感染症エクスプレス@厚労省
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メールマガジンのバックナンバーです。

2017-06-09

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.300(2017年6月9日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
▼トピックス▼
 ◆薬剤耐性(AMR)対策の普及啓発イベントが開催されます
 ◆咽頭結膜熱が急増しています
▼審議会・研究会等▼
 ◆第9回新型インフルエンザ対策に関する小委員会を開催しました(2017年5月29日)
▼感染症発生情報▼
 ◆IDWR 2017年第21週(第21号)(2017年6月9日)
 ◆全国の定点医療機関当たり報告数は0.42〜インフルエンザの発生状況を
  公表しました(2017年6月9日)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2017年6月2日〜2017年6月9日掲載)
▼編集室より▼
 ◆「あさコラム」vol.57「ベストセラー」
   浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします

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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
  
 2011年6月よりスタートした『感染症エクスプレス@厚労省』は、本日で
300回目の配信となります。 
 今後ともご愛読のほどよろしくお願いいたします。

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▼トピックス▼
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◆薬剤耐性(AMR)対策の普及啓発イベントが開催されます

 第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰の表彰事例が決定したことに
伴い、6月26日に表彰式が行われます。
 表彰式に先立って、「薬剤耐性へらそう!」応援大使のJOYさん、篠田
麻里子さんによるトークイベントも予定されています。参加を希望される場
合は下記のWEBサイトからお申し込み下さい。

<薬剤耐性(AMR)対策に係る普及啓発イベントの開催について>
http://www.cas.go.jp/jp/houdou/170607-2amr.html
<【報道発表資料】第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰>
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000167304.html


◆咽頭結膜熱が急増しています

 咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる発熱、咽頭炎、結膜炎などをおこす
子供に多い急性ウイルス性感染症です。以前はプールを介して感染すること
もあったことからプール熱とも呼ばれます。咽頭結膜熱は毎年夏に流行しま
すが、今年は全国的に報告が多くなっています。
 予防のために、十分な手洗いを行い、タオルの共有は避けましょう。

<咽頭結膜熱について>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html
<国立感染症研究所:咽頭結膜熱とは>
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/adeno-pfc.html


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▼審議会・研究会等▼
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◆第9回新型インフルエンザ対策に関する小委員会を開催しました(2017年5月29日)

 5月29日に「第9回新型インフルエンザ対策に関する小委員会」が開催され、
新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄につい
て審議されました。
 研究班より、重症患者に対する抗インフルエンザウイルス薬投与に関する
論文の精査の結果について、参考人を招いて質疑が行われました。
 小委員会では、研究班の報告で得られた知見をふまえて、今後の備蓄方針
を検討すべきことを、感染症部会に報告することになりました。

<第9回新型インフルエンザ対策に関する小委員会>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000166173.html

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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2017年第21週(第21号)(2017年6月9日)

 咽頭結膜熱の定点医療機関当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比
較してかなり多くなっています。
 また、手足口病の定点医療機関当たり報告数は第13週以降増加が続いてい
ます。

<IDWR 感染症発生動向調査週報>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2017.html


◆全国の定点医療機関当たり報告数は0.42〜インフルエンザの発生状況を公表
 しました(2017年6月9日)

 2017年第21週(5月29日〜6月4日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は0.42となり、前週の0.68から減少しまし
た。

 なお、今シーズンのインフルエンザ発生状況の定期的な公表は、今週で終了
します。
 来シーズン(2017/2018シーズン)の公表は、今年9月からの開始を予定して
います。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2017年6月2日〜2017年6月9日掲載)
2017年06月08日 A型肝炎への注意の呼びかけ −欧州、アメリカ大陸
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06081148.html
2017年06月07日 デング熱の発生状況− コートジボワール
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06071400.html
2017年06月07日 中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の発生報告(更新8)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06071040.html
2017年06月06日 チフス流行の発生− ザンビア
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06061015.html
2017年06月05日 エボラ出血熱の発生− コンゴ民主共和国(更新2)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06051337.html
2017年06月05日 ヨーロッパにおける麻しんの流行 (更新2)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06050928.html
2017年06月02日 媒介昆虫を管理する新しい対策
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06021554.html
2017年06月02日 AIDS対策の強化− 西アフリカ、中央アフリカ
http://www.forth.go.jp/topics/2017/06021128.html

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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.57「ベストセラー」

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。

 最近、小学生の間の大ベストセラーとなっている「うんこ漢字ドリル」。
 皆さんの周りにも、既にこのドリルに取り組んでいるお子さんがいるかも
知れません。

 「うんこ漢字ドリル」は、小学1年生〜6年生の各学年毎の漢字学習ドリル
で、今年3月に文響社さんから発売されました。
 累計発行部数は5月30日現在で227万8千部と、既に200万部を突破。
 この手の学習本は「数千部程度、売れれば良し」という世界だそうですの
で、驚愕のヒット作です。

 首都圏の通勤電車内の広告でもPRされていましたが、ドリルで取り上げた
3,018例文のすべてに「うんこ」を使用することに成功!
 子どもたちが笑いながら、漢字の書き取りができるというのが、ウリだそ
うです。
 親御さんからは「下品だ」との意見もある一方で、「これで子どもが楽し
く漢字が覚えてくれるなら良いのではないか」との意見もあり、賛否両論。
 しかし、例文に加え、ドリルのキャラクターであるうんこ先生のシュール
な漢字解説を読むと大人でも吹き出してしまうほど、よく練られたものにな
っています。
 「うんこ」という言葉の威力の強烈さを、改めて思っています。

 この「うんこ」、感染症の世界では、診断や病原体を把握するための検体
として活躍します。

 成人の細菌による急性下痢症は自然軽快するものが多いため、軽症例を含
めた急性下痢症の患者全員に検査を行い、原因微生物を特定する意義は小さ
いとされています。
 その一方で、中等症〜重症例や、長引く下痢、抗菌薬を投与する症例等で
は、適切な治療を行うため、海外渡航歴や摂食歴を確認するとともに、細菌
やウイルスなどの原因微生物の検出を目的として便培養検査を行うことが望
ましいことも指摘されています。

 小児でも便培養検査を急ぐ必要のある症例は少なく、検査の適応となる症
例としては、細菌性腸炎が疑われる症例で激しい腹痛や血便を呈する場合、
腸管出血性大腸菌から溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome;HUS)
が疑われる場合、免疫不全者の場合などが挙げられます。

 また、ノロウイルスについては、便の迅速抗原検査が保険収載されてはい
ますが、その流行期に典型的な急性下痢症の患者全員に対して迅速抗原検査
を行うことは、検査が陰性でもノロウイルス感染症の可能性も否定できない
ため、意義は低いと考えられています。
 なお、感染対策の観点からは、原因は問わず、吐物や排泄物は感染性があ
るものとして対処することが重要ですので、この迅速抗原検査が陰性といっ
ても、感染対策が疎かになることは避けなければなりません。

 いずれにしましても、下痢の場合は、脱水にならないように水分をしっか
りとることが一番大事。
 少量、こまめな水分摂取を心がけることが肝要です。

 このたび、新進気鋭の感染症専門の先生方のご指導を仰ぎ、AMR(薬剤耐性)
対策の一環として「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」を結核感染症課か
ら発行いたしました。

 この手引き第一版では、まずは臨床現場における患者数が多い「急性気道感
染症」と「急性下痢症」を取り上げ、疫学、診断方法及び鑑別疾患、治療方法
や患者様・ご家族への説明などについて、根拠文献等に基づき、具体的事例や
判断に役立つ表などを記載しています。

 「抗微生物薬適正使用」とすると、抗微生物薬の処方は「悪いこと」である
との誤解を生じるのではないかとのご指摘もありましたが、必要がある場合に
は抗微生物薬の処方をして頂くためにも、この手引きを参考にしていただけれ
ば適切な診療の助けとなるようにとのコンセプトで、作成されたものです。
 加えて、上記のような便培養検査の考え方などについても、記載がされてい
ます。

 今後は、専門家の先生方のご支援を仰ぎながら、「抗微生物薬適正使用の手
引き」の第二版、第三版と作成していくとともに、白衣のポケットに入るサ
イズの手引きのダイジェスト版の発行、病院や福祉施設等における感染防御の
推進、ワクチン接種などによる感染症流行予防の推進、適切な感染症診断の
推進、サーベイランスの充実、抗微生物薬の研究開発の推進、国民の皆様や
医療従事者の皆様への普及啓発なども併せて取り組み、国立感染症研究所や
国立国際医療研究センターAMR臨床リファレンスセンター(AMRCRC)などの
ご協力を得ながら、AMR対策を進めてまいりたいと考えています。

 この「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」が感染症対策・AMR対策のベス
トセラーとなるように、私たちもより一層の「ベン強」していきたいと思います。
 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。


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