感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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>>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.274(2016年11月25日)
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▼トピックス▼
◆性感染症の予防啓発で「美少女戦士セーラームーン」とのコラボレーシ
ョンポスターなどを作成しました(2016年11月21日)
◆【11月29日開催】RED RIBBON LIVE 2016
◆インフルエンザが流行シーズン入りしました(2016年11月25日)
◆結核に関する特定感染症予防指針を改正しました(2016年11月25日)
◆結核治療後の病状把握について運用を変更しました(2016年11月25日)
▼感染症発生情報▼
◆IDWR 2016年第45週(第45号)(2016年11月28日掲載予定)
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2016年11月18日〜11月25日掲載)
▼編集室より▼
◆「あさコラム」vol.31「月にかわって…」
浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
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こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
11月21日に性感染症の予防啓発で「美少女戦士セーラームーン」とのコラ
ボレーションポスターなどについて報道関係者向けに発表しました。
また、インフルエンザが流行シーズンに入りました。
詳細は本メールマガジンをご覧ください。
今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
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▼トピックス▼
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◆性感染症の予防啓発で「美少女戦士セーラームーン」とのコラボレーショ
ンポスターなどを作成しました(2016年11月21日)
〜キャッチフレーズは「検査しないと おしおきよ !! 」〜
厚生労働省は、「美少女戦士セーラームーン」とコラボレーションし、性
感染症の予防や、早期発見・治療の必要性を啓発するためのポスターやリー
フレットなどを作成しました。
近年、性感染症の中でも、「梅毒」の感染者の報告数が男女ともに増加し
ています。ここ6年では、平成22(2010)年の621例から平成27(2015)年の
2,697例と約4倍に増えています。
性感染症の予防には、性感染症を自らの重要な健康問題と捉えて、正しい
知識とコンドームの使用などの予防手段を知ることが重要です。また、性感
染症にかかってしまった場合には、早期発見と治療が大切です。そこで、厚
生労働省では、幅広い層に認知されている「美少女戦士セーラームーン」と
コラボレーションした性感染症の予防啓発を企画しました。
今回のコラボレーションにあたっては、「美少女戦士セーラームーン」の
原作者である武内直子先生にご賛同いただきました。また、性感染症の早期
発見・治療につなげるメッセージとして、「検査しないと おしおきよ!!」と
いうキャッチフレーズを使用することになりました。
「美少女戦士セーラームーン」のイラストを使用した啓発ツールは、ポス
ターとリーフレット、コンドームのハート型外パッケージの3種類です。ポ
スターとリーフレットは、全国の自治体・団体などに配布し、それぞれの自
治体などでの啓発活動に活用していただきます。コンドームについては、公
益財団法人 性の健康医学財団が作成し、自治体などに配布するほか、啓発
イベントなどの機会を通じて配布していく予定です。
<報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000143508.html
<性感染症>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/
◆【11月29日開催】RED RIBBON LIVE 2016
厚生労働省は、12月1日の世界エイズデーに向け、赤坂BLITZにおいて普及
啓発イベント「RED RIBBON LIVE 2016」を実施します。
イベントの模様は、インターネット(LINE LIVE、ニコニコ生放送)により
配信しますので是非ご覧ください。
各医療機関におかれましては、HIV/エイズの予防啓発及び検査に関する情
報提供など、HIV感染の早期発見・早期治療に向け、引き続きご協力をお願い
します。
<イベント内容>
日 時: 11月29日(火)18:30〜21:30(予定)
出演者: 蒼井そら、岩本愛吉、押尾コータロー、加藤鷹、こにわ、紗倉まな、
脊山麻理子、世良公則、せんだみつお、曽我部恵一、TERU(GLAY)、
Negicco(50音順)
M C: 山本シュウ(総合プロデューサー)※敬称略
RED RIBBON LIVE公式サイト:http://redribbonlive.net/
Facebook:https://www.facebook.com/REDRIBBONLIVE
Twitter:https://twitter.com/RRxTBS
◆インフルエンザが流行シーズン入りしました(2016年11月25日)
2016年第46週(11月14日〜11月20日)のデータを公表しました。
全国の定点医療機関当たり報告数は1.38(前週は0.84)で、流行
開始の目安である1.00を上回り、流行シーズン入りしました。
医療機関の皆様におかれても、流行入りを機に、日常の診療に加
え、咳エチケットや手洗い等のインフルエンザの予防対策の周知に
も、改めてご協力をお願いします。
<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
<「平成28年度 今冬のインフルエンザ総合対策」ホームページ>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/influenza/index.html
◆結核に関する特定感染症予防指針を改正しました(2016年11月25日)
本日、指針の改正が告示され、同日適用されました。
今回の改正では、病原体サーベイランス体制の構築や、患者中心の
DOTSの推進、潜在性結核感染症の者に対する確実な治療等の取組を
更に進めて、平成32年に罹患率(人口10万人対患者数)10以下の
結核低まん延国となることを目指すこととしました。
指針に基づく結核対策の推進に、皆様のご協力をお願いします。
<厚生労働省:結核について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/
◆結核治療後の病状把握について運用を変更しました(2016年11月25日)
本日、感染症法施行規則の改正省令が公布され、同日施行されました。
結核の治療を終えた者は、原則一律2年間、保健所が病状を把握します。
このたび、潜在性結核感染症の治療を終えた者のうち、以後の発症リスクが
低いと保健所長が判断した者に限り、その時点で経過観察を終了できるよう、
運用の変更を行いました。
<厚生労働省:結核について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/
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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況
◆IDWR 2016年第45週(第45号)(2016年11月28日掲載予定)
<IDWR 感染症発生動向調査週報>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html
■海外の感染症発生状況
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2016年11月18日〜11月25日掲載)
2016年11月22日デング熱の発生報告 −ブルキナファソ
http://www.forth.go.jp/topics/2016/11221253.html
2016年11月21日国際保健規則に基づくジカウイルスおよび神経疾患と新生児奇形の増加に関する第5回緊急委員会のWHO声明
http://www.forth.go.jp/topics/2016/11211038.html
2016年11月21日ジカウイルス感染症の発生状況 (更新40)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/11211038.html
2016年11月18日世界の麻しんへの取り組み
http://www.forth.go.jp/topics/2016/11181312.html
2016年11月18日鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新11)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/11181309.html
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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.31「月にかわって…」
こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
ついに解禁!「美少女戦士セーラームーン」とコラボレーション!
去る11月21日、「性感染症予防キャンペーン」で厚生労働省が国民的漫画
「美少女戦士セーラームーン」とコラボレーションすることが発表されまし
た。
発表日までは極秘事項として口を堅く閉ざしておりましたが、ここに改め
て発表いたしますとともに、作者の武内直子先生と講談社様、性の健康医学
財団様に心から御礼を申し上げます。
今まで、私たちは性感染症予防の啓発普及に毎年取り組んでまいりました
が、残念ながら現在、性感染症の感染者数は増加傾向にあります。
性感染症は感染しても直ちに症状が出ないことも多く、発見が遅れ、その
ために他の方々に感染を広げてしまうという特徴を持っています。
とりわけ、性感染症の中でも、ここ数年、急増しているのが梅毒。
痛みのない潰瘍が性器に形成され、治療せずにいると全身の皮疹やリンパ
節の腫脹、数年〜数十年後には血管や神経の障害など、多様な症状をきたす
感染症です。
平成22年(2010年)の梅毒報告数は621件でしたが、平成27年(2015年)
では報告数は2697件と実に4倍以上に増え、今年(平成28年、2016年)は10
月初旬までに3284件と、既に前年の報告数を上回りました。
年齢別でみると、全体としては男性の報告数が多いものの、20歳代前半で
は女性が男性を上回るなど、10歳代後半から30歳代までの若い女性における
増加が顕著。
特に妊婦さんへの感染は、早産や死産、胎児への重篤な異常につながる可
能性があり、この状況、大変心配しているところなのです。
課長就任時の昨年から「この状況は何とかならないものだろうか」と担当
と一緒に悩み、数ヶ月前からキャンペーンを思案していたところ、浮上して
きたのがセーラームーンとのコラボレーション。
子どもの時にこの漫画やアニメを楽しみにしていた少女たちが、現在、20
〜30歳代の女性になっています。
「20〜30歳代の女性層が子供の時のヒロインだったセーラームーンの力を
借りて、性感染症が増加しているこの局面を打破できないものだろうか…」
と、担当が武内先生に打診したところ、キャンペーンへのコラボレーショ
ンについて武内先生からご快諾をいただきました。
ポスターは、武内先生の発案のとおり、月に座ったセーラームーンが「検
査しないと おしおきよ!!」と検査を呼びかけるものです。
当初は「エイズ・性感染症予防 まずは検査から始めよう」といった無難
なキャッチコピーを提案していたのですが、武内先生とのやりとりの中で、
セーラームーンの決めぜりふである「月にかわっておしおきよ!」をアレン
ジしたキャッチコピーに決まりました。
同じデザインのリーフレットも作成しており、裏面には、主な性感染症と
その症状についてまとめてあります。
発表会見では、武内先生のメッセージが披露されました。
以下に原文ママでご紹介いたします。
『今回のキャンペーンに賛同した私の想い』
いろいろな感染症が取り上げられるなかで、その対策は日頃から重要な問
題であると考えており、今回このような機会を通じて、皆様のお役に立てる
ことを嬉しく思います。
性感染症の問題は非常にデリケートな問題であり、「検査しないとおしお
きよ!」の文言を提案した際の、厚生労働省担当者の「いいんですか!?」
の驚きようは、まさにそれを表しておりました。
セーラームーンが今までのイメージを払拭し、セーラームーンの声がファ
ンや皆さまに理解され、検査に結びつくことで、多くの方がより健康に過ご
せることを願っております。
武内 直子(サイン)
武内先生の意気込みと熱い思いが伝わってくる、心に刺さるメッセージで
す。
さて、このキャンペーン、早速、大きな反響があり、
・コラボレーションを快諾した武内先生の懐の深さに感銘
・私たちの世代にとって性感染症予防が大事なことだからこそ、セーラー
ムーンが選ばれたんだと思うと、本当にスゴイ!
というポジティブなご意見がある一方、
・セーラームーンが汚れてしまう
・セーラームーンが性感染症検査のキャンペーンに登場するのはイメージ
ダウン
という、ネガティブなご意見もありました。
だからこそ、「(性感染症に対する)そのイメージを払拭したい」という
武内先生の熱い思いを強く受け止め、病気のひとつに過ぎない性感染症に対
する正しい理解と偏見差別の解消に取り組んでいかなければならないと決意
を新たにしているところです。
また、
・セーラームーンは中学生(高校生)じゃないの?性感染症の検査を訴え
るキャラとしてはいかがだろうか?
とのご意見には、
・前出のとおり、セーラームーンは連載当時の漫画やアニメを楽しんでい
た現在の20〜30歳代の女性との親和性が高いこと
・中高生には、エイズ予防教育や保健の授業で、検査や相談など性感染症
予防についての学習は既に行われていること
・10歳代後半においても、性感染症の感染者が報告されていること
ということを鑑みると、セーラームーンが性感染症予防の観点で検査や相
談を訴えてくれるのは不適切ではないと思います。
(ちなみに、漫画ではセーラームーンはクリスタル・トーキョーの女王ネ
オ・クイーン・セレニティ(22歳)となります)
なお、女性に人気のあるキャラクターである乙女の味方・セーラームーン
は、実は男性にも人気が高いんです。
また、セーラームーンは、LGBTの方々にも支持を得ているとの情報もあり
ます。
要は、みんなの人気者なんですね。
性感染症は女性だけの健康問題ではなく、男性の健康問題でもあります。
「検査しないと おしおきよ!!」と発したセーラームーンのメッセージは、
女性だけに留まらず、全ての方々に向けていると、私は考えています。
何はともあれ、この発表により、一時期は「セーラームーン」と「厚生労
働省」がトレンドワードの上位を獲得するなど、性感染症の予防が久々に脚
光を浴びたのは大変ありがたいことです。
特に、性感染症予防の啓発用に準備したセーラームーンパッケージの配布
コンドームは人気が高いようで、「欲しい!どこで買えるの?」といった問
い合わせもあったとか。
(残念ながら、この製品は性の健康医学財団様がオカモト(株)様のご協
力を得てキャンペーン用に作っていただいた非売品なのです。)
知らぬ間に忍びよる、性感染症の脅威。
この窮地を打破するために、話題性があり訴求力も高いセーラームーンと
武内先生の力をお借りしながら、今回の「性感染症予防キャンペーン」に取
り組んでまいります。
コラムの読者の皆様からも色々とご意見やご感想があるかとは思いますが、
性感染症について話題にもならず、無関心となることが一番の問題。
こうした状況をご理解いただき、ぜひ「性感染症予防キャンペーン」にご
支援をいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
では、次回もどうぞよろしくお願いします。
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