感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2017-03-03

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.287(2017年3月3日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
▼トピックス▼
 ◆公開シンポジウム「新興感染症と向き合う最新の研究と市民の対策」を3月
  10日に開催します(主催:内閣官房)
 ◆春の訪れ、マダニなどによる感染症に注意!
▼審議会・研究会等▼
 ◆第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を開催
  しました(2017年2月27日)
▼感染症発生情報▼
 ◆IDWR 2017年第7週(第7号)(2017年3月3日)
 ◆全国の定点医療機関当たり報告数は16.87〜インフルエンザの発生状況
  を公表しました(2017年3月3日)
 ◆IASR  Vo.38, No.2 (No.444)(2017年2月)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2017年2月24日〜2017年3月3日掲載)
▼編集室より▼
 ◆「あさコラム」vol.44「八重山熱」
   浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
 
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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
  
 3月10日に内閣官房主催の公開シンポジウム「新興感染症と向き合う最新
の研究と市民の対策」が開催されます。
 また、2月27日に第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応
検討部会を開催しました。
 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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▼トピックス▼
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◆公開シンポジウム「新興感染症と向き合う最新の研究と市民の対策」を3月
 10日に開催します(主催:内閣官房)

 新型インフルエンザを中心に新興・再興感染症の最新の研究動向・成果を、
第一線の研究者等を招いて、分かりやすく紹介するとともに、様々な観点か
ら、対策の将来像を議論します。
 これにより、新型インフルエンザを含む新興・再興感染症への意識を高め
ることを目指します。さらに、日本におけるウイルス研究や医薬品・診断法
の開発等の重要性について、国民の皆さまに関心を持っていただくことで、
将来、新興・再興感染症が発生した場合のわが国全体の対応力を強化するこ
とを目的としています。
 参加は事前登録となっております。以下URLからお申し込みください。

<公開シンポジウム概要>
https://co-meid-cas.go.jp/ev/sy0310/


◆春の訪れ、マダニなどによる感染症に注意!

 明後日3月5日(日)が何の日か皆様ご存知でしょうか?答えは「啓蟄(け
いちつ)」です。
 初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれませんが、啓蟄とは、冬籠
りしていた虫が土の中から這い出てくる頃を指し、2017年では3月5日が啓蟄
にあたります。
 春の訪れを感じ、虫や動物の活動が活発になり、人も野外での活動が多く
なることから、マダニなどが媒介する感染症のリスクも高まりますので、注
意が必要となります。
 草むらや藪などに入る場合には、長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴を履
く等、肌の露出を少なくし、虫除け剤を使用するなど効果的な対策を自ら取
ることが重要となります。
「春感じ 虫や動物 もぞもぞと 草むら藪で ダニ注意」

<動物由来感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/index.html


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▼審議会・研究会等▼
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◆第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を開催し
 ました(2017年2月27日)

 2月27日に第25回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を薬事・食品衛
生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と合同で開催しました。
 今回は、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、A型肝炎、23価肺炎球菌、
インフルエンザの各ワクチンについて、平成28年11月末までの副反応疑い報
告を基に審議が行われ、これまでの報告において各ワクチンの安全性に重大
な懸念は認められないと評価されました。

<第25回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000153074.html


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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2017年第7週(第7号)(2017年3月3日)
 流行性耳下腺炎の定点医療機関当たり報告数は増加し、過去5年間の同時
期と比較してやや多くなっています。
 また、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、
手足口病、伝染性紅斑、感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点医療機
関当たり報告数は増加しました。
 その他、RSウイルス感染症の報告数は増加しました。
 
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2017.html


◆全国の定点医療機関当たり報告数は16.87〜インフルエンザの発生状況
 を公表しました(2017年3月3日)

 2017年第8週(2月20日〜2月26日)のデータを公表しました。
 全国の定点医療機関当たり報告数は16.87となり、前週の23.92よりも減少しました。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


◆IASR  Vo.38, No.2 (No.444)(2017年2月)

 特集は「百日咳  2017年1月現在」です。
「富山県における小学生を中心とした百日咳の流行」や、
「長野県木曽郡内での百日咳集団発生事例に関する報告」、
「東京都文京区における百日咳の発生状況調査、2016年」
等の記事があります。

IASR(病原微生物検出情報 月報)2017年2月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
 (2017年2月24日〜2017年3月3日掲載)
2017年03月01日 アンゴラ及びコンゴ民主共和国における黄熱の流行の終息
http://www.forth.go.jp/topics/2017/03011202.html
2017年02月28日 チクングニア熱の発生報告− パキスタン
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02281149.html
2017年02月28日 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新5)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02281139.html
2017年02月28日 コレラの発生状況− イエメン(更新)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02281137.html
2017年02月27日 コレラの発生状況−アメリカ大陸
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02271319.html
2017年02月27日 黄熱の発生報告 − ブラジル(更新2)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02271138.html
2017年02月24日 アメリカ大陸の黄熱の発生状況(更新5)
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02241340.html
2017年02月24日 髄膜炎菌感染症の発生報告−トーゴ
http://www.forth.go.jp/topics/2017/02241329.html

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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.44「八重山熱」

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。

 コラムの感想メールをいただいております。誠にありがとうございます。
 直接お返事はお出しはしてませんが、連載の励みになります。
 これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、私は平成29年(2017年)3月3日(金)、4日(土) に開催される「第4
回日経アジア感染症会議」の討議者として参加するため、このメルマガ発信
日には沖縄県におります。
 日経アジア感染症会議とは、グローバル経済の発展にともない、感染症リ
スクへの対応は一国にとどまらず、国際社会全体にとって看過できない喫緊
の課題となっていることから、国内外より感染症対策に関連する行政機関・
団体・学会など、産官学すべてのステークホルダーが一堂に会し、具体的か
つ実効性のあるアクションプランを提案するという会議です。
 日本経済新聞社が主催する年に一度の会議で、厚生労働省も後援しており
ます。

 今回の会議の目玉の1つは、昨年発足した「マラリアコンソーシアム」。
 近年、わが国で確認されるマラリア感染者は、外国で感染したいわゆる輸
入感染例ばかりですが、日本発の診断・治療・予防技術を、官民パートナー
シップ(public–private partnership (PPP))でグローバルに提供できるよ
う、このコンソーシアムが土台となり、検討に取り組んでいるところです。
 世界規模で課題となっている感染症のひとつのマラリアですが、今回の会
議で大きく取り上げることについては、個人的に感慨深いものがあります。
 というのも、会場となる沖縄県には、かつてマラリアが生息した地域があ
るからです。

 沖縄本島の南400km、石垣島や西表島などの八重山群島には、古くからマ
ラリアが生息しており、「八重山熱」という風土病として恐れられていまし
た。
 明治27年(1894年)、帝国大学医科大学の三浦守治教授は、明治政府の命
をうけて、三角恂助手らとともに八重山の風土病調査を行い、その結果が翌
年の明治28年(1895年)に「八重山群島風土病研究調査報告」としてとりま
とめられました。
 この調査の結果、この風土病がマラリアであることが判明、その後、住民
に治療薬キニーネが配布されるなどの対策が取られましたが、契機となった
のは大正10年(1921年)。
 「マラリア予防班設置規則」に基づき、マラリア予防班事務所が八重山島
庁内に設置され、翌年から、有病地域での定期採血や治療の推進、蚊帳の使
用や除草などの防あつ作業が始まりました。

 こうして、少しずつマラリアの感染が抑えられてきましたが、転機になっ
たのは第二次世界大戦時の昭和20年(1945年)。
 当時の軍部の命令により、マラリアが蔓延していた山間部や西表島等へ住
民の疎開が強制的に行なわれた結果、人口の半数を上回る17,000人がマラリ
アに罹患、およそ3,600人の住民が生命を落としました。
 沖縄本島周辺で非常に激しい戦闘が行われましたが、当時の八重山では島
民の皆さんの尊い生命を数多く奪ったのは、実は戦闘ではなくマラリアだっ
たのです。
 これは「戦争マラリア」と称される、悲劇的なアウトブレイクでした。

 終戦後、進駐・統治した米軍政府の支援のもと「八重山民政府衛生部」が
設置され、戦前から地元で活躍する吉野高善医師や大浜信賢医師、防疫監吏
の黒島直規氏らが衛生部に参画。
 アテプリンという治療薬によるマラリア治療の推進や蚊の分布調査などに
取り組み、マラリア根絶に貢献されました。
 このマラリア撲滅活動は八重山群島で確実に奏効し、昭和36年(1961年)
の西表島での感染を最後に終息しました。
 ちなみに、大浜医師はマラリアを媒介する新種の蚊を発見、新種蚊は「オ
オハマハマダラカ」と命名されました。

 沖縄の地において、アジアにおけるマラリア対策について官民共同の貢献
を考える場に臨むためにも、わが国のマラリア対策の歴史を学んでおきたい
と思い、今回、八重山群島を中心に調べてみました。
 三浦教授や高野医師、大浜医師、黒島氏らが取り組んだ堅実な対策とマラ
リア撲滅への想いを、21世紀の今、日本発アジアで展開できるように、「第
4回日経アジア感染症会議」では熱く議論をしてきます。

 ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。
 (※琉球方言で「よろしくお願いいたします」)

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