感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2016-07-29

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.258(2016年7月29日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

▼トピックス▼  
 ◆夏休みも、蚊にご用心
 ◆夏風邪 ヘルパンギーナが流行っています
▼感染症発生情報▼
 ◆IDWR 2016年第29週(第29号)(2016年7月29日)
 ◆IASR  蚊媒介ウイルス感染症:ジカウイルス感染症・チクングニア熱・
  デング熱、2011年〜2016年6月
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
    (2016年7月22日〜7月29日掲載)
▼編集室より▼
 ◆「あさコラム」vol.15「デング熱と公園」
   浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
        
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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
  
 7月最後の配信となります。ご自身やお子様が夏休みの方もいらっしゃ
るのではないでしょうか。お出かけの際には、蚊にご注意ください。
 せっかくのお休み、夏風邪にもかからないよう、予防を徹底しましょう。
 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
   
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▼トピックス▼
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◆夏休みも、蚊にご用心

 これから夏季休暇の時期を迎えるに当たり、多くの方が海外へ渡航さ
れます。
 
 マラリア、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症など、蚊
を媒介した感染症が世界的に多く報告されており、注意が必要です。
渡航先での心がけによって、感染するリスクを抑えることができます。
 
 まず、蚊に刺されることなどによる感染症を防止することが大切です。
そのために、野外活動の際には、長袖・長ズボンを着用する、素足での
サンダル履きなどは避ける、虫除け剤を使用するようにしましょう。
 
 渡航先において医療機関を受診するなど体調に不安がある場合や、帰
国時に発熱など体調の異状がある場合には、空港などの検疫所に相談し
てください。
 また、帰国後に体調の異状が生じた場合は、速やかに医療機関を受診
しましょう。

 海外滞在中に感染症にかかることなく、安全で快適に旅行し、帰国す
ることができるように、渡航先の感染症には気を付けましょう。

 医療機関の皆様におかれましても、注意喚起のご協力をお願いします。

<URL変更のお知らせ>
2016年7月25日に厚生労働省HP「デング熱について」のURLを変更しまし
た。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131101.html


◆夏風邪 ヘルパンギーナが流行っています

 夏風邪は主に、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)
の3種類に分類されます。この中でも、全国的にヘルパンギーナが流行
しています。

 ヘルパンギーナは、主に乳幼児が罹患する疾患ですが、大人にも罹患
します。
 ウイルス性ですので抗菌薬は効きませんし、ワクチンもありません。
そのため、感染予防が重要になります。感染者との濃厚な接触を避け、
手洗い・うがいを徹底しましょう。

 ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の
炎症(アンギーナ)」であり、その名の通り、熱と口腔粘膜に水疱性の
発疹があらわれることを特徴とした急性の「ウイルス性咽頭炎」です。

 小児では発熱時に熱性けいれんを伴うこともあります。また、特に乳
児では経口摂取が不良となった結果、脱水症に陥ることや、時に髄膜炎
や心筋炎など重症化することもあるため、注意が必要です。

<国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは> 
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html
<感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について 〜ヘルパンギーナ〜>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-25.html


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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2016年第28週(第28号)(2016年7月29日)
 流行性耳下腺炎の定点医療機関当たり報告数は2週連続で増加し、過去5
年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
 また、RSウイルス感染症、水痘、手足口病の定点医療機関当たり報告数
は増加しました。
 その他、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、伝染
性紅斑の定点医療機関当たり報告数は減少しました。

IDWR(感染症発生動向調査週報)2016年第28週(第28号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html

◆IASR  蚊媒介ウイルス感染症:ジカウイルス感染症・チクングニア熱・
 デング熱、2011年〜2016年6月などについて
 特集は「蚊媒介ウイルス感染症:ジカウイルス感染症・チクングニア
熱・デング熱、2011年〜2016年6月」です。
「ジカウイルス感染症の疫学」や、「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第
3版)の概要」等、外国情報では、「小さいカメ由来のサルモネラ症集団発
生―米国」の記事があります。

IASR(病原微生物検出情報 月報)2016年7月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2016年7月22日〜7月29日掲載)
2016年07月28日アフリカでの流行に伴う一時的な黄熱予防接種の要求
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07281146.html
2016年07月26日中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の発生(更新22)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07261036.html
2016年07月25日黄熱の発生状況(更新12)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07251020.html
2016年07月25日鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新9)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07250901.html
2016年07月22日ジカウイルス感染症の発生状況 (更新23)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07221054.html


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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.15「デング熱と公園」

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。

 先日、フィリピンに滞在歴のある新潟県の30歳代の女性が、デング出血熱で
お亡くなりになりました。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。

 この方はフィリピン滞在中にデング熱に罹患したと思われ、現地では症状も
あったようですが、帰国時には発熱もなく、検疫所の健康相談には訪れていま
せんでした。
 しかし、帰国直後に体調が急変され、医療機関でデング出血熱と診断、その
後の治療の甲斐なく荼毘に付されました。

 デング熱は、流行地で蚊に刺されることで感染する疾患で、年間数百例の海
外からの輸入症例が確認されています。 
 デング熱で亡くなるケースは決して多くはなく、わが国では平成17年(2005
年)以来11年ぶりの出来事でしたが、今回のようにデング熱の患者の一部がま
れに重症化してデング出血熱などを発症することがあり、死に至ることがあり
ます。

 亡くなられた女性は、まだお若く、大変残念でなりません。
 私からのお願いは、渡航先で体調を崩された場合には、帰国時に検疫所の健
康相談に必ずお立ち寄りいただきたいということです。
 検疫所では検疫医療専門職の渡航医学の専門医などが診断し、適切な対応を
してくれます。
 また、帰国後に何か症状が認められた場合には、医療機関の受診に際して海
外への渡航歴を告げていただくと、的確な診断・治療につながります。

 更に、デング熱やジカウイルス感染症など、蚊を媒介する感染症の流行地域
に渡航する場合は、長袖を着用したり、蚊の忌避剤(虫よけスプレーなど)を
使用するなど、蚊に刺されない予防策が必要です。
 そして、帰国後も、二次感染を防ぐために、国内でもできるだけ蚊に刺され
ないこと、これも重要なことです。
 来月8月にはリオ・デ・ジャネイロでオリンピック・パラリンピックも始まり
ますので、蚊の駆除も含めてぜひとも防蚊対策に取り組んでいただきたいとこ
ろです。

 ・・・と、何度もこうしたお願いをさせていただいているのですが、実は今、
困ったことが起きています。

 それは、アプリ「ポケモンGO」の大流行です。

 蚊に刺されないためには、草むらや公園の植え込みなど蚊が出没するところ
に近づかないことがポイントなのですが、この「ポケモンGO」、スマートフォ
ンの地図の中で、あちこちにポケモンが現れるため、蚊がいそうな場所でも、
お構いなくポケモンをゲットしに行く方が多数いるようです。
 しかも、特定の公園にはレアなポケモンがゲットできるそうで、こうした情
報がSNSで拡散し、たくさんの「ポケモンGO」ユーザーが昼夜問わず集まってい
るとのこと。
 「ポケモンGO」をプレイしながらの「歩きスマホ」、「ながらスマホ」は大
変危険で、交通事故やトラブルが発生していますが、ポケモン欲しさに蚊に刺
されながら草むらなどを徘徊するのも、感染症対策上、いかがなものかなぁと
思っています。
 事実、「ポケモンGOで一番得してるの蚊だと思う」というTwitterのリツィ
ート数が1万を超える勢いですから、何を況んやという感じです。

 これには、さすがに困りました。
 皆さん、「ポケモンGO」をプレイする際には、夢中になり過ぎず、くれぐれ
も蚊にも用心して下さいね。

 ちなみに、今月(2016年7月発行)の病原微生物検出情報は「蚊媒介ウイル
ス感染症特集」です。
 http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html
 国立感染症研究所の力作ですので、ぜひ読んでください!
 
 では、次回もどうぞよろしくお願いします。

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