感染症エクスプレス@厚労省
バックナンバー
メールマガジンのバックナンバーです。

2016-07-15

感染症情報を医療者へダイレクトにお届けする、厚生労働省のメールマガジン
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┃感┃染┃症┃エ┃ク┃ス┃プ┃レ┃ス┃>>>>>>>>>>>>>>
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   >>>>>>>>>┃@┃厚┃労┃省┃Vol.256(2016年7月15日)
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■ヘッドライン■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

▼トピックス▼  
 ◆蚊媒介感染症の診療ガイドラインが改訂されました
 (2016年7月14日)
 ◆「おたふくかぜ」が流行っています。
▼審議会・研究会等▼
 ◆第20回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を開催
  しました(2016年7月8日)
▼感染症発生情報▼
 ◆IDWR 2016年第26週(第26号):水痘、手足口病などについて
  (2016年7月15日)
 ◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報
    (2016年7月8日〜7月15日掲載)
▼編集室より▼
 ◆「あさコラム」vol.13「福を呼ぶ」
   浅沼結核感染症課長によるエッセイを不定期にお届けします
        
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 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課です。
  
 蚊媒介感染症の診療ガイドラインのジカウイルス感染症に関する知見が、
アップデートされました。
 また最近はおたふく風邪が流行しています。皆様、お気をつけください。
 詳細は本メールマガジンをご覧ください。

 今後も引き続き『感染症エクスプレス@厚労省』をご活用ください。
   
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▼トピックス▼
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◆蚊媒介感染症の診療ガイドラインが改訂されました
 (2016年7月14日)

 平成28年3月11日に、「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第2版)」が
作成されました。それから4ヶ月、ジカウイルス感染症に関する新たな知見を
踏まえて、国立感染症研究所によって改訂が行われました。

 医療機関の方々におかれましては、デング熱、チクングニア熱、
ジカウイルス感染症が疑われる患者を診察した際には、本診療ガイドラインを
御活用いただき、引き続き、適切な対応をお願いします。

 国民の皆様におかれましては、海外の流行地域に出かける際には、長袖、
長ズボンを着用し、虫除け剤を使用するなど、蚊に刺されないように注意
しましょう。

 ジカウイルス感染については、妊娠中に感染すると胎児に小頭症等の
先天性障害を来すことがあることから、妊婦及び妊娠の可能性がある方は、
可能な限り流行地域への渡航を控えてください。

 また、「ジカウイルス感染症に関するQ&A」は随時更新しております。
 今後も、下記ウェブサイトを定期的に確認していただきますようお願いします。

<ジカウイルス感染症について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html

<蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000130281.pdf


◆「おたふくかぜ」が流行っています。
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、通常2〜3週間程度の潜伏期間を経て
発症し、片側または両側の唾液腺(耳下腺が最も多い)が全体的に腫れ、
しばしば発熱を呈します。有効な抗ウイルス薬は現時点ではありませんが、
通常は発症しても1〜2週間程度で軽快します。

 しかし、以下の2点を、是非知っておいて頂きたいと思います。
 �無菌性髄膜炎、髄膜脳炎、難聴(永続的)、睾丸炎、卵巣炎、膵炎
  などの合併症を来すことがある。
 �おたふくかぜを発症する数日前からウイルスが排出される。

 今、おたふくかぜの報告数は、5年ぶりに高い水準で推移しています。
さらなる流行を防ぐには、予防が最も重要であり、おたふくかぜワクチンの接種
(1歳以上で)が重要な手段です。特に集団生活に入る前に、ワクチン接種で
あらかじめ予防しておくことが、現在取り得る最も効果的な予防法です。
 自分のために、そして社会のために、各々が合併症のリスクやワクチンの
副反応のリスクも理解したうえで、行動しましょう。
 なお、ワクチンの重篤な副反応としては無菌性髄膜炎、難聴、精巣炎などが
まれに(それぞれ0.1%未満)起こるとされています。

 医療機関の方々におかれましては、周知をよろしくお願い致します。

<IASR(病原微生物検出情報)2013年8月発行>
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/iasr/34/402j.pdf
<IDWR(感染症発生動向調査)2016年第23週(第23号)注目すべき感染症 
 流行性耳下腺炎>
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/IDWR2016/idwr2016-23.pdf

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▼トピックス▼
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◆第20回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を
 開催しました(2016年7月8日)

 7月8日に第20回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を薬事・
食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と合同で開催
しました。

 今回は、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、A型肝炎、成人用
肺炎球菌、インフルエンザの各ワクチンについて、平成28年4月末までの
副反応報告を基に審議が行われ、これまでの報告では各ワクチンの
安全性に重大な懸念は認められないと評価されました。

 また、HPVワクチンについて、平成28年4月末までの副反応報告を基に
審議が行われ、現状の取り扱いを変更する必要はないが、引き続き
本委員会で検討を継続すると評価されました。

 併せて、予防接種副反応報告書入力アプリについてご報告しました。
 従来の報告様式に加え、当アプリで作成した副反応報告書によっても
本年10月1日から報告可能とするために、関係通知を改正予定です。
 なお、当アプリで作成した副反応報告書は引き続きファックスにて
送付いただくこととなっております。

<第20回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会資料>
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000129775.html

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▼感染症発生情報▼
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■国内の感染症発生状況

◆IDWR 2016年第26週(第26号):水痘、手足口病などについて
  (2016年7月15日)

 水痘、手足口病の定点医療機関当たり報告数は増加しました。
 また、RSウイルス感染症の報告数はで増加しました。
 注目すべき感染症として、麻しん・風しんがあります。

IDWR(感染症発生動向調査週報)2016年第26週(第26号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2016.html


■海外の感染症発生状況

◆厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2016年7月8日〜7月15日掲載)

2016年07月11日黄熱の発生状況(更新10)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07111138.html
2016年07月08日ジカウイルス感染症の発生状況(更新21)
http://www.forth.go.jp/topics/2016/07081515.html

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▼編集室からのお知らせ▼
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◆「あさコラム」vol.13「福を呼ぶ」

 こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。

 前回、風しんと高校野球の話を書いたところ、たくさんの感想と激励を頂きま
した。誠にありがとうございました。大変嬉しく思っています。

 その感想の中で、活躍している難聴のスポーツ選手は、他にもたくさんいるよと、
教えて頂きました。
 例えば、アメリカンフットボールでは、米国NFLシアトル・シーホークスの
デリック・ コールマン選手。
 水泳選手では、ソウルオリンピック個人メドレー金メダリストのハンガリーの
タマス・ダルニュイ選手。
 野球では、独立リーグの新潟アルビレックスBCの野呂 大樹選手。

 そして、今、プロ野球オールスター戦が福岡と横浜で開催されていますが
(7月15日、16日)、福岡のオールスター戦といえば「カズ山本」こと山本 和範選手。
 元南海ホークス、ダイエーホークス、近鉄バファローズの外野手として活躍した、
2度の戦力外通告を受けた苦労人です。
 平成8年の福岡でのオールスター戦では、涙の代打3ランホームランで最優秀
選手賞を獲得しました。

 私の趣味の一つである市民マラソンでは、永井 恒さん。
 かつて出場した洞爺湖マラソンで、偶然にもお会いしました。
 この永井さん、全国47都道府県で開催された各地のマラソン大会において、
全て優勝を果たした市民ランナーなんです。
 もちろん、他にもスキー、卓球、ラグビー、ボクシング、さらにはデフリン
ピックをめざして頑張っている選手もいます。
 素晴らしいですね。私も見習いたいと思います。

 ということで、感染症が原因で難聴になる方を一人でも増やさないよう、
日々仕事をさせていただいていますが、実は今、困ったことが起きています。
 それは、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)の流行です。
 おたふくかぜは耳下腺や顎下腺が腫れることでおたふく面のようになる
ウイルス性の感染症ですが、髄膜炎、脳炎、膵炎や睾丸炎などの合併症を起こす
ことがあります。
 その合併症の一つが難聴です。
 「感染症予防必携(日本公衆衛生協会)」によると、400〜1000例に1例の合併と
言われていますが、高度難聴になりやすく、治癒は困難。

 最新の感染症発生動向調査・感染症週報では、過去5年間の同時期で比較すると、
おたふくかぜの報告はかなり多いとのこと。
 特に、九州と大都市部での流行が目立っているそうです。
 この流行、見過ごすわけにはいきません。

 おたふくかぜは予防接種で感染を防ぐことができます。
 一般的には軽い症状で治まるおたふくかぜですが、感染者が増えれば合併症の
患者さんも増えていくのは道理です。
 今年のような流行に直面すると、予防接種でおたふくかぜの合併症を少しでも
防ぎたいとの思いが募るばかりです。
 未だワクチンは任意接種(定期接種化については検討中)ですが、今すぐ
できることとしては、発生動向調査のデータを注視しながら、予防接種の啓発
普及に努めること。
 読者の皆様にもこの状況をぜひご理解いただき、ご支援を賜りたく存じます。

 ちなみに、おたふくは「お多福」とも書きます。
 しかし、おたふくかぜは、決して福を呼ぶ感染症ではありません、
むしろ、おたふくかぜの流行を抑えることで、難聴や睾丸炎などの合併症を減らし、
世の中に多くの福を呼びたいと、強く思っています。

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