線香を発明したそうです。
 現在は、殺虫成分の化合物が別の化合物になったことから、除虫菊の栽培
は蚊取り線香の原料としては終了していますが、今から約130年も前から、
蚊の退治は日常生活に溶け込んでいたのです。

 そういう歴史もあり、わが国では生活の中において、蚊に警戒し、対処し
てきた歴史があります。
 「日本の夏は、蚊取り線香の夏」でしたが、家屋からマンションに生活の
場が変わり、蚊取り線香が電子蚊取り器に変わっても、この歴史は大事にし
ないとなりません。
 最近は匂いに配慮した除虫剤や蚊取り器もありますので、ご近所を気にす
る方々でも、気兼ねなく蚊を退治できます。
 
 夏の蚊対策への取り組みは、今からが本番。
 デング熱やジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症を流行らせないために
は、事が起こる前に蚊を叩く。
 高山さんや大沢くんを見習って、日ごろからの蚊除け、蚊の退治、幼虫
(ボウフラ)対策のため不要な空き缶や古タイヤを片付けて、たまり水を防
ぐなど、地域をあげて取り組んで欲しいと願っています。
 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

<本コラムの感想、ご質問、ご要望など>
http://kansenshomerumaga.mhlw.go.jp/
<あさコラム バックナンバー>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116724.html

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