感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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>>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.261(2016年8月26日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
▼トピックス▼
◆麻しんの広域的発生について(2016年8月24日)
◆B型肝炎ワクチンの定期接種化に係るリーフレットを掲載しました(2016年年8月22日)
◆ジカウイルス感染症診療Q&Aについて(2016年8月23日)
◆蚊媒介感染症の国内発生に備えて〜その2〜(2016年8月26日)
▼感染症発生情報▼
◆IDWR 2016年第32週(第32号)(2016年8月26日)
◆IASR 急性B型肝炎 2006年4月〜2015年12月などについて
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
(2016年8月19日〜8月26日掲載)
▼編集室より▼
◆「あさコラム」vol.18「この横浜にまさるあらめや」
浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
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こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
麻しんが広域的に発生しています。感染力の強さを鑑みた対策の実施をお
願いいたします。また、B型肝炎ワクチンの定期接種化に係るリーフレット
を掲載しました。
詳細は本メールマガジンをご覧ください。
今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
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▼トピックス▼
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◆麻しんの広域的発生について(2016年8月24日)
麻しん患者の届出数が増加しています。
麻しん患者が感染性を有する時期に、広範囲の不特定多数の者に接触した
場合、広範な地域において麻しん患者が発生し、医療機関を受診する可能性
があります。
発熱や発しんを呈する患者が受診した際は予防接種歴の確認など麻しんの
発生を意識した診療を行うことや、麻しんと診断した場合に都道府県知事等
へ直ちに届け出ること、また、麻しんの感染力の強さに鑑みた院内感染対
策を実施することについて、ご協力をお願いいたします。
<厚生労働省:麻しん・風しん>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou21/index.html
<厚生労働省:麻しんの広域的発生について(情報提供)>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000134554.pdf
◆B型肝炎ワクチンの定期接種化に係るリーフレットを掲載しました(2016年年8月22日)
平成28年10月1日から始まるB型肝炎ワクチンの定期接種について、啓発用
リーフレットを作成しました。自治体や医療機関等において適宜ご活用くだ
さい。
<厚生労働省:B型肝炎ワクチンの定期接種化に係るリーフレット>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000134156.pdf
◆ジカウイルス感染症診療Q&Aについて(2016年8月23日)
国立感染症研究所においてジカウイルス感染症の診療に関するQ&Aが作
成されました。疫学情報や検査法、予防法をQ&A形式でまとまっています。
医療機関の皆様におかれましては、ご活用ください。
<厚生労働省:ジカウイルス感染症診療Q&A>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000134408.pdf
◆蚊媒介感染症の国内発生に備えて〜その2〜(2016年8月26日)
2014年8月に約70年ぶりにデング熱の国内感染例が発生しましたが、今夏も
デング熱やジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症の国内発生の対策を備え
ておくことが重要です。
○早期診断・治療での重要ポイント
デング熱に感染した場合、発症後2〜7日で解熱し、解熱時期に発疹が出
現します。ジカウイルス感染症に感染した場合は、デング熱に症状は似てい
ますが、比較的症状は軽く、感染しても症状がないか、症状が軽いため気付
かないことがあります。また、デング熱患者の一部は、まれに重症化してデ
ング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治
療が行われなければ死に至ることがあります。そのため、早期診断と適切な
治療が、重症化や感染拡大を防ぐために重要となります。
医療機関の皆様におかれましては、これらの感染症の国内感染を疑う患者
を診察した場合は、最寄りの保健所へ情報提供いただくようお願いします。
また、自治体の皆様におかれましては、国内感染が疑われる症例について
は検査を実施すると決定した時点で、厚生労働省まで情報提供いただくよう
お願いします。
○感染を疑う患者の対応には、診療ガイドラインをご活用ください。
<厚生労働省:蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000131653.pdf
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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況
◆IDWR 2016年第32週(第32号)(2016年8月26日)
流行性耳下腺炎の定点医療機関当たり報告数は減少しましたが、過去5年間
の同時期と比較してかなり多くなっています。
また、インフルエンザの定点医療機関当たり報告数は増加しました。
IDWR(感染症発生動向調査週報)2016年第32週(第32号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html
◆IASR 急性B型肝炎 2006年4月〜2015年12月などについて
特集は「急性B型肝炎 2006年4月〜2015年12月」です。
「初回献血者および検診受診者集団におけるHBs抗原陽性率の状況」や、「わ
が国における急性B型肝炎の現状」、「飲用水からノロウイルスGI.6が検出さ
れた食中毒事例―福岡県」等の記事があります。
IASR(病原微生物検出情報 月報)2016年8月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html
■海外の感染症発生状況
◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2016年8月19日〜8月26日掲載)
2016年08月23日ジカウイルス感染症への注意喚起 ーアメリカ合衆国・フロリダ州
http://www.forth.go.jp/topics/2016/08231428.html
2016年08月23日WHOが人道危機への対策を強化(ポリオ関連) −ナイジェリア
http://www.forth.go.jp/topics/2016/08231212.html
2016年08月22日黄熱の発生状況(更新16)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/08221333.html
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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.18「この横浜にまさるあらめや」
こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
各地で麻しんの流行の兆しが散見されています。
ワクチンの接種歴がない方が海外渡航先で感染してくる輸入症例がきっか
けで、各所で免疫がない方が感染する・・・というパターンです。
一つ二つのイベントで感染が拡大しているだけではなさそうなので、全国
各地、広く留意が必要です。
わが国は排除状態となっている麻しんですが、感染力が強く、合併症の心
配もあり、未だ予断は許せません。
その対策としては、
・「麻しんとはどのような感染症か」という啓発普及(感染力が強いため、
発疹が出たら人混みにいかず、早く受診する。)
・麻しん予防接種の接種率の向上
・海外渡航者に向けた啓発普及(未接種者への予防接種、渡航先の流行状
況の確認する。など)
・医療機関への受診の仕方の啓発(発熱と発疹が出たら、受診前に連絡し
て医療機関にかかる。医療機関での感染を防ぐためにも重要。)
など、地道な取り組みが必要です。
皆様のご支援とご協力、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、去る8月20日、横浜検疫所施設公開に行ってまいりました。
お天気に恵まれず雨の中での施設公開になりましたが、それでも400名以上
の方にお越し頂いたとのこと。
その関心の高さに驚いてます。
私も久々に横浜検疫所の施設を訪れましたが、港湾衛生や輸入食品におけ
る検査で用いられる最新の検査機器が整備されていて、隔世の感でし
た。
横浜検疫所は明治28年に長濱検疫所として開設された歴史のある検疫所で、
かつては野口英世博士が検疫医官補として赴任していた検疫所です。
ちなみに、明治32年、野口検疫医官補は横浜港に入港した豪華客船・亜米
利加丸の船員からペスト菌を検出、日本の検疫業務の実力を世界に示したと
言われています。
当時の検疫所の面影を残す施設は
・1号停留所
・細菌検査室
・事務棟
の3棟なのですが、このうち、細菌検査室と事務棟は隣接する長浜野口記念
公園の施設として現存し、常時公開されています。
(野口英世細菌検査室保存会の皆様の活動のおかげで、施設が維持されてい
ます)
唯一、1号停留所だけは現在の横浜検疫所内の敷地にあり、この施設公開で
なければ観ることができません。
この日、横浜検疫所の木村博承所長にご案内頂き、1号停留所を見学して
きました。
この停留所は明治28年に創建。大正12年の関東大震災で壊滅しましたが、
何と翌年にはほぼ復旧したとのことで、当時の検疫の重要性について垣間見
ることができました。
停留所に入ると、右手には明治の香りが漂う食堂があります。
「この洋食器を見て下さい!明治にここまでの洋食器を揃えていたのは凄
いことなんです!」と力説する木村所長。
そのココロは、世界各地から入港する客船等に乗船していた方々を停留す
るに当たり、食事が大事ということで、当時としては珍しい洋食を提供でき
るようになっていたのだそうです。
当時は日本に数名しかいなかった洋食のコックさんが、検疫所に勤務して
いたとか。まさに「おもてなしの心」ですね。
「人権に配慮した停留所だったんです」と、木村所長談。
停留のための各部室は二人部屋になっていますが、そこには顕微鏡などの
当時の医療器具やベッドや木製の簡易洋式便器などが展示されていました。
ベットには天井から蚊帳がつるされており、当時から蚊媒介感染症の拡大
防止の基本がなされていたと再認識。
また、当時の防護服も展示してありました。
素材こそ現在の化学繊維とは違いますが、まるで潜水服のような防護服の
コンセプトは、今の防護服と何ら変わらないものです。
談話室には、後藤新平の書が掲げられ、優雅なソファーやテーブル、骨董
品と見間違うかの貴重な蓄音機やレコードまでがあり、明治の趣あふれる造
りになっています。
短歌集会も行われていた記録もあり、かの有名な与謝野晶子女史も与謝野
鉄幹氏とともに来所された記録がありました。
「されば港の数多かれど この横浜にまさるあらめや」
横浜市歌の歌詞のとおり、今も昔も横浜港はわが国を代表する港。
その横浜港で、今も昔も変わらない感染症の脅威に挑む横浜検疫所にはこ
のような歴史遺産があることを、皆様にも知って頂きたいと思います。
1号停留所、わが国の感染症対策の歴史を知るための貴重な施設です。
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