感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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>>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.270(2016年10月28日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
▼トピックス▼
◆感染症危機管理専門家養成プログラム(IDES)人材募集は来週10月31日まで
◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を11月6日に開催
◆11月11日 厚生労働省セッション〜薬剤耐性(AMR)対策〜
▼感染症発生情報▼
◆IDWR 2016年第41週(第41号)(2016年10月28日)
◆IASR Vo.37, No.10 (No.440)(2016年10月)
◆全国の定点当たり報告数は0.37〜インフルエンザの発生状況を公表しました
(2016年10月28日)
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2016年10月21日〜10月28日掲載)
▼編集室より▼
◆「あさコラム」vol.27「ロミオとジュリエット」
浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
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こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
来週11月6日に「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を開催
しますので、医療従事者の方々におかれましては、奮ってご参加ください。
詳細は本メールマガジンをご覧ください。
今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
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▼トピックス▼
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◆感染症危機管理専門家養成プログラム(IDES)人材募集は来週10月31日まで
昨今のエボラ出血熱や新型インフルエンザなどの世界的リスクを軽減・最
小化するため、こうしたリスクをマネージメントできるリーダーの養成が求
められています。
世界的視点での判断能力、コミュニケーション能力、そして経験に裏付け
された実行力をもつ医師を育てるプログラムが、感染症危機管理専門家養成
プログラム(IDES)です。
次代のリーダーを志す方はまず下記の採用案内をご覧ください!
※募集は来週10月31日(月)(当日消印有効)までとなっております。
<採用案内ページ>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html
<faecbookページ>
http://www.facebook.com/idestp/
◆「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を11月6日に開催
<席に限りがございますので、早めのご応募を!>
新型インフルエンザに対しては、発生時における予防接種制度「特定接種」
「住民接種」が設けられるとともに、抗インフルエンザ薬の備蓄など、新型
インフルエンザによる健康被害や、社会・経済活動の影響を最小限にとどめ
るよう体制の整備が進められています。
本研修では、医療従事者向けに新型インフルエンザの対策や制度について、
4人の専門家が解説いたします。
【日 時】平成28年11月6日(日)13:00〜16:00(受付開始12:30)
【会 場】イイノホール&カンファレンスセンター
(東京都千代田区内幸町2-1-1)
http://www.iino.co.jp/hall/access/
【参加費】無料
【参加方法】下記URLよりお申し込みください。
※事前申込制につき、定員に達し次第、締め切らせていただきます。
<平成28年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/kouen-kensyuukai.html
◆11月11日 厚生労働省セッション〜薬剤耐性(AMR)対策〜
11月11日に、「第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国
際会議」のプログラムの一つとして、厚生労働省セッション 〜薬剤耐性(AMR)
対策〜を福岡県北九州市で開催します。
抗微生物剤などが効かなくなる薬剤耐性(AMR)感染症が重大な危機である
との認識が国際的に高まっています。
本セッションでは、医療・獣医療などAMRに関わる分野の方を始めとした国
民の皆さまに、世界や日本におけるAMRの現状と抗微生物剤などの適正使用と
いった対策の重要性を解説します。
参加いただいた方には、AMRアクションプラン冊子をお渡しします。
多くの方々のご参加をお待ちしています。
【講演プログラム】
�医療におけるAMRの脅威と対策
アントワープ大学付属病院 微生物学研究室長 Herman Goossens 先生
�AMRに関する地球規模及び国家レベルでの取り組みとしてのグローバル・アクション・プラン
FAOアジア太平洋地域事務所上級動物生産衛生担当官 Katinka de Balogh 先生
�医療における適正使用の取組−世界と日本−
国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター長 大曲 貴夫 先生
�獣医療における慎重使用の取組−世界と日本−
酪農学園大学 獣医学群衛生・環境学分野食品衛生学教授 田村 豊 先生
【日 時】平成28年11月10日(木)、11日(金)(2日間)
厚生労働省セッション:11日(金)8:00〜10:10(受付時間7:30〜)
【場 所】リーガロイヤルホテル小倉(福岡県北九州市小倉北区浅野2−14−2)
【参加費】無料
【参加方法】申込用紙に必要事項を記載の上、お申し込みください。
<2016年11月11日開催 厚生労働省セッション− 薬剤耐性(AMR)対策−>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000113218.html
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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況
◆IDWR 2016年第41週(第41号)(2016年10月28日)
インフルエンザの定点医療機関当たり報告数は増加しており、過去5年間
の同時期と比較してかなり多くなっています。
感染性胃腸炎、流行性耳下腺炎、マイコプラズマ肺炎の定点医療機関当た
り報告数は減少しましたが、過去5年間の同時期と比較してやや多くなって
います。
その他、感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)の定点当たり報告数は増加
しました。
IDWR(感染症発生動向調査週報)2016年第41週(第41号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html
◆IASR Vo.37, No.10 (No.440)(2016年10月)
特集は「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) 2016年9月現在」です。
「遺伝子型Gムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎の流行―沖縄県」や、
「石川県における流行性耳下腺炎の流行について」、「2015年から検出が続
いているG型ムンプスウイルスの分子系統解析―大阪府」等の記事がありま
す。
IASR(病原微生物検出情報 月報)2016年10月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html
◆全国の定点当たり報告数は0.37〜インフルエンザの発生状況を公表しました
(2016年10月28日)
2016年第42週(10月17日〜10月23日)のデータを公表しました。
全国の定点当たり報告数は0.37となっています。
<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
■海外の感染症発生状況
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2016年10月21日〜10月28日掲載)
2016年10月27日結核の10の事実
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10271327.html
2016年10月26日コレラの発生− イエメン
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10260919.html
2016年10月25日世界ポリオ デー 2016
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10251022.html
2016年10月25日黄熱の発生状況(更新25)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10250953.html
2016年10月24日ジカウイルス感染症の発生状況 (更新36)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10240946.html
2016年10月21日西太平洋地域におけるジカウイルス感染症のリスク評価
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10211201.html
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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.27「ロミオとジュリエット」
こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
鳥取県中部地震で被災された方々、また関係の皆様、心からお見舞い申し
上げます。
避難所も立ち上がっていますが、季節の変わり目ということもあり、避難
所でのインフルエンザやノロウイルスなどの集団発生の心配もあります。
感染防止の基本は手洗いやうがい、咳エチケットやマスクの着用、トイレ
などの共用施設の清掃や消毒といったところです。
避難生活はとても大変だと思いますが、私たちも感染症対策の立場からサ
ポートしていきたいと思います。
さて、先日、はばたき福祉事業団主催の「第6回はばたきミニコンサート」
に参加し、歌曲やシャンソン、ジャズなど様々な音楽を聴いたり、参加した
方々と合唱したりと、素敵なひとときを過ごすことができました。
大平勝美理事長さんや全国訪問看護事業協会の伊藤雅治さんとご一緒したト
ークのコーナーでは、高齢化に伴う薬害エイズの被害者の方々への一層のご支
援と薬害エイズを風化させない決意を表明して参りました。
毎年、春(3月〜4月)には本格的なクラシックコンサートである「はばたき
メモリアルコンサート」も開催されていますので、ぜひコラム読者の方々にも
お越し頂きますよう、お願いいたします。
ということで、芸術の秋を迎えて思い出すのは、英国の劇作家であるウィリ
アム・シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」。
皆様も読んだことがあるかも知れませんが、オペラやバレエ、ミュージカル
として上演されたり、TVドラマとして放送されるなど、わが国でもよく知られ
ています。
かつては宝塚歌劇団でもミュージカルが上演され、今年も東京と大阪でミュ
ージカルが公演されるなど、根強い人気がある作品です。
14世紀のイタリア・ヴェローナで、長年対立するモンタギュー家とキャピュ
レット家。
そのモンタギュー家の一人息子ロミオとキャピュレット家の一人娘ジュリエ
ットとが恋に落ち、二人は修道士のロレンスの元で秘かに結婚します。
しかし、直後に悲劇が訪れ、二人はバラバラに。悲しみにくれるジュリエッ
トは、親から富豪のパリスとの結婚を命じられます。
ピンチになったジュリエットは、修道士ロレンスに相談、仮死状態にする薬
を使った一芝居を企てます。
その企てを知らせる手紙がロミオに届かず、ジュリエットが死んだと思った
ロミオは、彼女の墓の前で自殺。
仮死から目覚めたジュリエットも、ロミオを失った悲しみに暮れて、ロミオ
の短剣で後追い自殺。
「おお、ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?」
と、トートロジーのようなジュリエットの台詞が有名なこのロミオとジュリ
エットは、ざっと言えばこういう悲恋の物語です。
さて、ここで問題!
なぜ、ジュリエットの企てを知らせる手紙が、ロミオに届かなかったのでし
ょうか?
それはこの手紙をロミオに運ぶ使者の僧が、その途上、ペストの患者さんに
遭遇し、その患者さんとともに家に閉じ込められてしまい、足止めを食らって
しまったからです。
あぁ、何と言うことでしょう!
実はこの悲恋を仕掛けた張本人はペストだったのです。
調べてみると、「ロミオとジュリエット」の初演は1595年前後のロンドンと
言われていますが、1592〜94年にはロンドンでペストの流行があったとされて
います。
この頃の状況は、第71回アカデミー賞作品賞の映画「恋におちたシェイクス
ピア」にも描かれていますが、ペストの流行のためロンドンの劇場は閉鎖が相
次ぐなど、ペストがロンドン市民の生活に対して強いインパクトを与えていました。
ドイツを起源とする「ハーメルンの笛吹き男」もペストと関係が深いネズミ
退治のお話で、いかに西欧がペストで悩まされていたのかが伺えます。
ネズミとノミで媒介されるペストは、敗血症症状を起こすことから黒死病と
も呼ばれたペスト菌が原因の感染症です。
しかし、検疫やネズミの駆除など公衆衛生の向上、ネズミの生態の変化、ワ
クチンや治療薬の充実により、先進国では滅多に起きない感染症となりました。
最近の「ロミオとジュリエット」の上演でも、ペストのくだりを端折る事が
多いようです。
そのためこの戯曲は、LINEも電子メールも電話もない時代ならではの「す
れ違い」による悲恋の話でありますが、実はその裏にはこんな感染症が控え
ていたんですね。
「真実の愛はうまくいかないものだ(ウィリアム・シェイクスピアの格言)」
では、次回もどうぞよろしくお願いします。
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