感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2016-10-21

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.269(2016年10月21日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

▼トピックス▼  
 ◆感染症危機管理専門家養成プログラム(IDES)にて人材募集中です
 ◆「平成28年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を開催します
 【参加申込み受付中】
 ◆マイコプラズマ肺炎が増えています。
  〜発熱後にしつこい咳が続くときには要注意!〜

▼審議会・研究会等▼
 ◆第19回厚生科学審議会感染症部会を開催しました(2016年10月17日)

▼感染症発生情報▼
 ◆IDWR 2016年第40週(第40号)(2016年10月21日)
 ◆全国の定点当たり報告数は0.24〜インフルエンザの発生状況を公表しました
  (2016年10月21日)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
  (2016年10月14日〜10月21日掲載)
▼編集室より▼
 ◆「あさコラム」vol.26「舞子Villa Beach」
   浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
 
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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
  
 次代の感染症危機管理対応のリーダーを育てる感染症危機管理専門家養成
プログラム(IDES)で人材を募集しています。
 また、11月6日に「新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を開催し
ますので、医療従事者の方々におかれましては、奮ってご参加ください。

 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。

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▼トピックス▼
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◆感染症危機管理専門家養成プログラム(IDES)にて人材募集中です

 昨今のエボラ出血熱や新型インフルエンザなどの世界的リスクを軽減・最
小化するため、こうしたリスクをマネージメントできるリーダーの養成が求
められています。
 世界的視点での判断能力、コミュニケーション能力、そして経験に裏付け
された実行力をもつ医師を育てるプログラムが、感染症危機管理専門家養成
プログラム(IDES)です。
 次代のリーダーを志す方はまず下記の採用案内をご覧ください!
 ※募集は10月31日(月)(当日消印有効)までとなっております。 

<採用案内ページ>
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/kikikanri/index.html
<faecbookページ>
http://www.facebook.com/idestp/


◆「平成28年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修」を開催します
 【参加申込み受付中】

 新型インフルエンザに対しては、発生時における予防接種制度「特定接種」
「住民接種」が設けられるとともに、抗インフルエンザ薬の備蓄など、新型
インフルエンザによる健康被害や、社会・経済活動の影響を最小限にとどめ
るよう体制の整備が進められています。
 本研修では、医療従事者向けに新型インフルエンザの対策や制度について、
4人の専門家が解説いたします。

【日  時】平成28年11月6日(日)13:00〜16:00(受付開始12:30)
【会  場】イイノホール&カンファレンスセンター
    (東京都千代田区内幸町2-1-1) 
     http://www.iino.co.jp/hall/access/
【参加費】無料
【参加方法】下記URLよりお申し込みください。
 ※事前申込制につき、定員(500名)に達し次第、締め切らせていただきます。

<平成28年度新型インフルエンザの診療と対策に関する研修>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/kouen-kensyuukai.html


◆マイコプラズマ肺炎が増えています
 〜発熱後にしつこい咳が続くときには要注意!〜

 発熱や全身のだるさに伴って、徐々に出てきた咳がしつこく治らない。発熱
も続くので念のため、病院へ。胸のレントゲンを撮ってもらったら、はっきり
した異常な陰影があり、マイコプラズマ肺炎と診断された!などの経過をたど
るマイコプラズマ肺炎の患者が全国的に増えています。

 マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌が肺に感染しておこる病
気です。多くが外来治療で治ります。しかし、近年では、マクロライド系とい
うこれまでの第一選択の薬が効きにくいマイコプラズマ肺炎も話題となってい
ます。

 マイコプラズマ肺炎は、「肺炎」と呼ばれる割には、聴診器で呼吸音を聞い
ても異常がなく、元気なことも多い病気と言われています。
 しかし、重症肺炎となったり、無菌性髄膜炎やギラン・バレー症候群などの
合併症もありますので、注意が必要です。通常、学童から青年を中心に、秋か
ら春にかけて報告数が多くなります。患者は引き続き増えることが予想されま
す。

 潜伏期間2〜3週間と潜伏期間の長い感染症です。周囲にマイコプラズマ肺炎
の確定診断を受けた人がいる場合には特に注意しましょう。流行期には手洗い、
うがいなどの励行と、患者との濃厚な接触を避けることが有用となります。

<国立感染症研究所:マイコプラズマ肺炎とは>
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/503-mycoplasma-pneumoniae.html


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▼審議会・研究会等▼
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◆第19回厚生科学審議会感染症部会を開催しました(2016年10月17日)

 今回の感染症部会では、「エイズ・性感染症に関する小委員会」を本会議
の下に設置することや新型インフルエンザに係る被害想定の調査方法につい
て、審議し、了承されました。
 エイズ・性感染症に関する小委員会では、「後天性免疫不全症候群に関す
る特定感染症予防指針」と「性感染症に関する特定感染症予防指針」の見直
し等について検討が行われる予定です。

<第19回厚生科学審議会感染症部会資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127717

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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2016年第40週(第40号)(2016年10月21日)

 マイコプラズマ肺炎の定点医療機関当たり報告数は2週連続で増加し、過去
5年間の同時期と比較してやや多くなっています。
 インフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足
口病の定点医療機関当たり報告数は増加しました。
 流行性耳下腺炎の定点医療機関当たり報告数は減少しましたが、過去5年間
の同時期と比較してかなり多くなっています。
 その他、RSウイルス感染症の報告数は増加しています。

IDWR(感染症発生動向調査週報)2016年第40週(第40号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html


◆全国の定点当たり報告数は0.24〜インフルエンザの発生状況を公表しました
(2016年10月21日)

 2016年第41週(10月10日〜10月16日)のデータを公表しました。
 全国の定点当たり報告数は0.24となっています。

<インフルエンザに関する報道発表資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2016年10月7日〜10月14日掲載)
2016年10月19日コレラの10の事実
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10191332.html
2016年10月17日黄熱の発生状況(更新24)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10171114.html
2016年10月14日ジカウイルス感染症の発生状況(更新35)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10141519.html
2016年10月14日サル痘の発生− 中央アフリカ共和国
http://www.forth.go.jp/topics/2016/10141511.html

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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.26「舞子Villa Beach」

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。

 国立感染症研究所によりますと、マイコプラズマ肺炎の1週間当たりの患者
報告数が、感染症法に基づく1999年の調査開始以降で過去最多レベルになっ
ています。
 マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという病原体を原因とする呼吸器
感染症。
 飛沫感染や接触感染などで広がり、重症肺炎になるケースも。
 また、中耳炎や溶血性貧血、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎などを合併するこ
ともあります。
 かつては4年周期でオリンピック開催年に大きな流行を繰り返してきたこと
から「オリンピック病」と呼ばれていましたが、まさに今年はリオデジャネ
イロオリンピックの年。
 このジンクスは復活したということなのでしょうか?
 手洗い、うがい、マスクの着用、早期の受診など、ぜひ予防に心がけたい
ものです。

 かくいう私も、実は今から26年前の春、このマイコプラズマ肺炎に罹患
しました。
 最初は風邪を引いたのかな?程度に思っていたところ、段々と体調が悪く
なり、近医を受診。
 いわゆる風邪薬を処方していただき、様子を見ていたところ、体調は戻る
どころかますます悪化。
 熱と咳が出て、呼吸は苦しくなるばかり。
 再度受診し、胸部X線写真を撮ったところ、肺は両側とも真っ白け。
 「これはいったい何なのだろう?」と、できの悪い医学生だった私が出し
た結論は「マイコプラズマ肺炎」でした。

 「う〜ん、全く良くならないねぇ…」と心配してくれた内科の先生に
 「先生、もしかしてマイコプラズマ肺炎なんじゃないですかねぇ?」とお
そるおそる尋ねると、
 「そうかなぁ?じゃ、処方を変えてみようか!」と、頂いたお薬が、今で
も忘れはしない「ジョサマイシン」。
 マクロライド系の抗生物質です。

 藁をもすがる思いでジョサマイシンを服薬しはじめると、あら不思議!
 服用2日目にも関わらず、体調が一気に改善。
 その後はみるみる回復し、1週間後の再診時にはすっかり元気になりまし
た。

 「君、大当たりだよ!」
 前回受診時に採血した血液検査データを先生から見せてもらうと、マイコ
プラズマの抗体価がびっくりするほど高力価を示していました。
 おお!これぞまさに診断学的治療だなぁと自己満足し、足取り軽く帰宅の
途につきました。
 やはり、精度の高い診断と適切な治療が重要ですね。

 この年の秋、時の人気ミュージシャン・大江千里さんが「Apollo」という
CDアルバムを発売しました。
 その中の一曲、「舞子Villa Beach」という曲を聴く度に、「舞子Villa 
Beach♪」というフレーズが、なぜか「マイコプラズマ」と聞こえる空耳アワ
ー状態になったとかならなかったとか。
 この曲を聴きながら、医師国家試験の勉強に励んだことも、マイコプラズ
マの思い出です。
 ※ちなみに、舞子とは女性の名前ではなく、兵庫県神戸市垂水区にある瀬
戸内海に面する素敵な海辺です。 

 そういえば第3回神戸マラソンに出場した時も、折り返し地点だったこの
舞子の地を走り抜けた時、頭の中になぜか「マイコプラズマ」が思い浮かび
ました。
 こんなマイコプラズマですから、きっと一生忘れませんね。

 
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